モーツアルト/ヴァイオリンソナタ第24番 K.376  掛け合いを楽しむようなセルとドルイアン | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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何かモーツァルトの曲を聴こうか、と思い少し考えました。シンフォニーはいつも良く聴いているし、ミサ曲という気分でもないし・・・

 

室内楽で何か、と思った時思いついたのが暫く前に入手したこのディスクでした。

モーツァルトのヴァイオリンソナタ。

ピアノを弾いているのがジョージ・セル、ヴァイオリンのラファエル・ドルイアンという人はその当時クリーヴランド管弦楽団のコンサートマスターを務めていた人だそうです。

 

これがなかなか良いのです。

 

私はピアニストの技術がどうかなどと言えるほどピアノの事は分からないのですが・・・

ジョージ・セルのピアノ、本職と比べても全然ひけはとりませんよね。

指揮する時に作る音楽と同じように粒立ちの良い音。それでいて柔らかく優しい表情。もしかするとオーケストラを前にした時よりリラックスして音楽を楽しんでいるのかも知れませんね。

ドルイアンのヴァイオリンも確かな技術を見せながらも強い自己主張は無く、セルのピアノとの掛け合いを楽しんでいるようです。

 

この曲は1781年、ザルツブルグと決別してウィーンで独立した音楽家としてやっていこうと決意したモーツァルトが出版することを目的に書かれた4曲のヴァイオリンソナタの一つです。この4曲と以前に書かれていた2曲を合わせて作品番号2として出版されました。

ピアノとヴァイオリンが親しく対話を交わすように歌うこれらの曲はモーツァルトらしさが横溢しています。

 

シェフとコンサートマスターがこんなに美しい音楽を語り合うオーケストラって、やはりこの頃のクリーヴランド管弦楽団は凄い音楽集団だったんだなと改めて感心します。

 

とても素敵な時間でした。

 

 

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32番/同第25番/同第28番/同24番

ラファエル・ドルイアン(Vn)  ジョージ・セル(P)

「クリーヴランドのシェフが伴奏をし,当時のコンマスが独奏。演奏は,最近の古楽器を先取りしたようなパリッと乾燥した明るく躍動的なもので,かなりいい。セルのピアノも指揮と同じように音の粒をハッキリと奏し,その技術は本職並である。」(Amazon 商品の説明 より)