ジャック・アルカデルト Missa Noe Noe ルネサンス期の多声音楽ならではの魅力 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

(上記リンクからアルバム「Arcadelt: Missa Noe Noe」全曲お聴きになれます。)

 

アルカデルト、と言うと名前はとてもなじみがあります。彼の作品、とされていた「アヴェ・マリア」は数え切れないくらい歌った歌なのです。しかし、この曲以外のことは殆ど知らない作曲家でもあります。

 

このブログでも以前に何度かこの人のことを取り上げています。

 

 

今日何となくルネサンス音楽をあれこれと聴いているうちに見つけたのが、ナミュール室内合唱団による「Arcadelt: Missa Noe Noe」というアルバムでした。

 

ジャン・ムートンの「Noe Noe」と言うクリスマス音楽の旋律をモチーフにしたミサ曲で、面白いのが普通この時代の宗教音楽はアカペラで演奏されるのが殆どのような気がしますが、このアルバムではシンプルではありますが器楽による伴奏がつけられており、それがまたとても音楽を生き付かせる効果を発揮しているように思われます。考えてみれば、ルネサンス時代にはすでにオルガンは存在していましたし、リコーダーや色々な種類の管楽器、弦楽器などもすでに存在していたわけで、アルカデルトの生きた時代あたりには宗教音楽でも大きな教会などではそういった楽器が使われていても不思議では無いと思います。このアルバムで聞ける響きが意外と実際のその時代の音楽のリアルな姿に近いのかも知れません。

 

アルバムは最初にジョスカン・デ・プレの「純血なる乙女、神の育て親」が歌われ、それからアルカデルトの「Missa Noe Noe」が始まりキリエ、グローリアと歌われた後、器楽によるムートンの「Noe Noe」が演奏され、そこからまたミサ曲に戻るという形になっています。こういった演奏の仕方もその時代の教会でのミサの進め方に沿った物なのでしょうか。ちょっと面白い感じがしました。アルカデルトのミサはかなり凝った対位法で次々と各パートが重なり響きや表情を変えていく様子がとても興味深く、またナミュール室内合唱団の自然ですっきりした歌い方もとても好感が持てました。

 

「ジャック・アルカデルト(Jacques Arcadelt)またはヤコブ・アルカデルト(Jacob Arcadelt, 1504年もしくは1505年 - 1568年 10月14日 パリ)は、盛期ルネサンスのフランドル楽派の作曲家。姓についてはアルカデ(Arcadet)、アルカダン(Arcadent)とも。もっぱらマドリガーレやシャンソンのような世俗音楽の作者であった。出身はリエージュだった可能性が高いが、近年ではフランス人説も濃厚になってきた。

生い立ちについてはほとんど判っていないが、1539年にはジュリア礼拝堂の一員となっていたので、その頃までにはローマに在住していたらしい。その後まもなくシスティーナ礼拝堂に加わり、少年聖歌隊員の指導者 "magister puerorum" に任用され、後に楽長に抜擢された。同年、全6巻の4声のためのマドリガーレのうち4巻を出版する。おそらく1553年に前後してフランスに出国、同地で余生を過ごした。この頃からおびただしい数のシャンソンが作曲されるようになる。1557年には、雇用主であるロレーヌ枢機卿シャルル・ド・ギーズに1巻のミサ曲集を献呈した(晩年にアルカデルトはギーズの楽長 maître de chapelle を務めた)。」(Wikipedia ジャック・アルカデルト より)
 

 

 

 

 

Missa Noe Noe
地中海周辺諸国のバロック作品を、比類ないパッションと精緻な解釈を兼ね備えた名演で聴かせ話題を呼んできた、アルゼンチン出身の指揮者レオナルド・ガルシア・アラルコン。近年は古典派以降の管弦楽作品の解釈でも注目すべき実績をあげていますが、今回の演目は意外にもルネサンス。フランス語圏ベルギーの主要都市の一つナミュールに拠点を置く実力派集団ナミュール室内合唱団と共に、同市が出身地と言われる名匠アルカデルトのミサ曲を中心とした選曲をお届けします。英国のタリスやスペインのカベソン、オルティスなどと同世代のアルカデルトは、若くしてローマ教皇庁のシスティナ礼拝堂ジュリア聖歌隊に加わり、そこで長く活躍した後にフランス王アンリ2世やシャルル9世に仕えた大家。『最後の審判』の芸術家ミケランジェロとも親交があったと言われています。今回の演目は聖母マリアにまつわる作品が集められており、中心を占めるのは同じく教皇庁で活躍したフランス語圏出身の作曲家ジャン・ムートンによるクリスマス音楽の旋律を軸に作曲された「ミサ・ノエ・ノエ」。アラルコンは4声の端正な多声展開に複数の木管コルネットとトロンボーンからなる合奏、さらにリコーダー、ドゥルツィアン(ファゴットの前身)、オルガンといった楽器を添え、教皇庁やフランス王室など強力な為政者のもとで活躍したアルカデルトの在りし日を彷彿させる壮麗な響きを再現。古楽器ならではの純正な和声の美しさ、決して迫力に頼らないしなやかな音作りで、多声音楽ならではの魅力を存分に味わわせてくれます。バッハ解釈にも定評があるアラルコンならではの精緻な解釈に惹きつけられる名演です。

Arcadelt: Missa Noe Noe
1. ジョスカン・デプレ(1450/55-1521):Illibata Dei Virgo nutrix 純血なる乙女、神の育て親
2. ジャック(ヤコブス)・アルカデルト(1507-1568): Kyrie キリエ*
3. アルカデルト: Gloria - Missa Noe Noeグローリア*
4. ジャン・ムートン(1459-1522):Noe Noe ノエ・ノエ(クリスマスの歌/器楽による演奏)
5. アルカデルト: Credo クレド*
6. アルカデルト: Hodie beata Virgo Maria この日、祝福されし乙女マリアは
7. アルカデルト: Sanctus サンクトゥス*
8. アルカデルト: Agnus Dei アニュス・デイ*
9. アルカデルト: Regina coeli laetare 天の母后(レジーナ・チエリ)
10. アルカデルト: Magnificat primi toni 第1旋法によるマニフィカト
11. アルカデルト: Dont vient l'esjouissance その時、嬉しいことには
12. ジョスカン・デプレ/ジャン・ギヨ・ド・シャトレ(1512-1588): Benedicta es coelorum Regina 祝福あれ、天の母后よ

【演奏】
ナミュール室内合唱団
カペラ・メディテラネア(古楽器使用)
レ・パストゥロー(グレゴリオ聖歌歌唱/指揮&独唱: フィリップ・ファヴェット)
レオナルド・ガルシア・アラルコン(指揮)

 

 

 

 

 

 

 

 

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