うつ病診断 基本的な対応
うつ病の可能性がある人と話をするときのポイントをいくつかあげてみます。
本人の精神的な問題に触れることになりますので、プライバシーに注意し、
何よりも信頼関係をつくることに配慮した対応が求められます。
まず基本的な対応としては次のような点が挙げられます。
<基本的な対応>
時間も場所もゆとりを持ったところで話を聞く
プライバシーには十分配慮する。
つらい気持ちに共感しながら、話に耳を傾ける。
励まさないで、相手のペースで話を進める。
相手がいろいろな話ができるような形で質問をする。
不明な点を質問しながら、具体的な問題点をはっきりさせて解決方法を一緒に考える。
現在ではうつ病にかかっている人は5万人とも10万人とも言われ、
うつ症状を訴える人は、確実に増えているという報告があります。
最初は、胃の調子が悪い、目が疲れる、めまいがするなどの体調の
変化から始まり、滅入る時期が長くなると、死まで考えるようになる
のがその症状です。
日本では、昔からうつ病に対する偏見が強く、精神科にかかっていると
わかっただけで、就職を断られたり、結婚が破談になったということを
聞いたことがあります。
最近では、うつ病のメカニズムがだいぶ解明され、神経伝達物質が
関与していることが明らかになってきました。
神経細胞に情報を伝達する神経伝達物質には、セロトニン、
ノルアドレナリン、ドーパミンなどがあり、特にセロトニン量の少ない
人ほど、自殺しやすい等の事実が報告されています。つまり、心の病に
見えるうつ病も、こうした伝達物質の乱れというメカニズムで説明できる
ようになったのです。
このことから、脳を胃や肝臓と同じ臓器と考え、うつ病を胃炎や肝炎の
ように臓器の炎症だと思えば、躊躇なく治療できるのではないでしょうか。
あなたが、もしそのような症状に悩んでいるとしたら、「心のかぜ」に
かかったと考えて、できるだけ早く、適切な治療を受けることをお勧め
します。