今日はグイド・カンテッリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の「Rossini: Semiramide Overture - Schumann: Symphony No. 4 - Brahms: Symphony No. 1 (Live) [Live at the Royal Albert Hall, London, May 1953]」と言うアルバムを聴きました。1956年に飛行機事故で36歳の若さのまま亡くなってしまった指揮者グイド・カンテッリがフィルハーモニア管弦楽団に客演した時のライヴアルバムです。1953年5月11日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音となっています。ロッシーニの『セミラーミデ』序曲、シューマンの交響曲第4番、ブラームスの交響曲第1番が収録されていますので、これがその日のコンサートの全てのプログラムだったのだろうと思います。この時カンテッリ33歳。「トスカニーニの後継者」と呼ばれることになるセンセーショナルなデビューからは数年経っていましたが、まだ新進気鋭と言って良い若さ。彼の前には無限の可能性が広がっているように見られていたことでしょう。
最初のステージのロッシーニ『セミラーミデ』序曲から熱く躍動する音楽。自信と情熱が漲っているようです。
続く、シューマンの第4番。この曲こんなに活き活きとした表情を持った音楽なんだと改めて感心させられます。隅から隅まで溢れる気持ちを抑えられないような熱さと歌が湧き出していくようなのです。
そして最後がブラームス。そう言えば私はトスカニーニの数多くの録音の中でドイツ音楽だとシューベルトとブラームスがとても好きです。ベートーヴェンでは少し窮屈さを感じるトスカニーニの音楽作りが、シューベルトやブラームスでは流れの良さと自然な歌が感じられどれだけ厳密な形を追求してもやはりこの人の本質は歌の人なんだな、と思ったりしたものです。それと同じようなことをこの若いイタリア人指揮者にも強く感じたのです。実演だけに自然に変化するテンポ。その中に本当に瑞々しい歌が感じられます。トスカニーニ譲りの厳しいリズム、そしてきっちりした造形感。その中で強烈に訴えかける熱い表現意欲。そうした演奏に一貫するのは流れの良さと瑞々しい歌なのです。ライヴらしく最初はちょっと気になったノイズや音質も途中からはまったく気にならなくなり、本当にその日のコンサートの客席に座っている気分になってしまいました。曲が終わった時は心の中で本当に自然にブラボーと言っていたのでした。
この人が事故なんかに遭わなければ…。
カラヤンやバーンスタインに並ぶスーパースターになったことは間違いないでしょう。もっと色々な録音など楽しめたかも知れません。そして実演に触れることもできたかも…。残念なことです、ね。
こちらから「Rossini: Semiramide Overture - Schumann: Symphony No. 4 - Brahms: Symphony No. 1 (Live) [Live at the Royal Albert Hall, London, May 1953]」全曲お聴きになれます。
グイド・カンテッリ秘蔵音源集
イタリアのミラノ近郊で生まれ、幼いころからピアノの天才少年として活躍したカンテッリ。 指揮者として活躍を始めてすぐイタリア軍に召集されレジスタンス活動に身を投じますが、その間も音楽活動を続け、第二次世界大戦終戦後はミラノ・スカラ座を皮切りに次々とオーケストラを指揮し、「トスカニーニの後継者」と目されるまでになりました。1949年にはトスカニーニの招きでアメリカにデビュー、次いでイギリスでもフィルハーモニア管弦楽団に客演、1956年11月にはついにヴィクトル・デ・サーバタの後任としてスカラ座の音楽監督に指名された矢先、11月24日に不慮の航空機事故でカンテッリは36歳の若さでこの世を去ってしまいました。
この録音は1953年、フィルハーモニア管に客演した時の演奏を収録したもの。抑制の効いた解釈と木管楽器などの美しい響きが高く評価された演奏です。ここで演奏されている曲目はどれもカンテッリのお気に入りで、中でもブラームスの交響曲は短い生涯の間に46回、ロッシーニの『セミラーミデ』序曲は38回演奏された記録が残っています。
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