・薬物治療 [編集]
基本的に「緩解維持療法」・「緩解導入療法」共に薬物療法が基本となる。
サリチル酸製剤
緩解維持療法・緩解導入療法共に使用される。 ※潰瘍性大腸炎も参照
メサラジン(Mesalazine・5-aminosalicylic acid:5-ASA ペンタサ® Pentasa)
分子標的治療薬
現在、緩解維持療法・緩解導入療法ともに第一選択として広く施行されている。著しい狭窄や内瘻や膿瘍形成以外はすべて適応であり画期的な効果があるが、副作用に注意する必要がある。
インフリキシマブ(Infliximab レミケード® Remicade)
現在日本で唯一クローン病に対して保険適応のある分子標的治療薬
アダリムマブ(Adalimumab ヒュミラ® Humira)
日本では関節リウマチに対してのみ保険適応で、クローン病に対しては未承認
セルトリズマブ(Certolizumab シムジア® Cimzia)
米国ではFDAがクローン病に対しては承認 日本では未承認
副腎皮質ホルモン剤・ステロイド
緩解維持療法・緩解導入療法共に使用される。 ※潰瘍性大腸炎も参照
免疫抑制剤
主に緩解維持療法として用いられる。 ※潰瘍性大腸炎も参照
外科治療 [編集]
基本的に外科的治療は行わないが、内科的治療が有効でない強度の狭窄や腸閉塞を起こした場合、同じく穿孔、瘻孔や膿瘍を伴う場合は手術適応となる。その場合においても可能な限り短腸症候群を避けるために切除は最小限に抑えられ、狭窄形成術などが行われる。手術によって病変は取り除かれても再発率は極めて高く、特に術後の再接合部に再発することが多い。
白血球除去療法 [編集]
潰瘍性大腸炎と共に炎症発生機序の要点となる白血球を取り除く治療法。※潰瘍性大腸炎も参照。
ビオチン投与療法 [編集]
ビオチンがクローン病の治療に効果的であるという研究がある。ビオチン参照のこと。
予後 [編集]
本疾患は緩解期と活動期を繰り返す慢性的疾患であり、現在では完治させることは不可能であるが、直接的に生命にかかわることは少ない。しかし、手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と高く、さらに手術後の再手術率も5年で28%と高率であることから、再燃・再発予防が重要である。診断後10年の累積生存率は 96.9%。
関連 [編集]
消化器学
ビオチン(「ビオチン欠乏により発症する病」の節)
外部リンク [編集]
クローン病-メルクマニュアル家庭版
特定疾患情報 -クローン病-難病情報センター
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