化学物質過敏症 柳沢 幸雄4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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化学物質過敏症については、我が国ではまだその存在についてさえ専門家の合意がなされておらず、シックハウス症候群に対するような公式の説明あるいは定義がない。
化学物質過敏症を1950年代に初めて一つの疾病として認識したのは、アメリカ人医師セロン・ランドルフである。

彼は、化学物質過敏症を「過去にかなり大量の化学物質に接触した後、または微量な化学物質に長期間にわたって接触した後で、次の機会に非常に微量な同種または同系統の化学物質に再度接触した際に出てくる不愉快な症状」と定義している。
しかし、患者が不愉快になるのは、同種または同系統の化学物質だけではない。過敏症患者が反応を起こす物質は多岐にわたる。

手記を書いた中学生は、下記のように化学物質に反応し、その種類によって身体の症状が異なるという。

・有機リン系化合物(農薬、防蟻剤、消毒剤など)
……関節痛、筋肉痛、頭痛、吐き気、目がずきずき痛む、目がかすむ、のどの痛み、鼻血。
・ホルムアルデヒド(合板の接着剤など)……のどの痛み、目のひりひり感と痛み、頭痛、その他有機リン系化合物と同じ反応。
・タバコの煙……アトピーの悪化、頭痛、息切れ、動悸、筋肉痛、意識もうろう。
・車の排気ガス……舌のしびれ、意識もうろう、頭痛、アトピーの悪化、関節痛、筋肉痛。
・整髪料……吐き気、頭痛、関節痛、筋肉痛、鼻血。
・ペンキ、インク……動悸、息切れ、鼻血、頭通、関節痛。
また、化学物質過敏症は、同じ汚染空気を吸っていても発症する人としない人がいる。
個人差が大きいことが、化学物質過敏症を一般に理解されにくくしている。最近では、テレビで報道されたりして徐々に一般の認識も高まってきていると思われるが、患者の症状は精神的疾患ではないかと誤解される場合も多い。
学校で起こっている問題
学校でも汚染空気などに反応して体調不良を訴える児童生徒が増えている。図1は、学校内における過敏反応を起こす物質を調査したものであるが、実に様々な物質がシックスクールの原因となっている。

このように児童生徒の健全な成長を妨げる問題であるが、学校における問題はそれだけではない。
冒頭の手記にあるように、アトピー性皮膚炎が悪化して、クラスメートからは「うつる」「きたない」などと罵られ、教師からは「ちょっとくらい我慢しろ」と暴言を吐かれた。
クラスメートはともかく、児童生徒等に化学物質過敏症について説明し、患者への暖かい思いやりを教えるべき教師の無知が、肉体的苦痛に加えて精神的苦痛まで強いてしまっているのである。