)換気を励行する
1)により症状の緩和を行っても、原因を低減・除去しなければ再発することとなる。
外気が汚染されているといった特殊な場合を除き、最も有効で基本的な汚染物質の低減策は換気である。
ほとんど全ての家屋に対して、まずこのアドバイスを行うべきである。特に高気密・高断熱住宅は閉め切って換気システムを運転しなければ室内の空気がほとんど換気されないので、付属の換気システムの運転、ガラリや小窓の利用、さらには窓開けなどによる換気を積極的に行う必要がある。基本的なことであるがこれが徹底できていなかったことが、この問題を大きくしたといっても過言ではない。この際、効率的換気のやり方はアドバイスした方がよい
この処置で問題が解消した例も多い。
室内空気中の化学物質濃度は、その発生量と漏気を含めた換気量の比で決まる。換気を十分に行い、空気の入れ替わりが十分確保されれば、基本的に外気と大差ない状態になるはずである。
しかしながら、換気量を過大に増やさねばならないとなると、快適な室温等を維持するために冷暖房エネルギーが浪費されることになり、省エネルギーの観点からも問題である。また、機械換気では騒音等の問題も出てくる。通常の換気を行っても臭いが気になる、刺激があるなどという場合には、汚染濃度がかなり高いと推定されるので、さらに以下について検討してみる必要がある。