小澤征爾指揮ベルリン・フィル チャイコフスキー「悲愴」 カラヤン・メモリアル・コンサート2008 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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頭に掲載した動画は2008年1月28日、ウイーンで演奏されたベルリン・フィルによる「カラヤン・メモリアル・コンサート2008」でのチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」のライヴ映像です。

 

昨日ご紹介したウイーン・フィルとの「カラヤン追悼コンサート」から9年が経ち、今回はベルリン・フィルとのカラヤン・メモリアルコンサート。曲はこれもカラヤンが得意としたレパートリーのチャイコフスキー「悲愴」です。

 

小澤さんの表現はまた一段と彫りが深くなっているように感じます。細部の表情、さりげないメロディの味わい、そして激しく情熱的なクライマックス…

 

色々動画などを観ていますと小澤さんは1990年代の後半あたりから指揮棒を持たないことが多くなり、2000年を過ぎてからは持つことが殆ど無くなっているようです。若い時代の小澤征爾さんというと指揮の打点の正確さ、指揮棒の軌跡の美しさが際立っていました。もちろん指揮棒を持つ持たないで指揮の技術が大きく変わるわけはないのですが、2000年以降の指揮姿には以前ほど際立ったかっこよさは少なくなっているような気がします。そしてその分全身を使った表現の幅を広げようという意志が感じられる気がします。音楽というのは不思議なものです。音は正確でなければいけない。リズムも正確でなければいけない。しかし、ただ正確なだけでは本当の音楽にはならないのです。そこに何が必要か。いくつかのドキュメンタリーなどで小澤さんは「カラヤン先生から、振りすぎるな、と言われている」と言うようなことを言っています。カラヤンは小澤さんの指揮の技術を高く評価した上で、「振りすぎるな」と言っているのです。オーケストラの自主性を奪ってはいけない。振らずに自分の望んだ音を出して貰えるようになるのが指揮者の理想、と言う事でしょうか。そして、そのカラヤンの言葉を自らのものにするために小澤さんが選んだのが指揮棒を捨てる、と言う事だったのでは無いか、と私は思います。小澤さんの技術をもってすればどんな曲でもオーケストラをぴったりと合わせることは簡単なのでしょう。しかし、もっと自然にもっと味わいを感じさせる音楽をするためには…。

このベルリン・フィルとの「悲愴」は指揮者小澤征爾の一つの到達点のようなものを感じさせてくれる演奏、だと私は思いました。

 

こちらは、ベルリン・フィルとの「悲愴」のリハーサル。

直後のベルリンでのコンサートと一週間後に控えた(冒頭に動画を紹介した)ウイーンでのコンサートのためのリハーサル、と言っていいと思います。

 

 

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20世紀を代表する偉大な指揮者で「帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~89年)。その生誕100年を記念したベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会。カラヤンと特に縁が深い土地であるザルツブルク(生誕地)での指揮は、日本を代表する小澤征爾。ドイツの名ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターも出演。

 

 

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2008年1月、ヘルベルト・フォン・カラヤン生誕100年を記念して、ベルリン・フィルの本拠地フィルハーモニーホールで行われたコンサートから、世界のマエストロ、小澤征爾指揮のチャイコフスキー作曲「交響曲第6番 悲愴」を収録。ハイビジョン映像の高画質と5.0chサラウンド・リニアPCM(96Khz/24bit)の高音質により、小澤征爾とベルリン・フィルの熱演を、圧倒的な臨場感で再現する!!
指揮:小澤征爾
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 

 

 

 

 

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