障害があることに向き合って。(後編) | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。

Eさんへのインタビュー。

これまでのお話
↓  ↓  ↓
「障害があることに向き合って(前編)」

「障害があることに向き合って(中編)」




親バカです。



堀江「生まれて、実際どうでした?」




Eさん「生まれた時に泣いたんです。

産声をあげたんです。



最初は、

生まれても呼吸ができないかもしれない

って言われてて、

ずっと、お腹に手を当てて、



『ちゃんと産声をあげるんだよー』



って念を送って、



『声を出しなさいって』。



それが伝わったのかもしれないですけど。


ちゃんとオギャーって言って

私もほっとしたし、

なにより産科や小児科の先生たちがほっとされました。




産声を上げれば

一回肺に酸素が入って膨らむってことなので、

可能性があるかもって。



それでNICUにいる時に、

出産して、次の日の夜ぐらいかなー。

会いに行けたのが。

最初はちっちゃいなーって、

かわいいなーって。

ちゃんと手も足もあるじゃんって。

手の指も5本だし、

足の指も5本だし。

ちょっと短いぐらいかしらって。




わたしはある程度覚悟したから、

チューブとかにたくさんつながれてる姿に

落ち込んだりはなかったんですけど、

やっぱり主人とか、
家族、

私や主人の両親とかは、

もうダメかも、

何日も生きれないかもって思ってたみたいです。




ショックだったみたいです。




小さいのにいっぱい管につながれて、

点滴を刺されて。

主人に私がなかなか行けないから

写真撮ってきてって言っても、

なんかうまく取れんかったって

撮ってきてくれなかったんです。」




堀江「想像力って、

おかあさんって

おなかのなかにいるのを常に感じてるから、

毎日意識してるじゃないですか。

情報も一生懸命集めたりしして。

でも、ご主人やご両親て言うのは、

ショックだったんでしょうね。」



Eさん「私も、あんまり詳しい話をしてなかったんですよ。

詳しい話をしてもショックだろうし、

心配させるだけだから。

ダメかもしれない。

ぐらいはわかってたと思うんだけど、

実際に見た時に、

すごく大変な状況なんだと理解したというか。」




堀江「生まれる前に予想したり、

想像したことっていっぱいあったと思うんですけど、

それと実際に生まれた後とはちがいました?」



Eさん「正直、思ってたより大変でした。

これからも考えてるよりは大変だろうなって思うけど、

乗り越えていくしか無い。

というか、

意外にポジティブなので。」




堀江「いいことですよー。

それってすごくいいこと。

ご両親の影響ですか?」



Eさん「うちの母がそうなんです。

昔はもうちょっとネクラというか、

うじうじするほうだったんですけど、

母と一緒にいる時間が長いと、

影響されるんですね。



悩まないことは無いんですけど、

ある程度悩んだら、

くよくよしてても仕方ないやって。

落ちた反動でぼーんとあがっていくというか。




病院でも看護師さんたちに、

Eさん、なんでそこまでがんばれてるのって、

すごいびっくりするって

言われます。




くよくよしてて病気が治るんだったら

いくらでもくよくよするけど、

くよくよしたところで病気なおらないから。




たぶん、こどもがお腹にいる時に、

その子に教わったというか、

一緒に強くなったというか。




いろんなおかあさんがいるのを知ったり、

ネットを通じて知ったりとか。

インターネットさまさまです。





でも、

やっぱり近所とかで

同じくらいの子が歩いてたりするのを見ると、

ちょっとつらいなって思ったりするんです。

うちの子も普通に生まれてきてたら、

今頃はよちよち歩いてるんだろうなー、

こんなかんじだろうなーって思うことはあるけど。




親ばかなんです。

親ばかくらいじゃないと、

やっていけないんですよー。

ホント他の子と比べててたら体が持たないので。」




堀江「親ばかっていいですね。

うちの子が一番って意味ですもんね」




Eさん「そうそう。

だから障害持ってても、

やっぱりかわいいなーって。



私、病院でもいろんな方にお世話になって、

助産師さんや看護師さんに、

もし障害をもつ子供さんのことで、

もし私で役に立つことがあったら、

うちの子で役に立つことがあったら、

いくらでもお手伝いするので、

全然名前も出してもらっても構わないので。



こういう子がいて、

お母さんがこういうふうにされてるよって

言ってあげてくださいてお伝えしてるんです。」




堀江「それはすごいと思う。

誰でも思えることでもないし、

誰でもそこに至れるわけでも無いと思う。



みんなやっぱりいろんな気持ちがあって、

いろんな考え方がって、

Eさんがそこまで思われるのはすごいと思う。



だから今回、

お話を聞かせてもらえることがすごいなーって思ったし、

よかったです。


このインタビューも気持ちよくOKしてもらって、

うれしかったです。」





生む前も、生んだ後も悩む。


Eさん「ホント、こういう立場になって

初めてわかったことっていっぱいあると思うんです。」



堀江「わかります。

ぼくもこうやって「わかります」っていってるけど、

なんとなく理解してるだけで、

体験してる本人とは全然違いますもんね」



Eさん「障害をもつ子を持つことで、

前、テレビでダウン症の子を持つお母さんが

言ってらしたんですけど、



「生む前も悩むし苦しむし、

産んだ後も毎日苦しんだり悩んだりする」


って。




生む前は、

この子を生んでいいんだろうかって悩むし、

生んでからも良かったんだろうかって。


本当にそうだと思います。




やっぱり悩んだりとか、

こどものつらそうな姿を見ると、

産まないほうがよかったんかな、

この子のためには、とか。

そういう葛藤がいつもある。




でもそういうのって、

そういう子供をもってみないとわからない。




普通の子を生んだら、

それはそれでうれしいし、

いいことなんだけど。




実際、病気のこどもを中絶した話とか、

聞いたら「えー!」って思うだけだったかもしれない。




でも、今だったらいろいろ。

その家庭、その家庭にいろいろな事情があって、

悩まずに答えを出した人って本当に少ないと思うんです。




たくさん悩んで、

離婚の危機とか、

そういうことも乗り越えて出した答えだと思うから。




そうやって親が一生懸命考えて出した答えに対して、

こどもは嫌だとか、

思ってないだろうなーって思うんです。




でも、本当に一生懸命見れないかもしれない。

でも、生んだとしても、

育児放棄しちゃったりしたら


の子は本当に人間としてしあわせじゃないじゃないですか。




だから、そんな事まで考えて
中絶するなら、

それはそれで正しい、正しくないじゃなくて、

その夫婦の結論だと思うし、

他人がとやかく言うことではないと思うんです。」




堀江「そうですよね。

そのとおりだと思います。。。

選択自体はしなくちゃいけないけど、

それがいい結果になるか悪い結果になるかは、

決断や選択した後ですもんね。」




Eさん「とやかく言う人達が別に助けてくれるわけでもないし、

変わってくれるわけでもないんですよねー。

本当に助けてくれる人って、

その二人の決断を見守ってくれてる人だと思うんです。」







健康に生まれてくることが奇跡



堀江「いろいろな相談をうけてるんですけどね。

命が授かるって、

ひとつ別の人生を決めるわけじゃないですか。



でも、妊娠したい時って、

他のこと考えれなかったりしますよね。



赤ちゃんがほしいっていうのは、

理屈じゃないと思うんです。

本能的な感覚だと思うから。

ホント理屈とかじゃなくて。




相談に来られてる方で臨床心理士さんが居らっしゃるんです。

その方、自分で悩んで認知行動療法とかしてみたけど、

「無理だ、私。」って思ったって。

「考え方とかで落ち込むとか、悩むとかじゃなくて、

本能的な部分だから、そんなことをしても意味が無い

って私、わかりました」って。



見えないじゃないですか、

その先のリスクとか。

それこそ、妊娠したらゴールで、

明るい未来が待ってるみたいな。




一般的にあると思うんですよね。

そういうところってありました?

子供さんを妊娠する前までは。」




Eさん「ありました。

そりゃありましたよ。

なんかやったー!みたいな、

ひとつステップアップみたいな。」




堀江「でも、実際、

そうじゃないじゃなかったりしますよね。



産んだ後のことだとか。

その子に障害があって。

実際に言われるように、

命をあげてよかったのかって。



Eさんに言われてびっくりしたんですけど、

黄体補充をしたこと自体が責められてしまうとか。

治療するってそうですよねー。



積極的に自分から授かりに行くわけじゃないですか。

その選択って、実は重いと思うんですよ。

その先、いろんなことがあって、

いわゆる一般的なしあわせじゃない状況ってあると思うんです。



だから、考えることとか、

想像することってものすごく大事だと思います。




こんな言い方おかしいかもしれないけど。

Eさんをみてるとしあわせというか、

イキイキされてるように見えます。

イキイキされてるって表現がおかしいのかな。」



Eさん「なんていうのかな、

こういう言い方は良くないのかもしれないけど、

ある意味冷めている部分もあって、

この子はもしかしたら、

来年亡くなってるかもしれない。

とか冷静に考えてるところもあって。



この子が、

生まれてきてよかったーって思ってる時が、

1日でも、1時間でもあればいいなーって思って、

がんばってるとこがあるんです。



他のお母さんはわかんないです。

私が変わってるのかもしれないし。

なんか、うちのだんなに言うと、

「いなくなることとか考えるな」

っていわれるんですけど、

もしこの子がいなくなったら、

私はどうなるだろうって考えるんですよね。




例えば、

毎日の生活ができなくなるかもしれないって、

虚無感というか。

自分がこの子を亡くしたことで、

自殺しちゃいけないし、

亡くした時に後悔したくない、

っていうのはすごい考えます。




でも、こういうふうに思ってることが

いいかどうかはわかんない。

あんまりひとにはいわないですけど。」




堀江「よかったーって思うことが大事かなって思います。

それこそ人生の一番最後によかった~って思えたら、

一番ハッピーだと思うんです。」




Eさん「そうですよね。

後で後悔しないように、

そう思って、接してる部分も大きいですね。」




堀江「愛情って絶対に伝わりますよね」



Eさん「そう思います。

愛してあげたい、

がんばってほしいって思って、

こどもががんばる姿をみて、

また私ががんばってって。」




堀江「二人三脚みたいですね」




Eさん「そんな感じです。」



堀江「最後に、なにかメッセージをお願いできますか?」




Eさん「本当に私、こどもを妊娠して思ったことは、

健康に生まれてくることが奇跡なんだってことです。

そう思うと、

自分自身も大事にできるし、

家族や周りの人のことも大事にできるんじゃないかなーって。




遺伝子の突然変異って、

しょっちゅうあることなんです。

それを思うと、

普通に元気に生まれて来ることって奇跡だなって。





だから命を大切にって思います。






自分にも、

自分の親にも感謝しなくちゃいけないなって。




うちの母が言ってました。

この子をみて、

ほかの元気に生まれてきた孫のほうが

奇跡なんだなーって思ったわって。」




堀江「インタビュー、本当にありがとうございました。」