コンスタンティノープルの陥落 キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります




以前、塩野七生さんの「ローマ亡き後の地中海世界」や「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1」を読んで、学校の世界史では詳しくは習わなかったヨーロッパの歴史の一面を見て面白かったですし歴史を見る見方、と言うか視点を変えてみることがとても大事なことなのでは無いかと言うことに気付いたりしたのですが、この本もそれらの本と近い(含まれている)時代でもあり、また西洋史ではあまり大きく扱われてはいないけれど実はかなり大きな意味合いを持っていたのではと思われる事がテーマになっている本でもあります。

1453年東ローマ帝国の滅亡、と言う事はたぶん世界史の年表で目にしたことはあると思いますしそれを覚えた記憶のある人もおられるでしょう。でも、その時何が起きていたのか。そしてそれが世界史の中でどういう意味を持っていたのかと言うことになると西洋史を専門にしている人以外にはたぶんほとんど知られていないことなのではないかと思います。

この事件が、その後のカトリックにどう影響を与えたのか。
ルネサンス文化に与えた影響は?
オスマントルコに支配されるようになったバルカン半島諸国のその後の歴史、
ジェノヴァ、ヴェネツィア他のイタリア都市国家のその後は?
東ローマ帝国からの援軍要請に消極的だった西ヨーロッパ諸国とオスマントルコの関係は・・・

この事件が起点になりヨーロッパの歴史は大きく動いていくようです。色々疑問を持ったり興味を持って見ていくと歴史は面白いことがいくらでも出てきます。塩野七生さんの著作はどれもそう言ったきっかけを与えてくれたり掘り下げる情報を与えてくれたり、私の中ではとても重要な作家です。

十字軍物語」や「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」も近い内に読んでみようと思っています。



コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
塩野 七生
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「東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。」(Amazon 内容紹介より)


十字軍物語 第一巻: 神がそれを望んでおられる (新潮文庫)
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皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上巻 (新潮文庫 し 12-102)
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