トマス・ビーチャム指揮ロンドン・フィル モーツァルト交響曲第38番「プラーハ」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日聴いたのは、トマス・ビーチャム指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトの交響曲第38番「プラーハ」です。(1940年に録音された音源。)

 

ビーチャムはトスカニーニやワルター、フルトヴェングラー等と同じ時代の世界的大指揮者の一人ですが、正規の音楽教育を受けていなかったり、実家が大富豪でその財力でオーケストラを自ら作ったりオペラの興行をやったりしたイメージが強く、音楽的な評価はどうなんだろう、と思っていました。

 

以前書いた記事でビーチャムの「メサイア」について触れていますが、この演奏などはかなり時代を感じる演奏で、今ではこうした演奏を聴くこともほぼ無いような気がします。

 

私のライブラリーにはビーチャムの指揮したいくつかのハイドンの交響曲がありますが、それらはテンポの設定や表情、テンポの揺らし方まで含めてとても好感の持てる演奏でしたので、そう言えばビーチャムのモーツァルトはどうだろう、と聴いてみることにしました。

 

「プラーハ」はモーツァルトの交響曲の中でも私の好きな曲です。

 

 

 

「プラーハ」を聴こうと思った時、まず選ぶのはワルター/コロムビア交響楽団かシューリヒト/パリ・オペラ座管弦楽団のどちらかです。それらと比べ今日聴いたビーチャム/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は少しテンポは遅めのような気はしますが、リズムの立て方や音楽の流れは少しも重くならず自然でモーツァルトらしい生き生きとした表情が伝わってきます。今時のモーツァルト演奏とはかなり違うかも知れませんが、しかし聴いていてとても気持ちの良い音楽。いいなあ、これ。ビーチャムの他のモーツァルトの録音も聴いてみたくなりました。

 


「第2代準男爵サー・トーマス・ビーチャム(Sir Thomas Beecham, 2nd Baronet, CH, 1879年4月29日:セント・ヘレンズ(ランカシャー州) - 1961年3月8日:ロンドン)は、イギリスの指揮者。
ビーチャム製薬(現:グラクソ・スミスクライン)の御曹司として裕福な家庭に生まれる。ピアノを学んだり家に来た音楽家から各種楽器や作曲を学び、また父に連れられて国内外のコンサートやオペラ上演を鑑賞したりもしたが、結局学校での音楽の専門的教育は受けなかった(後年、モーリッツ・モシュコフスキらから学びなおしている)。オックスフォード大学に短期間在籍(中退)後、アマチュア・オーケストラの指揮者などを経て、1899年にハンス・リヒターの代役でハレ管弦楽団を指揮し、プロの指揮者としてデビューを飾った。一説には適当な代役がいなかったため、楽員が冗談半分で推薦したところ、本当に指揮台に上がったということである。

突然のプロ・デビューののち、ビーチャムは莫大な財産を惜しげも無く投じ、まずは巡業オペラ団を結成し、これは数年続いた。次にいくつか自前のオーケストラを創設した。また、この頃にディーリアスと知り合う。1910年からはロイヤル・オペラ・ハウスを自腹で借り切って、自分の思うとおりのオペラ上演を開始した。半分以上はロンドン初演で当たり外れも大きく、決して充実した実入りにはならなかったものの、損失補填分は父に借財してどうにか凌いだ。1915年にはビーチャム・オペラ・カンパニーを創設、しばらくはオペラ指揮者として活動したが、1932年にロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を創設。また同年にロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に就任し、再び自分の望みどおりのオペラ上演に専念できることとなった。この頃から国外での指揮活動も始め、ニューヨーク・フィルハーモニックやザルツブルク音楽祭(1931年)の指揮台に立った。

第二次世界大戦中はアメリカとオーストラリアで活動を行い、メトロポリタン歌劇場の常連となった。その一方で、アメリカに行ったことでロンドン・フィルを手放す結果となった。戦後の1946年には新たにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を創設、生涯にわたりイギリス音楽界に多大なる貢献をした。

1960年、ロイヤル・フィルの次期首席指揮者にルドルフ・ケンペを指名して、現役を事実上引退、翌1961年に死去した。」(Wikipedia トーマス・ビーチャム より)

 

 

 

Portrait

CD-1
ヘンデル(ビーチャム編):“The Great Elopement”/ロンドン・フィル[1945年]
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」/ロンドン・フィル[1940年]
同:ディヴェルティメントKV.131/D.ブレイン(Hrn)、ロイヤル・フィル[1947、48年]
CD-2
シューベルト:交響曲第6番/ロンドン・フィル[1944年]
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲/ハイフェッツ(Vn)、ロイヤル・フィル[1949年]
ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」/ロンドン・フィル[1936年]
ワーグナー:ファウスト序曲/ロンドン・フィル[1935、36年]
CD-3
ドビュッシー:「春」/ロイヤル・フィル[1946、47年]
R.シュトラウス:「英雄の生涯」/ロイヤル・フィル[1947年]
同:「インテルメッツォ」~間奏曲/ロイヤル・フィル[1947年]
CD-4
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲/ハイフェッツ(Vn)、ロンドン・フィル[1935年]
同:交響曲第4番/ロンドン・フィル[1937年]
同:交響詩「吟遊詩人」/ロンドン・フィル[1938年]

 

Haydn/Mozart:the..

ビーチャム没後50年企画。幅広いレパートリーを誇り、音楽の振興に多大な貢献を尽くしたビーチャムの名演です。