3)自律神経、免疫との関連
人間の体の中で、自律神経と免疫機構、および内分泌系とは密接に関連しあっており、自律神経失調を発症するストレスは免疫機構にも影響が及ぶ。
I型アレルギー(即時型)反応における喘息、花粉症は肥満細胞からの化学伝達物質の分泌とその後に起こる好酸球性炎症によって症状が悪化する。
この好酸球性炎症はステロイドホルモンによって抑制されるが、ストレス状態が持続してステロイドホルモンが不足状態になるとアレルギー症状を悪化させる。
4)ストレスとアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は疲労、風邪などの肉体的ストレスや受験、就職などの精神的ストレスをきっかけに発病、悪化することがある。
ストレスにより自律神経の不安定となりステロイドホルモンが不足ぎみとなる。また、ストレスは自律神経系や免疫系を乱すと同時に、痒みの中枢神経を刺激する。難治性のアトピー性皮膚炎に対しては、アレルギー的なアプローチのみならず、ストレスに対する治療も必要となる。
アトピー患者にとって絶え間ない痒み、先行きの不安、絶望感などの精神的要因が加わると、さらにストレスが高まる。
こうなるとステロイドホルモンの必要量が増すにもかかわらず、ホルモンが不足するのでさらに症状が悪化する。ストレスによる悪循環を断ち切るためには心身医学的な治療とともにステロイド薬の内服などの治療も必要となる。
5)ストレスと蕁麻疹
文明が進むにしたがい、社会的ストレスが続き神経の休まヒマもない日々を送っている今日、原因不明の蕁麻疹に心身医学的な原因が推測される患者がある。精神神経の感動、不安などによりにアレルギー反応が起こることを精神アレルギーという。
ストレスはアセチルコリンを分泌してコリン性蕁麻疹の原因となりうるが、慢性蕁麻疹においてはストレスがどのように関与しているかは不明である。