法令解釈③(拡張解釈について) | 司法書士 荒谷直樹のブログ

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(※法令解釈は、法規的解釈と学理的解釈に大別される。学理的解釈には、文理解釈、論理解釈、目的論的解釈がある。ここでは論理解釈について書く。)

 

 法令解釈にあたっては、まず、文言や用語に即して解釈する文理解釈が基本である。しかし、法令は、すべてのケースに備えて網羅的に規定できているわけではない。そこで、論理解釈が必要になる。


 ここでは、論理解釈のうち、拡張解釈について書く。

拡張解釈とは、法令に用いられている文言を通常の意味よりも広く解釈する方法である。


 これは、条文を文言通り解釈すると法の本来の意味や趣旨に反するため、妥当な範囲に拡大して読み取ることが適切であると認められる場合の解釈方法である。


 拡張解釈は、立法後に生じた新たな利益を保護するために行われることが多い。


 よく拡張解釈の例としてあげられるものに、次の民法の規定がある。


「民法711条 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」


 この条文中の、「配偶者」には、法律的な婚姻をしている者に限られず、いわゆる内縁関係にある者にも広げて解釈するが、これが拡張解釈の例である。