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用語について
●シックハウス(シックスクール)症候群
住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により,新築・改築後の住宅やビルに
おいて,化学物質による室内空気汚染等により,居住者の様々な体調不良を生じている状態が,数
多く報告されている。症状が多様で,症状発生の仕組みをはじめ,未解明な部分が多く,また様々
な複合要因が考えられることから,シックハウス症候群と呼ばれる。
※シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会報告書(厚生労働省医薬局)を引用
●指針値
現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から,ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取
しても,健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの。今後集積される
新たな知見や,それらに基づく国際的な評価作業の進捗に伴い,将来必要があれば変更され得るも
のである。指針値の適用範囲については,特殊な発生源がない限り全ての室内空間が対象となる。
客観的な評価に基づく室内濃度指針値を定めることは,化学物質が健康影響の危惧を起こすことが
ないように安全かつ適正に使用され,化学物質が本来もっている有益性が最大限生かされることに
大きく貢献するはずだからである。
※シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書その4(厚生労働省医薬局)
を引用
●化学物質過敏症
最初に多量の化学物質に暴露されて一旦過敏状態になると,その後極めて微量の同系統の化学物
質に対しても過敏症状を来たす者があり,化学物質過敏症と呼ばれている。化学物質との因果関係
や発生機序については未解明な部分が多く,今後の研究の進展が期待されている。
※「快適で健康な住宅に関する検討会議報告書」を引用
●VOC
揮発性有機化合物;Volatile Organic Compounds の略。建材,接着剤,家具,ヘアスプレー,
防虫剤などの成分として住まいの空気中に含まれている揮発性の化学物質。その総量はTVOC
(Total Volatile Organic Compounds;総揮発性有機化合物)といい,暫定目標値400μg/m3
が定められている。
WHOによる室内空気汚染源の可能性がある有機化合物の分類
(WHO,Indoor air quality: Organic pollutants, EURO Reports and Studies 111, 1987)
分 類 略 記 沸 点
超揮発性有機化合物
Very Volatile Organic Compounds
VVOC <0 ~ 50-100℃
揮発性有機化合物
Volatile Organic Compounds
VOC 50-100 ~ 240-260℃
半揮発性有機化合物
Semivolatile Organic Compounds
SVOC 240-260 ~ 380-400℃
粒子状物質
Particulate Organic Matter
POM >380℃