過敏症患者の苦しみ
「シックハウス症候群」、「化学物質過敏症」という言葉は、大多数の読者が知っているであろうが、シックハウス症候群と化学物質過敏症の違いや過敏症患者の症状の実態などについて、正しい知識を持っている人は少ないのではないかと思われる。そこでまず、過敏症患者の中学生の手記を紹介したい。
中学生の手記
~化学物質過敏症になった僕の苦しみ~
僕が小学校5年の3月に問題の家に引っ越しました
3人兄弟で、3階に一つずつ部屋をもらって喜んでいました。しかし、引っ越して自分の部屋で寝たら、頭痛、吐き気、めまいなどの症状が出ました。僕自身も、最初は引越しの疲れのせいだと思っていました。
しかし、何日経っても症状は治まらず、日に日にひどくなって行きました。
1週間くらい経ってから、鼻血が1日何十回と出るようになったのです。耳鼻科に行ったら鼻をいじったからだと言われました。
それで、僕にはどうすることもできませんでした。ずっと体の調子が悪いまま3ヶ月を過ごしました。
7月上旬のある日、家族で買い物に行き、2時間くらいして家に帰ると、飼っていたハムスター12匹が泡を吹いて死んでいました。
兄弟3人で可愛がっていたハムスターが全部死んだ時は、悲しみを通り越して怒りに変わりました。
これはこの家に何かあると思い、恐ろしくなって、おじいちゃんの家に避難しました。夏休みの間、おじいちゃんの家で過ごしていたら大分良くなりましたが、9月の新学期から通学のため、もとの家に戻りました。そして、9月、10月、11月、12月とそこに住んで、結局もうそこに住めないということになり、おじいちゃんの家に住むようになりました。