皮膚筋炎及び多発性筋炎 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

6. この病気ではどのような症状がおきますか

筋肉の障害による症状(筋力低下)がほとんどの患者さんにみられます。さらに、筋肉以外の症状(内臓などの障害)も認めることがあります。これらの全ての症状が患者さんに決して起こるのではなく、患者さん一人一人で症状も障害される臓器も異なります。全く内臓が障害されない、軽症の患者さんもいます。

「筋肉の症状」
大多数の患者さんが、筋肉を障害されるため、疲れやすくなったり、力が入らなくなったり(筋力の低下)します。しかし、徐々に発症し、はじめは、症状に気付かない患者さんもいます。特に、躯幹に近い(大腿、上腕、頚部の)筋肉が障害されやすいとされています。たとえば、下肢の筋力低下のために-「しゃがんだ姿勢から立ち上がるのが困難となる」「風呂に出入りするのがつらい」「バスに乗る時、足が上りにくい」「階段が昇りにくい」などの症状、上肢の筋力低下のために-「洗濯物を物干しにかけるのがつらい」「髪がとかせない」「高いところの物をとれない」「手に持ったものが普段より重く感じる」などの症状、頚の筋肉の障害のために-「頭を枕から持ち上げられない」などの症状がみられます。物を飲み込むのに必要な筋肉(後咽頭筋)、言葉を話すのに必要な筋肉(構語筋)の障害のために-物が飲み込みにくくなったり、鼻声になったりする症状も認めることがあります。さらに、筋障害が重くなると、立ち上がれなくなったり、車椅子の使用、ベッド上の生活を強いられることもあります。また、筋肉痛を認めたり、自覚なくても、筋肉を握ったりすると痛みを感じる患者さんもいます。

「筋肉以外の症状」
(a)皮膚症状
両側あるいは片側の眼瞼部の紫紅色の腫れぼったい皮疹(ヘリオトロープ疹)、手指関節背面の皮が剥けた紫紅色の皮疹(ゴットロン徴候)、肘や膝などの関節の背面の少し隆起した紫紅色の皮疹が皮膚筋炎に特徴的とされています。これらの皮疹が見られる場合には、皮膚筋炎と診断されます。その他、前頚部~上胸部(V徴候)、肩・上背部(ショール徴候)に紅斑が見られることもあります。

(b)関節症状
約30%の患者さんに関節痛・関節炎が認められます。しかし、腫れたり、赤くなったりせず、持続時間も短く、軽症のことが多いと言われています。一部の例外を除いて、関節リウマチのように、関節が破壊されたり、変形したりすることは稀です。

(c)レイノー現象(寒冷時に手指が白くなり、ジンジンしびれたりする症状)
約20-30%の患者さんで見られます。しかし、強皮症の患者さんとは異なり、皮膚潰瘍や手指壊疽に進行することは少なく、軽症のことが多いといわれています。

(d)呼吸器症状
肺に炎症が起こり、咳や息切れ、呼吸困難などの症状を認めることがあります。この肺の炎症は細菌感染などで起こる肺炎とは異なり、「間質性肺炎」と呼ばれています。胸部レントゲン検査、胸部CT検査で診断されますが、約30-40%に合併しますので、定期的にチェックすることが大切です。その他に、病気自身や治療に用いる薬剤(ステロイド薬や免疫抑制薬)の使用による日和見感染症(免疫能の低下により、結核や真菌感染症を発症する)、嚥下する筋力の低下による誤嚥性肺炎、治療薬による薬剤性肺臓炎などの合併症にも注意することが大切です。

(e)心症状
心臓の筋肉が障害され、不整脈を起こしたり、心臓の力が弱まり、心不全を起こすことも稀にあります。

(f)全身症状
その他の膠原病やリウマチ性疾患と同様に、発熱(しかし、高熱を認めることはめったにありません)、全身倦怠感、食欲不振、体重減少などがみられることもあります。