潰瘍性大腸炎 3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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病理 [編集]
主に直腸から発症し連続して全大腸に広がっていく。腸管粘膜の全層に炎症像が見られるクローン病と異なり、粘膜上皮に限局した炎症像を呈し、固有筋層に炎症が及ぶことは比較的稀である。主な所見は以下の通り。

杯細胞の減少
腸陰窩の萎縮・陰窩膿瘍の形成
単核細胞浸潤
検査 [編集]
内視鏡 [編集]
今日では最も広く一般的に行われる臨床検査。病変部は主に直腸から発症し連続して全大腸に広がっていく。主な内視鏡所見は以下の通り。

腸管粘膜の血管透見性の消失
発赤調・微細顆粒状の粘膜
腸管粘膜に膿性粘液物の付着
深堀れ潰瘍(サイトメガロウイルス合併例)
一般的には下部から上部に向かって悪化し、上部から下部に向かって緩和されると見られているが、まれに、横行結腸→下行結腸→S状結腸の順で緩和が見られても、その奥の上行結腸で密かに悪化が進むことがある。

血液検査 [編集]
炎症の強さの指標として、赤沈・Hb等が用いられる。

治療 [編集]
緩解・再燃を繰り返すため、治療は大きく「緩解維持」と、再燃・活動時の「緩解導入」の2つに分けられる。 また再燃・活動時は、それぞれの軽症・中等症・重症・劇症に分類され管理していく。重症化の指標は「血便回数」「便回数」「発熱」「腹痛」「頻脈」「貧血」「赤沈」等と「内視鏡所見」で評価されていく。
白血球除去療法 [編集]
透析を用いて、患者の体外に血液を循環させ、炎症を起こす免疫細胞(リンパ球・顆粒球等)を血中から取り除く治療法で、緩解導入療法として薬物療法と共に行われる。また、薬物抵抗性(ステロイド抵抗性)の場合においても治療効果は高い。

リンパ球除去療法(Leukocytapheresis:LCAP セルソーバ® Cell-sorba)
顆粒球除去療法(Granulocytapheresis:GCAP アダカラム® Adacolumn)
保険適応は週1回(初めの週のみ2回/週まで可能)ずつで5週まで(weekly)とされているが、薬物抵抗性(ステロイド抵抗性の場合等において、2回/週を連続して行う(Intensive)方法も有効な緩解導入療法として広く行われてきている。

外科療法 [編集]
手術の絶対適応として、劇症、中毒性巨大結腸症、穿孔、大出血、癌化などがある。特に癌化をのぞく4つは緊急手術の適応となる。基本術式は大腸全摘出術+回腸肛門吻合術・回腸肛門管吻合術である。

大腸全摘出術・結腸直腸全摘出術
回腸肛門吻合術(ileo anal anastomosis:IAA)
回腸肛門管吻合術(ileoanal canal anastomosis:IACA)
基本的に癌化が認められた場合、炎症粘膜すべてが癌化の発生の確率が高いため、多くの大腸癌のように病変部のみの切除は行なわず、全大腸摘出術を施行する。

現在研究中の治療法 [編集]
アイオワ大学のJoel Weinstock等によって、豚に寄生する鞭虫の卵を服用させる治療法が研究中である。
順天堂大学医学部の大草敏史等によって、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)をターゲットとした除菌療法(抗菌薬3剤併用療法、ATM療法)が2003年より臨床試験中[4][5]。
関連 [編集]
消化器学
脚注 [編集]
1.^ 緩解期の潰瘍性大腸炎において、緩解維持に効果的な食事療法はありますか厚生科学研究班編/医療・GL(06年)/ガイドライン
2.^ 潰瘍性大腸炎の寛解導入のための魚油
3.^ 潰瘍性大腸炎の寛解導入のためのプロバイオティク
4.^ 順天堂大学医学部附属順天堂医院
5.^ ATM療法について - 個人サイト
外部リンク [編集]
特定疾患情報 -潰瘍性大腸炎-難病情報センター
MindsPLUS/一般向け(07年)/ガイドライン解説医療情報サービス Minds
エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン2006年 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 (Minds医療情報サービス)
カテゴリ: 特定疾患 | 消化器病 | 免疫病