カレル・アンチェル指揮チェコ・フィルハーモニー ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そう言えば、カレル・アンチェル指揮チェコ・フィルハーモニーの「新世界より」は聴いたことがなかったな。インターネットをあれこれ見ているうちにこの演奏がとても素晴らしいというブログ記事に出会い、改めてそう思いました。以前から名演という評価は知っていましたしいずれ聴きたいと思っていた録音だったのですが、ずっと、「いずれ聴きたい」のままになっていた物の一つでした。

 

取りあえずYouTubeで音源を探してみようかと検索して出てきたのが記事冒頭に掲載した動画です。

 

聴き始めてまず最初の印象がとても聴きやすい音だという事でした。録音が優れているのか演奏の特徴なのか、隅々の音まで聞き分けられるような透明感のある演奏でした。何か特別な事をしているというわけでも無く、楽譜に書いてある音符をそのままに音にしている、と言ったさりげない風情の音楽。とても丁寧な演奏でもあり、ある種、端正な、と言う言葉がすっと出てきそうな演奏でもあります。それは一貫して変わらないこの演奏の大きな特徴だと思うのですが、聴き進むごとにそのさりげなく端正な音楽の中にとても深い味わいがあることに気付きます。第2楽章、有名な「家路」のメロディに込められたなんとも言えない郷愁、第3楽章の激しいリズム。あくまで整然とした演奏から、しかしただ整っただけでは無い強い物が迸ってくるようです。ここには間違いなくアンチェルでしか聴くことのできない、そしてチェコフィルにしか表現のできない音楽があると思います。数え切れないほどの名演が遺されているこの名曲に、これだけ鮮烈な印象を与えてくれるのはやはり凄いことです。もう60年以上前の録音なのに、聴き終わった時、とても新鮮な物に触れたような後味が残っていました。やはり、間違いなく「名演」でした。

 

「カレル・アンチェル (1908年4月11日 - 1973年7月3日) は、チェコの指揮者、ホロコースト生還者である。
(中略)
1933年にはプラハ交響楽団の音楽監督に就任。
1939年にチェコがナチス・ドイツの支配下に入ると、ユダヤ系だったアンチェルはプラハ響を追われる。1942年11月12日、家族全員とともにテレジーンの強制収容所に送られる。彼はゲットーにおいてテレジーン弦楽合奏団を率い、音楽活動を行った。ナチのプロパガンダ映画『Der Führer schenkt den Juden eine Stadt』(未公開)に出演。撮影が終わると、映画に関わったゲットーの音楽家たちは残らず家畜運搬車に詰め込まれ、1944年10月15日にアウシュビッツへ移送された。妻のヴァリーと息子のヤンはガス室で命を落とし、アンチェルのみが生還した。
(中略)
チェコがナチの支配から解放された後、アンチェルは楽壇へ復帰を果たし、プラハ歌劇場の指揮者(1945年 - 1948年)、プラハ放送交響楽団の指揮者(1947年 - 1950年)を経て、1950年にはクーベリックの後任としてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任する。1948年の共産党政権成立に端を発したチェコのソ連衛星国化に反発
したクーベリックが辞任・亡命して以来、低迷状態に陥っていたチェコ・フィルを立て直すべく、1950年首席指揮者として返り咲き「私の人生で最大の驚きだ。」とのコメントを残した。その後は順調に活動を続け、チェコ・フィルはターリヒ時代の栄光を取り戻す。(中略)
1968年、アンチェルがアメリカ演奏旅行中にいわゆる「チェコ事件」が起こり、チェコはソ連を中心としたワルシャワ条約機構軍の軍事介入を受ける。アンチェルは旅行先で帰国を断念、亡命の道を選び、同時にチェコ・フィルの常任指揮者も辞任する。
亡命後の1969年に小澤征爾の後任としてカナダのトロント交響楽団の常任指揮者に就任する。
1973年7月3日、亡命先のトロントで肝臓病と糖尿病のため死去。65歳没。遺体は現在プラハのヴィシェフラド民族墓地に埋葬されている。」(Wikipedia カレル・アンチェル より)

 

 

ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》/序曲

チェコ・フィル第2の黄金期を飾った悲劇の名指揮者、カレル・アンチェルの代表盤。1961年録音、ドヴォルザーク「交響曲第9番≪新世界より≫」他を収録。

ドヴォルザーク
①交響曲第9番 ホ短調 作品95、B.178 《新世界より》
②序曲《自然の王国で》作品91、B.168
③序曲《謝肉祭》作品92、B.169
【演奏】
カレル・アンチェル指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】ADD
1961年12月6日(①)、1961年11月17日(②③)、プラハ、芸術家の家(ルドルフィヌム)

 

 

 

 

 

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