うつ病への環境作り | 化学物質過敏症 runのブログ

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環境調整


うつ病の発症に環境要因が影響していることはすでに述べた通りですが、治療に際してはそうした環境のマイナス要因を解決することも重要になります。

その場合には、地域や家庭、職場の人間関係やストレスなど総合的な視点から検討する必要があります。また、それとともに、心の健康に関する日常の啓発活動も重要な役割を果たします。


このように一言で「うつ病の治療」といっても、患者さんの置かれている状態・環境により様々な治療方法があります。

発症率


わが国の地域の住民がうつ病を体験する頻度は、平成14年度に無作為抽出された1,664人の住民を対象に行われた厚生労働省研究班の調査によれば、これまでにうつ病を経験した人は約15人に1人、過去12ヶ月間にうつ病を経験した人は約50人に1人でした。また、うつ病の平均発症年齢は20歳代でした。


危険因子


うつ病は女性に多くみられますが、これは女性ホルモンの増加、妊娠、出産など女性に特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などが男女差の原因として指摘されています。
うつ病の平均初発年齢は20-30歳の間で、一般には若年層に高頻度にみられます。また、海外では低学歴、低収入・貧困、無職者にうつ病が多いとされていますが、わが国の調査では社会経済要因との関連ははっきりと証明されていません。

そのほか、海外では、養育体験、最近のライフイベント(離婚、死別、その他の喪失体験)、トラウマになるような出来事(虐待、暴力など)、社会的支援、性格傾向(神経症傾向など)がうつ病の危険因子として報告されていますし、急速な都市化が影響するという可能性も指摘されています。


個人及び社会への影響


うつ病にかかると著しい精神的な苦痛を体験しますし、その程度にかかわらず社会的な機能が低下し、日常生活に支障が生じますし、自殺の危険性も高まります。

虚血性心疾患、糖尿病、骨粗鬆症などの一般身体疾患にかかる危険性も高まることもわかっています。米国ではうつ病による経済的損失は年間530億円と推定されています。


経過


うつ病にかかっても数ヶ月で症状が治まる人が多いのですが、うつ病と診断された人の約40%が1年後になおうつ病の診断基準を満たしており、それ以外でも20%の人が何らかの抑うつ症状を呈していたという報告もあります。


いったん改善しても約60%が再発しますし、2回うつ病にかかった人では70%、3回かかった人では90%と再発率は高くなります。


米国では、うつ病にかかった人で完全に症状が消失する人は3分の2、症状が変わらないか軽くなるだけの人は3分の1であると言われています。

入院経験のあるうつ病の人を15年間追跡調査をした英国やオーストラリアでの研究では、その後一度も再発しなかった人が2割、症状が変わらない人や自殺で命を落とす人が2割、再発を繰り返す人が残りの6割だと報告されています。


このようにうつ病は長期に持続する疾患であり、早期発見が大切であるだけでなく、長期にわたってのケアが必要な病気でもあり、地域での援助も非常に重要になってきます。


家族の方へ、友人の方へ
うつ病を早期に発見して治療することは重要ですが、自分がうつ病だということに気づかないまま苦しんでいる人がたくさんいます。

仮に気づいたとしても他の人に相談することはためらう人も少なくありません。


だからこそ、うつ病についての正しい知識の普及・啓発活動や、精神疾患について抵抗なく相談し受診できることが必要なのです。