悪性関節リウマチ 4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 関節病期 [編集]
Steinbrocker Stage分類
最も進行した関節の単純X線画像・周囲組織所見からStage I~IVに分類する。
Larsen Grade分類
単純X線画像から関節破壊像をGrade 0~5に分類し評価する。
治療 [編集]
現在の治療指針では関節リウマチの診断がついたら、出来るだけ早期に抗リウマチ薬(DMARDs), 生物学的製剤を用いることが推奨されている。

痛みに対する対症療法として非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)などを用いる。

DMARDs [編集]
関節リウマチの病気の勢いそのものを弱める薬として、メトトレキサート(リウマトレックス®)がはじめてEBMにのっとって効果がある薬と示された。さらにはスルファサラジン(アザルフィジン®)、ブシラミン(リマチル®)、レフルノミド(アラバ®)、ミゾリビン、タクロリムス(プログラフ®)が使用可能である。

欧米では抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキンもよく使用されるが、日本では適応がない。

免疫抑制薬であるアザチオプリン(イムラン®)、シクロスポリン(ネオーラル®)も効果が示されているが、日本国内では適応はない。

DMARDsの特別な役割を理解するには、それまでのリウマチ治療の概念を理解しなければいけない。

そもそも関節リウマチとは原因不明の疾患であって、関節が破壊されていくことを防ぐことはできず、ただただそのとき生じる痛みに対して対症療法を行うしかないと考えられていた。

だから病歴が長く、体中の関節ががちがちに強直して寝たきりになった患者がいても、それは不十分な医療によるものではなく、むしろ医療の限界といえるものであった。

それがDMARDsの出現によって、関節破壊の進行を遅らせることができるようになった。

メトトレキサートの登場によって、関節リウマチの治療は180度の転向があったと言え、それはまさに抗TNF-α療法をも凌駕するほどのインパクトであった。

メトトレキセートには重篤な副作用がみられることがあり、慎重な対応が必要である。

生命にかかわる副作用としては骨髄抑制と間質性肺炎がある。(ともに、まれであるが死亡例もある。)

骨髄抑制のチェックには血算・末梢白血球像を外来受診時に必ず行なうことが必要である。75歳以上では骨髄が破壊され、再生不能となることもある。高齢者へのメトトレキセートは推奨されない。プログラフ®を用いた方が良いとの意見もある。
間質性肺炎はメトトレキセートへのアレルギー反応と考えられており、処方開始後半年以内に発症例の85%が集中している。

しかし4年経過した後に発症した例も報告されており、服用中は常に注意を要する。チェックには胸部レントゲン撮影・KL-6測定を用いる。
ステロイド [編集]
そもそもフィリップ・ショウォルター・ヘンチらが1950年代、世界ではじめてステロイド(糖質コルチコイド)の一種であるコルチゾンという物質を治療目的で関節リウマチ患者に投与したのである。

これはまさに奇跡的な効果を発揮したと伝えられており、ステロイドの歴史は関節リウマチとともに始まったと言えるし、逆に関節リウマチの治療の歴史もステロイドとともに始まったのである。ヘンチはこのことでノーベル生理学・医学賞を受賞している。

ここしばらくのあいだ、DMARDsの疾患の進行を遅らせる効果が注目されていて、ステロイドにはそれはないとされた。ステロイドはしばらく、NSAIDsと同様の対症療法の薬として扱われていたのである。

ステロイドの治療効果の発現は圧倒的に早いので、急性期に中等量用いられる程度のものであった。ステロイドは病気の進行を遅らせることはなく、副作用は強いので、維持的に投与すべきではないとされた。

今世紀に入って、これらの見方に転換が迫られている。

臨床試験の結果、ステロイドもDMARDsと同様に、病気の進行を遅らせる効果を示すことがわかったからである。

また、DMARDsのみよりもDMARDsにステロイドを加えたほうが病気の進行をさらに遅らせるという研究結果も報告され、懐疑的意見も強いものの、ステロイドは再び注目を集めている。