ルートヴィッヒ・ダーザー 宗教改革の時代、カトリックとプロテスタントの間で苦悩した音楽家 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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iTunesやYouTubeをあれこれと覗いているうちに、わりと最近発売されたらしいルネサンス期の音楽家Ludwig Daserと言う人の作品を集めたアルバムを2つ見つけました。

 

Ludwig Daser…、ドイツの人のようですからルートヴィヒ・ダーザーと読むのでしょうか。

1526年頃に生まれ1589年になくなったとのこと。ミュンヘンで生まれ主にミュンヘンの宮廷で音楽家として活動し晩年はシュトゥットガルトで活躍したようです。ルネサンス後期、ミュンヘン、と言うとオルランド・ド・ラッススの名前が思い浮かびましたが、ルートヴィヒ・ダーザーとラッススは結構長い期間同じ宮廷で活動していたようです。

 

冒頭に掲載した動画は、ウェルガスアンサンブルによるアルバム「Ludwig Daser: Polyphonic Masses」の最初の曲です。

 

あまり名前を聞いたことの無かった音楽家の作品ですから、それほどの期待も無く何となく聴き始めたのですが、これがなんとも魅力的な音楽なのです。厳かな中に深い陰影が込められた響きは明るく流れの良いパレストリーナなどのイタリアルネサンス音楽とも自在な煌めきを感じさせるラッススの音楽ともひと味違った独特の美しさを感じさせます。その時代においては保守的な音楽だったのかも知れませんが、私にはとても新鮮な音楽に思えました。

 

ウェルガスアンサンブルによるアルバム「Ludwig Daser: Polyphonic Masses」はこちらから全曲お聴きになれます。

 
もう一つのアルバムが、Cinquecentoというコーラスグループの演奏する「Daser: Missa Pater noster & Other Works」です。
Missa Pater nosterをメインに多数のモテットなどが収められています。高声部がカウンターテナーによる男声だけのコーラスはウェルガスアンサンブルともまたかなり違った魅力を感じさせてくれます。ルネサンス時代のドイツの空気や教会の雰囲気がリアルに感じられるような気がしました。
 
 

Cinquecentoのアルバム「Daser: Missa Pater noster & Other Works」。下記リンクから全曲お聴きになれます。

 

「ルートヴィヒ・ダーザー(1526年頃-1589年3月27日)は、ドイツのルネサンス期の作曲家、合唱指揮者。彼のキャリアは、当時の宗教改革と反宗教改革の闘争によって特徴づけられる。当時は著名な作曲家であったが、ダーザーに代わっミュンヘンで活躍したオルランド・ド・ラッススの影に隠れてしまった。

1526年、漁師アチャシウス・ダーザーの息子としてミュンヘンに生まれる。 幼少の頃、ミュンヘンのバイエルン・ホーフカペレに入門。 そこで神学と音楽の正式な教育を受け、後者はルートヴィヒ・ゼンフルの弟子であった。 司祭に叙階され、1550年にマッテウス・ル・マイスターとともにバイエルン・ホーフカペレに入門。1552年、アンドレアス・ザウナーの後任としてミュンヘン宮廷聖歌隊長に就任。指揮と作曲に加え、聖歌隊の少年たちの育成、礼拝堂のための声楽家や器楽家の雇用も担当した。 1554年にル・マイスターが突然ミュンヘンを去ったため、ディーサーは宮廷作曲家としての職務も兼任することになった。 バイエルン公アルベルト5世の宮廷は断固としてカトリックであったが、ダーザーのプロテスタントへの傾倒はミサ・アヴェ・マリーで明言されており、クレドの部分で彼は信仰告白に「Et in unum Dominum nostrum Jesum Christum」という言葉を付け加えている。1556年、オルランド・ド・ラッススがミュンヘン宮廷に到着した。ラッススへの普遍的な称賛は、ダーザーに落胆をもたらし、彼の主要な音楽家としての役割はラッススに取って代わられた。

1560年代、アルベール5世は宮廷にカトリックを定着させようと積極的に動き始めた。1563年から1572年にかけてのダーザーの活動についてはいくつかの論争がある。アイアン・フェンロンは、彼が「ルター派」であることが判明し、「不健康」を口実にして公爵がダーザーに相当額の退職年金を与えたと示唆する。ベルンホルト・シュミッドは、ダーザーは本当に一時期不健康に苦しんでいたと推測する。 1572年にシュトゥットガルトに移り、そこでカペルマイスターとなったダーザーは、ヴュルテンベルク公爵からルター派への抵抗がなかったため、公然と改宗した。 1589年3月27日、シュトゥットガルトで死去。婿のバルデュイン・ホユールがシュトゥットガルトのカペルマイスターを継いだ。

ダーザーの作品は主にミサ曲で、22の写本が現存している。 モテットも作曲している。

ダーザーはフランコ・フランドル楽派の影響を大きく受けており、カントゥス・ファルヌスとオーディナリーを結びつける方法論がそのことを示している。 彼の旋律の源はしばしばオランダに由来する。 ダーザーはカノン、装飾、カントゥス・ファルヌス、並置など、ミサ曲の中でプレーンチャントの旋律を扱う様々な方法を採用した。

彼の作品の多くは、バイエルン州立図書館に写本として所蔵されている。 彼の作風は、4声のミサ曲やカントゥス・フォルムスの技法への依存など、当時としては保守的なものであったが、シュトゥットガルト時代にはよりなものとなった。

ラッススのミサ曲第40番Ecce nunc benediciteは、ダーザーの作品を直接モデルにしている。」(WikipediA(英語版) Ludwig Daser より(DeepL翻訳による翻訳))

 

 

 

 

Ludwig Daser: Polyphonic Masses

ルネサンス・ポリフォニーの美学を追求するネーヴェルとウエルガス・アンサンブルの新たな快作が登場。ウエルガス・アンサンブル & パウル・ファン・ネーヴェル/ルートヴィヒ・ダーザー:ポロフォニック・ミサ

 

 

Daser: Missa Pater noster & Other Works

その生涯と作品がミュンヘンとシュトゥットガルト、カトリックとルター派の両方にまたがっているドイツ・ルネサンス期の作曲家、ルートヴィヒ・ダーザー。フランドル楽派の影響を受け、同時代人からは非常に尊敬されていた作曲家でしたが、ミュンヘンで彼の後任を務めたオルランド・ディ・ラッソ(ラッスス)の登場により、音楽史上ではすっかり影が薄くなってしまいました。本作は充実のミサ曲『パーテル・ノステル』のほか、ラテン語のモテットやドイツ語のコラールのセレクションを含んでおり、両者の様々なスタイルを楽しむことができます。知られざる巨匠ダーザーの入門に最適な1枚です。

 

 

 

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