ジャック・バルビロー 夭逝したフランドル楽派の至高の作曲家 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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ジャック・バルビローは、ジョスカン・デ・プレやハインリッヒ・イザーク、ヤーコブ・オブレヒト等とほぼ同世代のフランドル出身の音楽家です。

 

「ジャック・バルビロー(Jacques Barbireau / ラテン語名:ヤコブス・バルビリアヌス Jacobus Barbirianus, 1455年 – 1491年8月7日)は、南ネーデルラント出身のルネサンス音楽の作曲家。同時代からだけでなく、キーゼヴェッターやフェティスらの近代の研究家からも、フランドル楽派の至高の作曲家と認められているが、夭折したため現存する作品数は数少ない。
(中略)
1484年にアントウェルペン大聖堂に聖歌隊長職を得て、亡くなるまでその地位にあった。神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世は、明らかにバルビローに高い評価を与えており、バルビローが1490年にハンガリーのブダに赴いた際、王妃ベアトリクス(マーチャーシュおよびウラースロー2世の王妃)もバルビローについて非常に好意的に語っている。疑いなく生涯最後の2ヶ月間に健康が衰えており、ハンガリーから帰国後に、アントウェルペンで世を去った。
(中略)
ロバート・ウェグマンは2001年に『ニューグローヴ音楽大事典』において、「対位法的な洗練の度合いや、旋律的・和声的な素材の豊かさは、ハインリヒ・イザークやヤーコプ・オブレヒトのような作曲家に匹敵する」と述べている。実際にバルビローの作曲様式は、もう一人のフランドル楽派の大家である、イザークの様式に密接に関連している。
ミサ曲は2曲が現存しており、一つは4声のミサ曲である。

(中略)

宗教曲ではこのほかに、復活祭のためのキリエ唱や、「ソロモンの雅歌」に基づく4声の名高いモテット《 Osculetur me 》がある。このモテットは、低いテッシトゥーラを多用していて、ヨハネス・オケゲムのなごりを感じさせる。
バルビローの世俗曲のうち、3声のフラマン語歌曲《楽しい歌 Een vroylic wesen 》は、ヨーロッパ全土で「ヒット」し、スペインやイタリア、イングランドのような遠い土地でも編曲版が数多く出回った。イザークは、この曲を定旋律にして《ミサ曲「たのしい歌」 Missa frölich Wesen 》を作曲しており、バルビローの現存する3つの世俗歌曲は、いずれもイザークやオブレヒトがパロディ・ミサの作曲に利用した。」(Wikipedia ジャック・バルビロー より)

 

若く亡くなったため残された作品は少なくジョスカンやイザーク、オブレヒトに比べ作品が演奏される機会も少ないと思われますが今日聴いたビューティー・ファームと言うヴォーカル・アンサンブルのアルバム「Barbireau: Mass · Motets」はとても充実した音楽を聴かせてくれました。

どっしりと根付いた地の底から湧き上がってくるような深い信仰心。積み重なっていく音が何か強い確信を持って聴く者の心に伝わっていくようです。バルビローの音楽の力なのでしょうか。それともビューティー・ファームの演奏の凄みなのでしょうか。全身が洗い浄められるようでした。

 

 

 

 

こちらから、ビューティー・ファームのアルバム「Barbireau: Mass · Motets」全曲お聴きになれます。

 

 

 

Mass Motets

"ビューティー・ファーム"は、2014年に設立された男声ヴォーカル・アンサンブル。コレギウム・ヴォカーレ・ヘントやチンクエチェント、グランドラヴォア、カピラ・フラメンカ、ウエルガス・アンサンブルなどの一流合唱団、アンサンブルで活躍してきたメンバーでスタートし、オーストリア、マウアーバッハのカルトジオ会修道院を拠点に、ルネサンス期のフランコ=フレミッシュ・ポリフォニーの音楽を中心に歌っています。
これまで、オケゲム、ラ・リュー、オブレヒトといったルネサンスの巨匠や知られざるフランドル楽派のミサ曲の録音で評価を重ねると、2021年にリリースされたパレストリーナの「教皇マルチェルスのミサ」(PFB2017671)でその名声をさらに高めてきました。
最新作となる本アルバムでは、南ネーデルラント出身のルネサンス音楽の作曲家、ヤコブス・バルビロー(ジャック・バルビロー)のミサ曲とモテットを取り上げています。
バルビローは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世から優れた歌手としても高い評価を得ており、アントワープ(アントウェルペン)大聖堂の聖歌隊長職も務めていたとされています。
現存する作品は非常に少ないですが、3つの世俗歌曲は、ハインリヒ・イザークやヤーコプ・オブレヒトがパロディ・ミサの作曲に利用するなど、キーゼヴェッターやフェティスといった近代の研究家からも、フランドル楽派の至高の作曲家の一人として認められています。
若くしてこの世を去ったフランドル楽派の重要な作品を、ビューティー・ファームは、このレコーディングを通して印象的に示しています。

 

 

 

 

 

好評発売中のそえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズの第3弾が出版されます。(7月25日発売予定)

(表紙画像公開されました。正装した凜々しい貴公子ヴォルフと可愛いルートルフ!)

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 

 


ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
新展開の数々に目が離せない、頭脳派1歳児の本格異世界ファンタジー第3弾。

 

 

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赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1 (MFブックス)

不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

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