難しい試験のための勉強の仕方 | 司法書士 荒谷直樹のブログ

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埼玉県所沢市の司法書士フラワー総合事務所代表。ジャンル問わず人生に有益な情報を発信!!法律&メンタル&個人的戯言♪

 難しい試験の勉強法。大事なことなので、感じていることを書きます。勉強法の大まかな流れというか、大ざっぱな方向性に関して。わたしは、いままで受験した試験で1番難しかったのが、司法書士試験なので、ここではそれを念頭に書きます。

 

 まず、イメージ的に。みなさん、高校などの定期テストの直前期とか前日などは教科書とか、ノートとか、ほぼ暗記してしまってましたよね?多少理解が伴わないところは、「丸暗記」なんかして。あのイメージです。出題されるものはだいたい絞られていて、最悪「暗記」しちゃってれば、なんとかなる、という感じです。


 自分で、使用する教材やテキストを決めて、本試験当日に知識量・理解をマックスにして、一気に吐き出すというイメージです。自分の決めた量的範囲の中で、どうしても理解できないものでも、出題される可能性があるものなら結論だけでも「丸暗記」していく。


  昔、高校の英語の先生が言っていました。「一度理解して覚えた知識で普段は忘れてしまっている知識で、すぐには想起できない知識と、はじめから一度も覚えたことも理解したこともない知識で、想起できない知識とは明確に違う」と。自分のアタマを通して、一度でも理解や暗記をくぐったモノと、そうでないモノとは違うということです。表面上は、そのままでは想起できないということは共通してますが、その質的性質が違うということです。

 

 例えば、忘れていたことでも、使っていたテキストなりノートなどを開くと「そういえば、こんなのやった!!」ということありますよね??本試験直前にそういう風になるように、今からの学習を積み重ねるんです。今から、なんでもかんでも「想起」できる状態にしておく必要はないと思います。

 

 そうなるためには、やり方があります。司法書士試験みたいに科目数が多い試験は、各科目同時並行で少しづつやるのか、あるいはその時期に勉強する科目を一科目に絞って攻略していくのか。大きく分けて、この2つのやり方があるかと思います。


 わたしは、一科目ずつ仕上げていく勉強法が良いと思っています。同時並行で複数科目を勉強すると、記憶したものが、忘却する勢いにのまれてしまって、いつまでたっても、記憶の軸ができないからです。


 そのやり方ですが、例えば民法なら民法だけを、一気に合格レベルまでに引き上げるんです。例えば、1ケ月とか2ケ月とかスパンを区切り、ひたすら民法だけを繰り返す。経験上、5回です。最低限、最初に繰り返す量は。このぐらいやったあたりから、アタマの中に確固たる記憶の軸が出来てきます。猛スピードで階段を駆け上がって、もう一度猛スピードで駆け上がる、こんなことを最低5回、黙って繰り返すんです。大事なのは、最初に学習したものの記憶が完全に消えてしまう前に最初に戻ることです。完全に忘れてしまうと、また最初からやり直しになります。だから必然的に1日の学習量はかなりの量になります。戻るタイミングも大事です。民法なんかは量が多いので、総則・物権・債権・親族・相続を分けてやってもいいです。自分に与えられた時間によって、繰り返す回数は調整してください。

 

 大事なことは本試験で使う教材なり、テキストなどは学習初期の段階で使用したものを最後まで使うことです。でなければ、記憶の復元作業を直前期にすることができなくなるからです。で、黙って5回くらい繰り返したら、記憶の軸ができているかセルフチェックするために、年度別に何年か分のその分野の本試験科目、民法なら民法の過去問を解いてみるんです。これでちゃんと点数がとれれば、その段階の勉強は終了です。あとは本試験直前に、その状態を「復元」する作業をするんです。本試験対策で使うテキスト類は、この時点で固定です。新しいものは、もう不要です。

 

 その作業を終えたら、今度は民法は「卒業」して不登法などに移って同じことを繰り返して下さい。そして、次は会社法へという風に。で、様子を見て、完全に忘れる前などにまた民法を1周させるなどの措置をとって下さい。わたしは、テキストに 一周した期間を目次のページなどに書き込んで、目に見えるようにしていました。例えば1周終わったら、「①2024・1/1~2/4」みたいな感じです。1年でだいたい1冊10周くらいさせていました。 司法書士試験なんかは11科目あります。わたしは各科目で使用するテキスト・問題集が各2~3冊くらいはあったので、トータルで20~30冊くらいはあったと記憶しても。完全に覚え込む対象のテキスト類です。そして1冊最低10回。1年でこのくらい回せば、大抵覚えられていたので、わたしは自分に「黙って10回」と言い聞かせて、機械的に勉強してました。

 

 イメージ的に来年の試験までこの作業の繰り返しです。で、ホントのの超直前期に短期間で全科目復元させて、知識・理解などをマックスまで引き上げ、本試験当日に一気に吐き出す。

 

 イメージはこんな感じです。あとは、本試験の問題処理の方法などの検討する時間を組み込んで、本試験で戦える体制を整えていくんです。

 

 必然的に勉強量、勉強時間は、凄まじいものになります。これに耐えられるか、どうかだと思います。合格するために必要不可欠な要素は。1番大事なのは、忘れる前に繰り返して、記憶を重ねていくことです。完全に忘れてしまってから、もう一度同じことをやっても、それはもはや「繰り返し」ではないんです。勉強するときは記憶する作業を意識しなければ、意味のない勉強になってしまいますよ。


※過去問について。司法書士試験に限ってですが、わたしは、過去問は上記記事に書いたように、学習の到達度を測る「確認用の教材」としてしか使っていません。過去問を回すより、本試験を解くのに必要な普遍性のある知識を磨く方が効果的だと考えるからです。本試験問題は、言葉の表現が緩かったりして、解釈に曖昧さが漂っているものが多い感覚があって自然にそうなりました。出題の根拠となる普遍性のある知識の習得に努める方が良いと思います。