基地局(Base Station)-携帯電話
基地局は、ラジオ周波数域の電磁波を放出するアンテナ、支持構造物、装置用キャビネット、ケーブル用構造物で構成される。
基本規制(Basic Restriction)
特定の電磁波に関する、健康を基準とした曝露限界値。したがってこの限界を超えると、人体の健康を損なうおそれが生じる。静電磁界については、基本規制は電磁界強度であり、約10MHz までの変動界については、体内に誘導される電流であり、約100kHz を超える変動界については、体内における電磁エネルギーの熱への変換である。100kHz ~ 10MHz の範囲については、体内の電流誘導と熱の発生の両方が重要となる。
警戒的アプローチ(Cautionary Approach)
科学的不確実性や高い潜在的リスク、社会的論争が存在する中で、健康リクを管理するために使う手法。公衆衛生的・労働衛生的・環境衛生的健康問題への懸念に対処するため、警戒を促すいくつもの方策が策定されている。
発がん性の(Carcinogenic)
がんを発症させる物質または因子。便益費用分析(Cost-Benefit Analysis)
健康保護に関する様々なレベルに対応する代替的基準を達成する際の費用と便益を評価する経済学的手法。
危機(Crisis)
問題の切迫度が最高度に達した最重要時点ないし決定的時点。" 問題のライフサイクル"においては、危機段階とは関係者が即時の対策を必要とする段階であり、具体的には対話が停止し、しかも既存の確立されたプロセス
がもはや機能していない状態である。デルファイ・プロセス(Delphi Process)
合意形成のための方法で、2 つのバリエーションがある。第一の方法は次の通りである。まず、ある問題について最も知識のある人々を選び、同問題について知識を持つ他の人を指名してもらう。皆が認める同問題の専門家が特定できるまでこれを繰り返す。その後、その専門家たちから予測を聞き出し、他の専門家の回答を伝え、自分の予測を変更したいかどうかたずねる。それぞれの専門家が予測を変更しなくなるまでこのプロセスを繰り返
す。第二の方法では、専門家を選び出すにあたって、利害関係者に最も信頼できる専門家の名前を挙げてもらう。次に、利害関係者に問題に関するアンケートに回答してもらう。専門家に利害関係者の回答を提示し、専門家達が自信を持ってコミュニティが受け入れると思われる決定または勧告を行えるようになるまでこのプロセスを繰り返す。用量反応関係(Dose-Response Relationship)
レベルと期間で表した曝露値と、悪影響の
発生率/ 重症度との関係。
用量測定法(Dosimetry)
身体または身体組織が吸収した電磁エネル
ギー量を測定する技法。
効果(Effect)
動因(agent)となるものの作用に起因して、システムの状態または動力学が変化すること。
電界(Electric Field)
荷電されて働く電気力の分布に関連する領
域。
電磁適合性 (Electromagnetic
Compatibility)(EMC)
電気/ 電子機器が、電磁環境において許容範囲を超える干渉信号を周辺に放出することなく正常に機能できる特性。
EMF
電界および磁界、または電磁界の略語。
放射物(Emission)
一般に放出物とは、大気中に放出される物質を意味する。本ハンドブックにおいては、送電線やアンテナなどのソースが放射する電磁波をいう。
疫学(Epidemiology)
ヒトの集団における疾病と健康について、あるいはそれらに影響を及ぼす因子について研究する学問。
曝露(Exposure)
目標とするシステムへ到達する特定の動因(agent)の濃度、総数または強さ。
曝露限界(Exposure Limit)
ヒトの曝露が最大限許容されるレベルを、電磁界強度に関する特定パラメータとして示した値。基本規制と参照レベルには差がある。
超低周波(Extremely Low Frequency) (ELF)
0 ~ 300Hz の周波数。
周波数(Frequency)
1 秒間に、ある1 点を通過する完全な電磁波の数またはサイクル数(1Hz = 1 秒間に1 サイクル)。
有害性(Hazard)
可能性ある損傷やけがの原因となるもの。
健康(Health)
肉体的、精神的、社会的に健全な状態であり、単に疾病や疾患がない状態を意味するも
のではない。
中間周波数(Intermediate Frequency)(IF)
周波数域が300Hz ~ 10MHz の電磁界。
国際がん研究機関(International Agency
for Research on Cancer)
国際がん研究機関(IARC)は世界保健機関に属する専門機関の1 つである。その任務は、ヒトのがんの原因および発がんのメカニズムに関する研究を調整、実施し、がん抑制のための科学的戦略を開発することである。
国際非電離放射線防護委員会(International
Commission for Non-Ionizing Radiation
Protection)
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、独立した国際科学機関であり、その目的は非電離放射線曝露の健康への有害性についてガイダンスを規定し、アドバイスすることである。世界保健機関、国際労働機関(ILO)および欧州共同体(EC)と正式なつながりを持つ。ライフサイクル(Life Cycle) 開発および進展の全ての段階の時間を通して、プロジェクトまたは公衆の関心をたどること。長期的影響(Long-Term Effect)
曝露後長時間を経てようやく発現する生物
学的影響。
磁界(Magnetic Field)
強磁性粒子あるいは運動電荷に対し力が作用する領域。
マイクロ波(Microwaves)
波長が短い電磁界で、導波管や空洞装置で電磁波の伝搬と受容を行うことで実用可能な電磁波をいう。具体的には周波数域300MHz ~
300GHz の放射または電磁界を意味する