5 化学物質の主な濃度測定法
アクティブ法ポンプで空気を直接採取する方法で、短時間で採取ができ、多種類の化学物質を測定することができます。
大掛かりな機器の設置と専門的な
操作が必要です。
(学校環境衛生の基準で定める標準的な検査方法)
パッシブ法採取用チューブやバッジを設置する方法です。長時間の露出が必要ですが、ポンプなどの機器を使用せず簡便で正確な数値が得られます。
(学校環境衛生の基準で定める標準的な検査方法)検知管法ポンプを用いて少量の空気を化学物質に反応する管に通す方法で、その場で結果がわかる利便性があるが、測定物質が限られた簡易的な方法です
学校環境衛生の基準に定められた標準的な検査方法ではないが、検査対
象教室の選定などのスクリーニングに有効です。
検査空気の採取について
夜間や休日の室内空気は、閉め切った状態が続くため、児童生徒が呼吸する空気の状態とは違い、普段よりも化学物質の室内濃度が高くなる傾向にあります。児童生徒が呼吸する空気の状態を把握するため、測定時間帯や方法などを十分に検討して実施する必要があります。
【参考:県立学校の「学校環境衛生の基準」における室内空気検査への対応】
検査結果が基準値を超えたときの対応
測定の結果、基準値を超える化学物質がある場合、原則として当該施設の使用を中止し、学校薬剤師の指導助言のもとに原因を調査し、換気等を十分行うなどの改善策を講じた後再度検査を行い、基準値以下であることを確認の上、施設使用を再開する
対応例)
ホルムアルデヒド-建材等からの放散は日常の換気により低減化する。
木製品の家具を設置する場合は、メーカーに低放散を確認する。
トルエン-揮発性が高いので閉め切った状態が続くと高濃度になりやすい。
休み明けや朝など使用開始前の換気計画が重要である。
6 検査結果の公表とリスクコミュニケーション
検査結果の公表(室内環境の改善に向けて)
学校環境の状況がわからないと、保護者は子どもの健康に不安を抱きます。
また、教職員も施設の状態がわからないと適切な対応ができません。
管理者の責任として、具体的な改善策を含めて測定結果を正しく伝えましょう。
学校の室内環境の改善につなげるために、管理者と保護者が化学物質に関する正確な知識をもち、結果を評価していくことが大切になります