<参考>
ノナナールは毒性影響についての情報が乏しいことから継続審議となっているが、以下のような性質を有する。
<一般的性質>
ノナナールはバラ、ミツ、フローラル、グリーン様と評される強い香気を有する、常温では無色の液体である。分子量は142であり、常温における蒸気密度は約4.8、蒸気圧は93℃で約3kPaであり、拡散性がある。
蒸気は空気より重く、高密度の場合は低部に滞留する性質があると考えられる。
しかしながら、対流等により拡散した空気との混合気体は相対的に空気と同じ密度になる。空気中ではやや不安定といわれる。
<主な家庭内における用途と発生源>
ノナナールは特有の甘い香気を有することからバラ、ユリ、ゼラニウム等のフローラル系の調合香料に配合される。また、シトラス系のフレーバーにも少量用いられる。
元来レモン、ライム、オレンジ等の柑橘系の精油に天然成分として含まれる。
<健康影響>
中毒の情報はほとんどない。1%ワセリン液を用いた皮膚感作試験では感作能なしとされている。適量では抗炎症・鎮痛・鎮静作用があるともいわれる。