症状 [編集]
基本的には中小動脈があるところならどこにでも血管炎がおきうるので、病変は多彩ではあるが、それでも病変がおきやすい臓器というものはある。
高血圧
腎病変にもとづく高血圧が高頻度に見られる。
皮膚
皮膚を栄養する血管に血管炎が生じ、網状皮斑、皮膚潰瘍、紫斑、結節性紅斑がみられる。
腎臓
顕微鏡的多発血管炎やウェゲナー肉芽腫症にあるような半月体形成性糸球体腎炎ではなく、中小動脈の血管壁の炎症細胞浸潤が特徴である。腎血管の障害が本態であるので高血圧をおこしやすく、最終的には腎不全に至る事も多い。腎生検が、診断に結びつくことは多い。
神経
神経を栄養する血管に血管炎がおこると、末梢神経障害を生じる。系統だっていない多発単神経炎のかたちをとりやすい。
中枢神経の血管炎は頻度が低いが、おこってしまうと脳梗塞や脳出血をおこし経過は重篤である。
消化管
腸を栄養する血管に血管炎が起こると(腸間膜動脈血管炎)、血便や消化管潰瘍の原因となる。大量の下血により生命の危機におちいる事もある。大腸内視鏡による潰瘍部の生検が診断に結びつく事がある。
心臓
心臓を栄養する血管に血管炎が起こると(冠動脈血管炎)、これはきわめて重篤な心筋梗塞を起こす。通常の治療には反応せず、突然死の原因となることもある。
筋肉
筋肉を栄養する血管に血管炎が起こると、筋肉痛の原因となる。クレアチンキナーゼも上昇する。ただし本病変については、通常皮膚筋炎・多発性筋炎ほどの重症度ではない。
目
眼動脈に血管炎を起こすと、黒内障といって突然失明することがあるがまれである。
検査所見 [編集]
白血球、CRPの上昇など非特異的な炎症所見が得られる。顕微鏡的多発血管炎においてはきわめて診断的なMPO-ANCAがあるのとは対照的に、本症では診断の手がかりとなるような検査所見は存在しない。
血管造影をおこなうと、特徴的な数珠上にはれた動脈瘤をみることがある。