2)その他の物質
室内に存在している、存在する可能性のある化学物質は上記の物質だけではむろん無い。
化学物質というと、何か特殊なものであるというように膾炙される場合があるが、基本的に全ての物質は化学物質であり、我々の生活はこれら化学物質のおかげで成り立っていると言っても過言ではない。
これらの極めて多種多様にわたる化学物質を網羅するのは不可能ではあるが、室内に存在する可能性のある物質については以下の情報があるので参考にされたい。
厚生省(当時)では、代表的物質群別に揮発性の有機化合物約40種について平成9年及び10年に実態調査を行い「居住環境中における揮発性有機化合物の全国実態調査」*として、平成11年12月に結果を公表した。当該調査は、実態の把握を第一義として行っており、その対象は脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等の化学的特徴を有する物質群から、それぞれ代表的と思われる物質をなるべく網羅的にとりあげている。
そのため、一般に建材そのものや施工等に人為的に使用されているとされる物質だけではなく、α-ピネンやリモネンの様に木材や果物からの放散が主であろうと考えられる物質や、パラジクロロベンゼンのように生活行為により発生すると考えられる物質、さらには、通常建材や日用品等には使用されていないと考えられる(室内が発生源ではないと考えられる)物質も含まれている。
これらは、ヒトに対する毒性を考慮して選定されたものではないので、存在していることが即問題であるというわけではなく、その点については注意が必要である。
具体的な調査対象物質は次頁の表の通りである。
*厚生労働省ホームページ(URL前出) 報道発表資料より入手可能。