症状 [編集]
青あざ(紫斑)、点状出血、粘膜出血など。関節内での出血は少ない。
血小板数が3000/μlをきるような症例では、頭蓋内出血の危険があり早急に治療が必要である。
診断基準 [編集]
厚生労働省の診断基準
血小板結合IgG(Platelet Associated-IgG; PA-IgG)の増加はITPに特異的ではないが、PA-IgGが正常の場合はITPを除外するのに役立つ。
検査 [編集]
他の出血、血小板減少を来たす疾病の除外が必要である。鑑別されるべき疾患の例としては、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、播種性血管内凝固、血球貪食症候群、偽性血小板減少症、など。近年、網状血小板率(感度・特異性とも80%以上)antigen capture ELISA(感度は低いが、特異性が非常によい)が注目されている。
血液 [編集]
白血球数正常で、貧血も通常伴わない(慢性に多量に出血している場合には伴う)。白血球分画にも異常はみられない。
血液凝固系 [編集]
プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などの血液凝固系に異常はみられない。既に出血症状が著しいときには、フィブリノーゲンの異常(増加も減少もあり)やFDPの上昇を来すことがある。毛細血管抵抗試験(ルンペル・レーデ現象)陽性。
骨髄検査 [編集]
ITPの診断に骨髄穿刺は必須ではない。ただし、ステロイドは白血病に対しても有効であるため、ステロイド投与を行う際には骨髄穿刺を行って白血病を確実に否定する必要がある。
骨髄所見は、骨髄球系、赤芽球系は正常に存在し、巨核球系は正常ないしやや増加している。
治療 [編集]
初回治療での第一選択はステロイド療法が施行され、また、ヘリコバクター・ピロリ菌陽性の患者の場合は除菌療法を施行する。治療効果が得られない場合は免疫グロブリン大量療法が施行される。ステロイド投与の際には白血病を否定する必要があるため、小児などの急性ITPと考えられる例では免疫グロブリン大量療法が優先される場合もある。
古典的には、脾臓摘出術が施行され、内科的治療が不応の場合はしばしば行われる。また手術、出産などの緊急時には血小板輸血も施行される。
難治例では免疫抑制剤、ビタミンC大量療法、ダナゾール、ビンクリスチン緩速静注療などがあるが、効果は一定でない。
この病気で亡くなった著名人 [編集]
山田道美 - 将棋棋士
関連項目 [編集]
アレルギー
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