蕁麻疹の治療法 | 化学物質過敏症 runのブログ

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1)アレルギー性蕁麻疹


a)急性蕁麻疹

急性蕁麻疹の治療は早めのステロイド剤の静注または点滴がよい。具体的にはソルコーテフの静注と抗ヒスタミン剤の内服でよいが、全身の蕁麻疹が数日続く場合または顔面に膨疹が出て赤く腫れた時はプレドニン(40mgまたは60mg)を点滴静注する。

原因がわかっている場合はそれらを取り除くよう努力する。

そして熱感があり風邪様症状があるときは抗生物質を混ぜる時もある。患者さんには「この点滴をすると蕁麻疹はしばらくすると消えるからね」と暗示をかける。

私の経験でははやめに治療を開始すれば急性蕁麻疹は数日以内で治癒する。また急性蕁麻疹は胃腸をこわした後に出ることが多く、整腸剤の内服が必要な時もある。

ステロイドの点滴はだらだらと長く続けないで3日以内で止めることが大切で、その後は抗ヒスタミン剤内服のみでよい。日常生活で注意することは、蕁麻疹が出ている時はからだの暖まる食べ物(カレー、キムチなど香辛料の含まれているもの)、アルコールは禁止する。入浴も出来ればシャワー程度でとめておくのがよい。痒みのひどい場合はステロイド軟膏を塗るか同部を冷やすとよい。


b)慢性蕁麻疹

原因がわからず慢性に経過する蕁麻疹については、それぞれの症例に適した対症療法を行う。

まずポララミン、タベジールなどの抗ヒスタミン剤の内服から始める。ただし抗ヒスタミン剤は眠気を催すので車の運転などに注意する。

抗ヒスタミン剤内服で改善されない場合は週に1回のヒスタグロビンとノイロトロピン混注液を注射する。

これらの内服、注射を続けると慢性蕁麻疹の半数くらいは1~2ヶ月で治癒する。この治療法でも蕁麻疹が治らないときは2型の抗ヒスタミン剤であるH-2ブロッカー(ザンタック、ガスターなど)を併用する。

ただし、H-2ブロッカーは胃潰瘍の治療薬で蕁麻疹は保健適用外である。

なお消風散などの漢方薬を併用すると劇的に治ることがある。

しかしながら実際の臨床ではいろいろの治療を行っても治りにくい蕁麻疹があり、この場合は気長に治療を続けて自然治癒を待つことになる。

食餌に関しては蕁麻疹との因果関係が明確でない限り体の暖まる食べ物を除き特に制限はしない。また防腐剤(みそ、しょうゆ、日本酒)に含まれるサリチル酸が蕁麻疹の原因となりうるので、添加物の少ない食品を食べるようアドバイスする。

日常生活では充分な睡眠と、規則正しい生活リズムを保ち、暴飲暴食を避けることが大切である。