シックスクールで体調不良の女児転校 奥州・胆沢一小
校舎の改修工事が原因で体調不良を訴える児童が相次いでいる岩手県奥州市胆沢一小(児童418人)で、シックスクール症候群と診断された小5女児(10)が市内の別の小学校に転校していたことが14日、分かった。
女児は2月に校舎内で強い接着剤のにおいが原因で頭痛を訴えた。体調が回復せず「シックスクール症候群」と診断された。通学を再開した5月上旬にも、校舎に入ると呼吸困難や激しい頭痛を訴え、授業を受けることができなくなった。このため、6月5日、市内の別の小学校に転校した。
女児の父親(42)は「シックスクール症候群がどういうものか理解してもらえず、学校になかなか対応してもらえなかった。転校以外に選択肢はなかった」と話している。
市教委の佐藤孝守教育長は「さまざまな協議をしてきたが、認識が甘かった」と話している。
同小では、女児のほかに4月に男児1人がシックスクール症候群と診断された。さらに、6月下旬から今月12日まで、延べ49人(実人数は25人)が体調不良を訴えた。3人は登校できずに自宅で学習している。
◎夏休み前倒し/きょうから
奥州市教委は14日、校舎の改修工事が原因で体調不良を訴える児童が相次いでいる奥州市胆沢一小の夏休みを、8日前倒しして15日から実施すると発表した。
市教委によると、改修工事は3日に中断したが、その後も児童12人が頭痛や吐き気などの体調不良を訴えたことから、夏休み入りを早めたという。改修工事は夏休み中に終える。