化学物質過敏症 柳沢 幸雄5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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次代を担う子供たちを教育する学校でこのような由々しい状況が生まれていることに対して、問題解決に向かって動き出した教育委員会がある。
埼玉県の教育委員会は、2003年3月、「一人一人の児童生徒が安心して学習できる学校環境づくりを目指して 県立学校のシックスクール問題対応マニュアル」を作って、学校がシックスクール対策を行い、シックハウス症候群や化学物質過敏症患者の児童生徒に適切な対応をするよう指導している。
このマニュアルからどのくらいの児童生徒が化学物質過敏症になっているのか、現状(2002年6月実施の実態調査結果)を見てみよう。
埼玉県内で、化学物質過敏症と診断された児童生徒のいる公立学校は、高等学校、養護学校、中学校、小学校をあわせると31校、過敏症児童生徒数は49人である。

県立学校の児童生徒数は総計約73万人であるから、10万人当たりにすると約7人の患者がいることになる。
この10万人当たり7人というのは、シックスクールによるものとばかりは言えない。

シックハウスによるもの、あるいはその両方の影響を受けた場合もあるであろう。

しかし、いずれにしても、10万人当たり7人という発症率は、容認できるリスクなのか、あるいは早急に対策が必要なリスクであるのか評価しなければならない。
なお、シックスクール対策のマニュアルは、長野県教育委員会でも作成しており、ともにインターネット上に公開されている。これらのマニュア
ルは、一般住宅やビルの対策にも、十分な参考になるから、利用されることをお勧めする。
化学物質過敏症のリスク評価
リスクを評価すると言っても、前述のように化学物質過敏症は我が国では社会的コンセンサスが得られていないので、発ガン物質の危険性に対す
る評価を参考にする。
発ガン物質の場合は、一生涯摂取し続けた場合に発ガンする確率が10万人に対して10人の場合には、その物質は安全とみなせないので直ちに対策を取る必要があるが、10万人に1人の場合には実質的に安全とみなしている。

最終的には10万人当たり0.1人になるように、社会的バランスを考慮しながら対策を進めているのが現状である。
埼玉県立学校の児童生徒の化学物質過敏症の発症率は、10万人当たり10人に近い発症率であるから、発ガン物質の危険性と比較した場合、直ちに対策を取る必要があるレベルであると言える。

しかも、発ガン率は一生涯摂取し続けた場合のリスクであるのに対して、これは未成年の児童生徒を対象にしたものであるから、直ちに対策を取ることの重要性は疑問の余地がないと言えよう。