公害等調整委員会広報誌「ちょうせい第52号」(平成20年2月発行)より1 | 化学物質過敏症 runのブログ

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近年、化学物質による健康被害としてシックハウス症候群、化学物質過敏症、化学物質不耐症等の化学物質過敏症等が注目されており、公害等調整委員会においても、過去に杉並区不燃ごみ中継施設健康被害原因裁定申請事件、越谷市における印刷工場からの悪臭による健康被害責任裁定申請事件が化学物質に関係していた。さらに、最近では、日野市における農薬等による健康被害責任裁定申請事件(職権調停で終結)、また、相当範囲にわたる公害紛争ではないとして却下した大和郡山及び津市における化学物質による健康被害に係る原因裁定申請事件があり、現在は、茨城県北浦町における化学物質による健康被害原因裁定申請事件が係属しているところであり、
今後とも同様の案件の申請があることが予想される。
今後の裁定等の実施のための基礎資料とすることを目的として、化学物質過敏症等に係るその病態や治療法、さらには労災や訴訟等の状況についてとりまとめた報告書を作成したので、その概要を紹介する。
研究者など34名は、署名入り合意文書として
「コンセンサス1999」を公表して、MCSを以下のとおり定義した注1)。
①(化学物質の曝露により)再現性を持って
現れる症状を有する
② 慢性疾患である
③ 微量な物質への曝露に反応を示す
④ 原因物質の除去で改善又は治癒する
⑤ 関連性のない多種類の化学物質に反応を
示す
⑥ 症状が多くの器官・臓器にわたっている
このように、MCSの病態の存在をめぐって
否定的見解と肯定的見解の両方が示されてき
た。なお、ベルリンワークショップは、国際
機関やドイツ連邦政府機関の主催により開催
されたものであるが、そこで示された見解は
必ずしも主催機関の公的見解ではなく、「コ
ンセンサス1999」についても、研究者間の合
意事項であり注1)、医学的・病理学的な定義は
国際的にも確立されるには至っていない。
MCS/化学物質過敏症についての定義は、
国際的にも、国内にあっても、明確化される