慢性血栓塞栓性肺高血圧症 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3. この病気はどのような人に多いのですか
年齢は、20歳前後から70歳台まで広く分布し、その平均年齢は50~60歳とされ、男女比では、日本では女性に多い傾向があります。

足の表面から遠い体の奥にある静脈に血栓ができ(深部静脈血栓症)、それがはがれて肺にひっかかった(塞栓した)とみられる症例が全体の約1/3にみられますが、2/3の症例は血栓のはがれた場所がはっきりしません。

他に、過去に婦人科の手術をしたことのある人、足の表面の血管に静脈瘤という静脈のこぶができている人に多い傾向がありますが、はっきりとしたこの病気との関係はわかっていません。

また血液が固まりやすくなる素因・病気を持った人に合併することが多く、2割から3割程度の患者さんでは抗カルジオリピン抗体という血液を固まり易くする因子が陽性です。

この因子をもった人は、流産や脳血栓に加え、他の動脈にも血栓をおこすことが多いといわれています。

4. この病気の原因はわかっているのですか
急性の肺血栓塞栓症については、手術後ベッド上安静にしていたかたや、心臓病や、脳卒中などで寝たきりの状態のかたでは、足を動かすことが少ないため下肢の静脈に血栓が形成され易く、これがはがれて肺に詰まり発症するとされています。

一方、慢性例では、急性例と同じように足の静脈にできた血栓が飛ぶことも成因の一つとしてあげられていますが、肺の血管自体に血栓ができる可能性も考えられています。

急性の血栓は、ほとんどの患者さんでは、自然に溶けていくと言われていますが、この慢性のタイプは、患者さん自身がなんらかの血栓が溶けにくくなるような因子、または血液が固まりやすくなる因子を持っていることが関係していることも推察されています。

一部の症例では、抗カルジオリピン抗体や先天的な遺伝性の病気のためと、慢性化する原因がほぼわかっていますが、残念ながら多くの症例では原因は不明であり、現在病因に関しては厚生労働省の研究班などで研究中です。

5. この病気は遺伝するのですか
患者さんの家族を調べてみても、特に同じ病気になった人が多いということはないので、遺伝し易いということはありません。

ごく一部の症例では、血液が固まらないようにする因子であるアンチトロンビンIII、プロテインCおよびプロテインSなどが少なかったり、欠乏している遺伝性の病気との関係がいわれていますが、頻度的にはごく少数例です。