先日、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェン交響曲第1番、第2番を聴いて、「おっ、なかなか良いな」(「悪くないぞ、カラヤンくん! みんなが言うほど・・・」なんて(笑)若きカラヤンのベートーヴェン)と思ってから、この2曲を何人かの指揮者の演奏で続けて聴いています。
考えてみれば、3番以降の交響曲と比べるとこの初期の2曲は今まで聴久回数が少なかったような気がします。聴いてみると中期や後期の曲に劣らずなかなか良い曲じゃない、なんてあらためて思ったりしているわけで・・・(笑)
トスカニーニ、ワルター、シューリヒト、セル、それぞれに良い演奏です。そしてメンゲルベルクの思わずにやっと顔が緩んでしまいそうな名人芸。
で、今日選んだのがオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。クレンペラーの3番や6番、それに第9は時々聴くのですが、ここに音源がある割には1番、2番を聴いた記憶が・・・、ありません。(はて、どうしてだろう?(笑))
まあ、取りあえず聴いてみましょうか。
何と言うスケール感。ここに描かれているのは、決して青年の面影を残したベートーヴェンの姿では無いでしょう。少し遅めのテンポですが、決してリズムが重くなっているわけではなく少しももたれるところはありません。細部まで丁寧に磨き込まれながらしかし神経質なそぶりは少しも感じさせないくらいに堂々とした音楽。どっしりとした風格さえ感じさせる音作りなのです。カラヤン&フィルハーモニアも良かったのですが、同じオーケストラからここまでのすごみを感じさせるこの指揮者はいったい・・・、とため息が出るような気分。1番、2番の交響曲からこれだけの充実感を感じたのは初めてのような気がしました。
ま、それもこれも。
(曲が良いからな! ねぇ、センセー。)