障害があることに向き合って。(中編) | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。

前編より続く
↓ ↓ ↓
「障害があることに向き合って」



むちゃくちゃショックだった


堀江「障害があると聞かれた時はどうでした?」




Eさん「むちゃくちゃショックでした。

なんか、なんで私なの?って。

どの方もそうだとは思うんですけど、

なんでうちの子が、

なんで私がって。




なんでこんな目に合わなきゃいけないのって。

高齢出産だからか、

とかいろいろ」





堀江「どうしても自分を責めてしまう」




Eさん「そうですね・・・。

やっぱり元気に生んであげられなかったのが

悪かったなーって思うんです。

いまでもそうは思います。

どんな病気の子を持ったお母さんでもそうだと思います。




私は病気を持ってたわけではないので、

薬を飲んだりしてはなかったですけど、

例えば持病を持ってらっしゃる方だったら、

私が飲んでたあの薬がいけなかったのかしら、

とか絶対に思われると思う。




うちの子を妊娠した時、

生理がちょっと遅れてて、

病院に行った時に

採血でホルモンを調べたら

黄体ホルモンが少ないかなって言われて、

妊娠が継続できるようにホルモン注射をしたんですよ。



だから、

あの時に注射をしたから、

妊娠ができて、

だから、本当だったら流れる子が・・・



って思ったり。」




堀江「そうか、そういうふうな思いに至るんですね・・・」




Eさん「そういうことを思ったりしました。

注射をしたから

弱くて流れるはずだった子どもが

生まれちゃったのかなって。




救いはおなかの中で元気に動いてて、

先生も元気に動いてるねーって言ってくれたので、

それが救いだったというか、

がんばれたというか」



堀江「ご主人とかとは、どんなお話をされたんですか?」



Eさん「主人は、おおらかな人なので、

先生が大げさに言ってるんだ、

生まれてみないとわからないって思ってたとこがあって。



私も主人も、

どれだけそういう障害をもって生まれた子を

持つことが大変かだなんて、

後々の事まで、

生活のことまで想像がつかないから。

そういうことって大きい声で話す人って

少ないじゃないですか、

実はうちはねー、みたいな。




調べればわかるけど・・・

なので。



私もせっかくおなかの中で元気で動いてるし、

同じ障害を持って生まれても

元気に育ってる子もいるよって話をすると、

そういう子はいらん、

とかも言わずに、

先生が大げさにいってるだけだよみたいな。」




産んであげたい。

堀江「Eさん自身もおなかの中で動くし、

前の流産のこともあるから、

産みたいという気持ちが強かったんですね。

他の選択は浮かびませんでした?」




Eさん「堕ろすっていうことですか?

あんまり思わなかったです。

そこまで、思わなかったですね・・・。




うーん・・・

生んであげたい。

生んで、もしその子の寿命が短くて、

生まれてすぐに亡くなったとしても、

それでも、

それはその子が自分の人生を、

命を全うしたということだから、

私がその子の命をここで切ってください

というのは話が違う。




そこで命を切って、

もしかしたら元気でいきてたかもしれない

と後で思うよりは、

出てきて、もし2,3時間とかで亡くなったとしても、

いやだけど、

ある意味、諦めがつくというか、

やれることはしてあげたというか、

そういう気持ちになれるかなーって。




それは、

病気の子を持つお母さんのブログとかを見たりして

思っていました。」




堀江「病名はわかってたんですか?」




Eさん「だいたいこれじゃないかっていうのは、

二つ軽いのと重症のと2つ言われていて、

あとは断定するのは遺伝子検査しかできないって。



そこまでわかった段階で、

病名で検索すると産んだ人もいれば、

産むことを諦めた人もいて。



その人達は、

その人達で悩んでるんですよ。

産むことを諦めたのが本当に良かったのかって。

その人達の気持ちもわかるし・・・。」




堀江「例えば、障害があるってことがわかって、

中絶するかしないかって話になった時に、

どうしても世間一般的に言うと、

親のわがままみたいな声もありますよね。



でもそれって、

子供のことを考えたらどうなのか、

とか、

生んであげる事がいいのか

悪いのかって

いうそういう悩みもでてくるだろうし」



Eさん「そうなんですよ。

生んでその子が一生つらい思いをするかもしれない。



同じ病気じゃないんですけど、

病院で知り合った方は、

最初はその子を産むことで、

その子はいろんな合併症を持った子で、

お兄ちゃんがそういう弟を持つことで

学校でいじめられるんじゃないかとか、

そういうこととかも悩んでらしたそうなんです。




最初は、延命措置はいいですって断ったけど、

必死に生きようとしてる姿を
NICUで見た時には

助けてくださいってお願いして、

1日か2日くらいは、

もう延命はいいと思ってたから。

その二日間をすごく悔いてる

って言われてました。




なんでその時に、

すぐに助けて下さいって言えなかったのかって。



今でも悔いてるって。





今はその子供さん、

すごく元気なんですよ。

いろんな病気も持ってるけど、

障害も持ってるけど、

お母さんすごいがんばってらして、

元気に保育園とかも行ってるし」




堀江「ご主人とは気持ちの齟齬はでなかったんですか?」




Eさん「主人もなかなか本心を言わない人で、

おまえがそういうんだったらいいよ

みたいな感じで思ってるんじゃないかって

疑心暗鬼になっときもあります。



でもまあ、私の好きにさせてくれるってことは、

嫌じゃないんだろうと思ってました。」



おなかの中で守ってた。


堀江「そうやって出産に向かっていかれて、

出産はどうだったんですか?」



Eさん「帝王切開です。

頭がちょっと大きかったんです。

水頭症みたいな感じで。



出産ちょっと前にレントゲンを撮ってもらって、

骨盤が通るか、

出産に耐えれるかとか調べたんです。

私はできれば自然分娩がよかったんですけど、

先生が子供のためには帝王切開がいいよって言われて。




帝王切開の予定日までは

貼り止めは飲んでたんですけど、

急に産気づくこともなく、

こどももすくすくと。


でも、生みたくなかったって気もあります。



出たら、この子は自分の力で、

ひとりで生きて行かないといけない。

おなかの中にいれば、

呼吸とか栄養とか酸素とか、

全部私が与えてあげれるのにって。



出たら自分ひとりで生きていかなくちゃいけないから

って思って。

先生にそう言ったら、

お母さんの体がもちませんからって言われちゃいました」



堀江「いやー・・・

ぼく男じゃないですか、

母性ってあるんだなぁって思います。




出産された方とかにいろいろお話聞く時に、

やっぱり、言われて初めて、

あーそうなのかっていうことが

すごくいっぱいあるんです。




例えば、今お話された感覚とかも、

言われるとて初めてなるほどなー、

そういう考えもあるのかって思うんですけど、

自分から出てこない。」




Eさん「そうですよねー。

おなかの中にいることがないから、」




堀江「赤ちゃんを守ってあげてる。

酸素とか栄養とかをあげて

おなかの中で守って育ててあげてるっていう感覚が、

男性には想像できない。




やっぱり違うんでしょうね。

言われてなるほど~、

みたいな。」



Eさん「んー、そうなんですね~。

でも、おなかの中にいることで守ってあげれるけど、

機械も付けなくていいんだけど、

うまれたら自分の力で、

生きていかなくちゃいけない。




環境的に守ってあげる事はできるけど、

体の仕組みというか、生命力というか、

そこはもう

本人のものでしかなくなってしまうからかもしれませんね。」





つづく

↓   ↓

「障害があることに向き合って(後編)」