文部科学省衛生管理マニュアル第2章12 | 化学物質過敏症 runのブログ

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換気量の測定法】
換気量を求める間接測定法と直接測定法はJIS A1406 や日本薬学会衛生試験法に規定がある。
教室等の換気量の測定は換気方式によって次の2 つの方法のいずれかによる。
間接測定法:教室内で二酸化炭素濃度により換気回数を求めるときは、教室の3 点で測定しその平均値から求める。
直接測定法:機械換気方式の場合は空気の吹出し口から直接風量を求める。
間接測定法は、自然換気の場合に二酸化炭素濃度の経時測定によって求める。このとき二酸化炭素濃度は、教室内に瞬時一様に拡散分布していることが前提とる。直接測定法は、空気量を吹出し口や隙間等で微風速計により直接測定し、換気量を算出する。
【間接測定法】
ここでは、児童生徒等から授業中に発生する二酸化炭素の濃度変化から求める呼気の蓄積法による方法について解説する。定常状態(二酸化炭素の発生が一定になったとき)では次の式を用いる。
Q=M×10/Ct-C0
Q:換気量(m3/時)
Ct:t 時間後における教室の平均二酸化炭素濃度(%)
C0:教室の外部から入ってくる空気の二酸化炭素濃度(%)
M:教室で発生する二酸化炭素(m3/時)
ただし、在室者が発生する1人当たりの二酸化炭素呼出量は、以下のとおりとする。
幼稚園・小学生(低学年)…0.011m3/時
小学生(高学年)・中学生 …0.016m3/時
高校生・大人 …0.022m3/時
換気回数は次の式から算出する。
E=Q/V
E:換気回数(回/時)
V:教室の容積(m3)
換気回数(回/時)は、換気量(m3/時)を教室の容積(m3)で除したものである。教室によっては、その容積、在室人数が異なるので、二酸化炭素の判定基準1,500ppm(0.15%)
以下に保持するための換気回数をあらかじめ、算出しておく必要がある。
【必要な換気量の算出例】
室内濃度と換気の関係は図Ⅱ-1-3のとおりであり、次に小学校(高学年)学級の計算例を示す。
M:0.022×1+0.011×40=0.462(m3/時)(教師1人と生徒40 人)
0.011×40=0.44(m3/時)(生徒40 人の場合)
Ct:0.15(%)
C0:0.04(%)又は授業開始時の初期二酸化炭素濃度
図Ⅱ-1-3 室内濃度と換気の関係
Q=(M×10)/Ct- C0=(0.462×100)/(0.15-0.04)=420(m3/時)
(生徒40 人の場合)=(0.44×100)/(0.15-0.04)=400(m3/時)
【必要な換気回数の算出】
教室の容積V:180(m3)
換気回数E=Q/V(教師1人と生徒40 人)=420/180=2.3(回/時)
(生徒40 人の場合)=400/180=2.2(回/時)
【二酸化炭素濃度と換気回数の関係】
計算式(省略)から授業中の二酸化炭素濃度変化のおおよその傾向を算定した結果を示す。
○幼稚園、小学校教室の例
表Ⅱ-1-4の条件で二酸化炭素濃度と換気回数との関係を15 分間隔で求めた結果を図Ⅱ-1-4に示す。幼稚園、小学校の場合は、換気回数が約2.2 回程度あれば基準値を下回るこ
とできるが、換気回数が0.1 回では授業終了時の二酸化炭素濃度は2,500ppm ぐらいとなる。