親しげな声で
1日が始まる
あたりさわりのないDJは
捕え処のない音楽をかける
そして、この不思議な音楽が
君の朝の気分を作ってくれるのだ
遠くに行って 広い道路を飛ばしている時
君の指には不思議な力が宿る
その「霊」は、君が孤独を楽しんでいるのを
邪魔しようとはせずに
あたりに、漂っているのだ
目に見えない電波は
生きているようにパチパチと音を立てる
輝くアンテナはエネルギーにあふれて、そびえ立つ
限りない波長の
感情に満ちた繰り返しが
値段のつけられないような
素晴らしい贈り物を
ほとんど無料で運んでくれるのだ
こうした機械類が
新しい音楽を生むことには
わだかまりはない
そんな冷徹に図られたものではないのだから
本当に問題になるのは君の誠実さなのだ
君の誠実さの問題
人は音楽の自由を
信じたいもの
しかし、輝く賞や
終わることのない妥協が
そんな誠実さの幻想を
打ち砕いてしまう
目に見えない電波は
生きているようにパチパチと音を立てる
輝くアンテナはエネルギーにあふれて、そびえ立つ
限りない波長の
感情に満ちた繰り返しが
値段のつけられないような
素晴らしい贈り物を
ほとんど無料で運んでくれるのだ
”利益のための歌詞が
スタジオの壁に書かれている
コンサート・ホールでは
セールスマンの音が
こだまする”
from "Grace Under Pressure Tour"
Begin the day
With a friendly voice
A companion, unobtrusive
Play that song that's so elusive
And the magic music makes your morning mood
Off on your way
Hit the open road
There is magic at your fingers
For the Spilit ever lingers
Undemanding contact
In your happy solitude
Invisible airwaves
Crackle with life
Bright antenae bristle
With the energy
Emotional feedback
On a timeless wavelength
Bearing a gift beyond price
Almost free
All this machinery
Making modern music
Can still be open-hearted
Not so coldly charted
It's really just a question
Of your honesty
Yeah, your honesty
One like to believe
In the freedom of music
But glittering prizes
And endless compromises
Shatter the illusion
Of integrity
Invisible airwaves
Crackle with life
Bright antenae bristle
With the energy
Emotional feedback
On a timeless wavelength
Bearing a gift beyond price
Almost free
"For the words of the profits,
Are written on the studio wall,
Concert hall
Echoed with the sounds
Of Salesmen"
from album "PERMANET WAVES"(1980)
written by Lee/Lifeson/Peart 対訳/沼崎敦子 WPCR-13478より(※)
♪
この歌詞…ラジオの素晴らしさと、商業主義に走るミュージック・ビジネスへの嫌悪…ということなんだろうか。
かつては、ラジオも「ヒット曲」を生むシステムだった。
「ヒット・チャート」はレコードの売り上げ、ラジオや有線放送へのリクエスト数及びオンエア回数を基に作成されたものが大半だったと思う。
ラジオから生まれるヒット曲には、DJが気に入った曲をヘヴィ・ローテーションしたことから火が着くような場合もあった。
いい曲、気にいった曲をプッシュ。
これは、ラジオ特有の現象と言っていいかも知れない。
一方で、売るための作曲…ヒット曲の方程式的な製作手法もあった。
洋楽なら、70年代後半のプロデューサーとスタジオ・ミュージシャンによる覆面グループ名義のディスコ向けシングルはそういう部類だろう。
洋楽、邦楽を問わず「アイドル」としてプロモーションされた楽曲の多くも同類かも知れない。
僕はその全てが悪いとは思わない。
しかし、大ヒットしても「一過性」で大衆の記憶から消えてしまった楽曲は、「売るための音楽」と烙印を押されても仕方ないだろう。
一方、「一発屋」やかつて「産業ロック」と呼ばれたアーティストの楽曲など、「記憶に残った」曲はそこに「売るための意図」があったとしても、そこに聴かせるための音楽的な工夫があったから生き残った…のではないかと思う。
但し、盗作やパクリは、また別次元の話だ。(この方向は突っ込んで語るのは難しいので別の機会に…)
RUSHはこういう話とは無縁なバンドだと思うが、こんな歌詞が登場するのはアルバムを製作する上でいろいろなことがあったということなのかも知れない。1980年という時期からもそんな気がしてならない。
♪
ミリオン・セラーが出なくなった…どころではなく、CDが売れないと言われ始めて久しい。今やヒット・チャートには「ダウンロード数」がその尺度に加わっている。
ダウンロードにもいろいろあるようだが、1曲の単価はかつてのシングル盤より安いだろう。
MP3ファイルの音質云々はあろうが、僕らの世代がラジオからエアチェックしたカセットテープよりは「安定」した音質だろう。
しかし、1曲単価はエアチェックした方が安い。そこに時間と労力が必要なことを除けば…の話だが。(笑)
Emotional feedback
On a timeless wavelength
Bearing a gift beyond price
Almost free
限りない波長の
感情に満ちた繰り返しが
値段のつけられないような
素晴らしい贈り物を
ほとんど無料で運んでくれるのだ
エアチェックで目的の1曲を得るためには、ラジオ番組から関係ない曲(中には聴きたくない曲も…)をたくさん聴くことになる。
僕は1曲を得るための時間と労力で「値段のつけられないような素晴らしい贈り物をほとんど無料で」得ていた…のだと思う。
1曲を得るための時間と労力が、どれほど音楽に対する興味や知識を広めてくれたことか。
ダウンロードの好悪にはいろいろな意見があると思うが…
今のラジオに「値段のつけられないようなすばらしい贈り物を」運んでくれる能力がどれほどあるのか。
ラジオはスピリットを失っていないか…
そちらの方が気になる今日この頃。
♪
WISHBONE ASH や ALAN PARSONS の新曲(2010年発表)がダウンロード販売されるようになり、そろそろ iTunes にも手を出そうかと思うように…なってきた。
何か割り切れない感情もあるが… (^^ゞ
※歌詞はアルバム・ヴァージョンに沿ってレイアウトと一部内容を変えてあります。