室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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アドバイスの基本的スキーム

1)症状緩和のための治療を勧める

 まず、どこに症状があるのかを認識する・してもらう必要がある。"「シックハウス」なのですが"という主張を聞くことがままあるが、現状では、家に居住することが原因で起こると思われる体調不良をすべからく「シックハウス症候群」*と呼んでいるにすぎない。体調不良を改善するために必要なのはどの疾患でもほぼ同じで、原因の除去、症状緩和のための措置、自己治癒能力による快復である。

*シックハウス症候群
 住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により、新築・改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染等により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる。(シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書 第1回~3回のまとめによる)

 まずはかかりつけの医師とじっくり相談してもらい、目に異常を感じる人は眼科、皮膚に異常を感じる人は皮膚科、消化器系に異常を感じる人は消化器科内科、婦人科系に異常を感じる人は産科・婦人科等、それぞれが異常を感じている部分の専門医の診療を受け、症状緩和の措置をとってもらう必要がある。さらに複雑な症状を訴えており、簡単に判断できない場合には、必要に応じて内科、アレルギー科、心療内科等で総合的な診療、相談を受けてもらうことを勧めたほうがよいであろう。こうした一連の診療を受ける中で、症状が起こった経緯やきっかけを正しく医師に伝えるよう助言することが重要である。いずれにせよ、現状の症状に対し緩和策をとり、その間に原因を取り除いて再発を防ぐのが基本的対応である。
 「シックハウス」と呼ばれるものは、結局は体のどこかが不調を起こしているわけであるから、それぞれの症状についてはその部分の専門家に見てもらう必要があることを、アドバイスし、認識してもらうことが必要である。そして、その間にこの場合の原因と考えられている住環境の改善を行うよう勧めることになる。