フランツ・シャルク ベートーヴェン交響曲第8番 レコード録音が本格化する頃に亡くなった大指揮者 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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フランツ・シャルクは20世紀初頭にウィーン国立歌劇場を中心に活躍した大指揮者でしたが、SP録音技術がようやく本格的になりつつある時期に亡くなってしまったためあまり多くの録音が残されませんでした。(しかし、わずかでも状態の良い物が残されたと言う事で少し上の世代のニキシュ(かろうじてほんのわずか残された物はあります)やもう少し早く亡くなったマーラーなどよりは恵まれているかも知れませんが。) 同じ歳のワインガルトナーや4歳しか年は離れていないにかかわらず長命だったため膨大な録音に恵まれたトスカニーニと比べると知名度や評価の点で大きく損をしていると思います。また好意でやったと思われるブルックナーの交響曲の改訂も、指揮者としてのイメージまで悪くする材料になってしまったかも知れません。

 

シャルクについて、以前投稿したことがあります。

 

こちらの記事ではブルックナー交響曲第5番シャルク版について触れています。

 

 

今日はそのシルクがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して録音したベートーヴェンの交響曲第8番を聴きました。

今に繋がる柔らかで優雅なウイーン・フィルの音。様式感と情感のバランスのとれたとても形の整った演奏。この組み合わせの演奏実演で聴きたかったと思いました。

 

「シャルクは、19世紀末期から20世紀初頭に活躍した生粋のオーストリア・ウィーンの指揮者である。兄はピアニストのヨーゼフ・シャルク。兄弟揃ってウィーン楽友協会音楽院でアントン・ブルックナーに師事し指揮法と作曲学を学ぶ。

シャルクの仕事の一つに、ブルックナーの交響曲に短縮や再オーケストレーションを行なった改訂版の公刊がある。現代においてシャルクの改訂は、ブルックナー本人の意図を無視した改悪と見なされ、演奏に用いられることは少ない。しかし19世紀末当時はブルックナーの音楽に対する認知度が低く、曲が冗長過ぎるとの批判も受けており、シャルクの改訂は、ブルックナーの認知度を高めることを狙って行われたものであった。
(中略)
1918年、シャルクはウィーン宮廷歌劇場総監督に就任し、1919年からはリヒャルト・シュトラウスとともにその地位にあったが、両者の対立は激しく、結局はシュトラウスが歌劇場を去ることとなった。ただ、のちにオペラ劇場総監督フランツ・シュナイダーハンの仲介により和解し、シュトラウスはウィーンに戻ってきた。

シャルクは旧帝国時代の宮廷オペラを国立オペラに移行させた人物であり、ウィーン国立歌劇場及びウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で第2ヴァイオリンを務めたオットー・シュトラッサーは「シャルクは私たちにとって全く、ウィーン国立オペラ劇場とその伝統の象徴たる存在である」と述べている。また、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を連れて、ジュネーヴやパリなど各地への演奏旅行を行った。ただし、歌劇場の天井座席の観客からは手ひどく攻撃されたとされている。

任期の最後には体調を崩すようになり、1929年に地位を退いた。
(中略)
1931年の6月にウィーン国立歌劇場でワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』を指揮した数週間後、エードラッハ・アン・デア・ラックス(de:Edlach an der Rax)のサナトリウムに収容され、1931年9月に死去した。臨終の言葉は「ウィーン・フィルハーモニーの人たちをよろしく頼みます」であった。

遺体はライヒェナウ(Reichenau)墓地に埋葬され、ウィーン・フィル同様シャルクが手塩にかけて育てたウィーン国立歌劇場合唱団が、遺言に従ってジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ作曲のモテットを歌った。」(Wikipedia フランツ・シャルク より)

 

 

Franz Schalk Conducts

フランツ・シャルク指揮による名曲の名演です。
収録曲は、以下の3曲。
1)ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番(1928.4.13)ウィーン・フィル
2)同:交響曲第8番(1928.4.12,13)ウィーン・フィル
3)シューベルト:未完成交響曲(1928.3.2)大交響楽団(ベルリン国立歌劇場管)

 

 

 

 

 

 

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(表紙画像公開されました。正装した凜々しい貴公子ヴォルフと可愛いルートルフ!)

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 

 


ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
新展開の数々に目が離せない、頭脳派1歳児の本格異世界ファンタジー第3弾。

 

 

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不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

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