3. 相談対応の基本的流れ
一言に室内空気汚染に関する相談と言っても、相談者の要求は、疑問点を明確にして尋ねてくるもの、何かありそうだがそれが解らないので教えて欲しいというもの、どこに相談を持っていけばよいのかが解らなくて困っているというもの等様々である。しかし、大きくは体調不良や被害を訴えるもの、情報不足や断片的な情報から不安を抱き「○○は大丈夫なのか」「△△はどんなものか」、「どんな影響があるのか」、「これから家を建てたいのだが」等の情報を求めるものに区分けされるものと思われる。
情報を求める相談に対しては、本資料に記した情報を適宜利用していただきたい。新築を考えているという相談については健康住宅研究会の「ユーザーズ・マニュアル」*や「設計施工ガイドライン」**、必要があれば「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の「住宅性能表示制度」等を紹介し、これらをもとに契約先や施工者と事前に十分話し合い、お互いに施工について了解をとっておくことを勧めるとよい。また、建築等に関連する情報が入手できる機関や、相談にも対応してくれる機関もあるので紹介してもよい。(7.参照)
* 「室内空気汚染の低減のためのユーザーズ・マニュアル」平成10年3月 健康住宅研究会
**「室内空気汚染の低減のための設計・施工ガイドライン」平成10年3月 健康住宅研究会
問い合わせはいずれも(財)建築環境・省エネルギー機構まで
体調不良や被害の訴えの場合には、その状況を聞き取り、対策のアドバイスを行う。要望があれば現場調査等が必要になることもあるであろう。これについては大まかな流れを次頁以降に記してあるので参考としていただきたい。
しばしば問題となりそうなのが、相談者が、自分の状況を伝えれば自分に成り代わって交渉等をしてくれることを期待もしくは要求していることがままあるということであるが、このような斡旋や調停は基本的に本マニュアルの対象外である。交渉等は相談者本人が行うものであり、助言者はその際に必要な情報等の収集を手助けする立場である事は理解していただかねばならない。ただし、その際に参考となるであろう事項についてはアドバイスするべきであろう。これについても後述する。
依頼者が室内空気の測定を求めている場合は、どんな物質をどういう目的で測定したいのかを聞き取ったうえで、
実費等必要な条件を伝え対応可能な範囲で対応する
ホルムアルデヒド測定器の貸し出し事業を紹介する*
他の相談機関を介して測定機関の紹介をしてもらう(但しこの場合有料)
のいずれかで対応する。この際、標準的測定は非常に高価(少なくとも10万単位)であることは伝えておいた方がよい。
* (財)住宅保証機構が各地の建築住宅センター等と協力して簡易測定器の貸し出しを行っている。(URL:http://www.ohw.or.jp/formu.html
参照)消耗品実費等、費用については同センター等に要相談。