生きる構えの転換ー幸福のパラドックス | ~「クロスロード」~栄光への架け橋( ^-^)ノ~

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司法書士フラワー総合事務所代表司法書士(埼玉県所沢市)。司法書士・行政書士・整体師・心理カウンセラー資格を保有。ブログ内容はジャンルを問わず、徒然なるままに書いています。どこかの誰かのお役に少しでも立てれば幸いです(^^♪

 

 

 

(参考書籍:「悩みぬく意味」諸富祥彦著 幻冬舎新書)

 

 

 私たちはふつう、人生を「自分のしたいこと」をしていく場だと考えています。自分の夢を実現する。希望や願望を達成していく・・・。そんなものだと考えているわけです。もちろん、自分のしたいこと、やりたいことを実現していくことは、それ自体悪いことではありません。しかし、「幸福になりたい」という人間の欲望には際限がありません。ある地位を手に入れたらもっと高い地位が欲しくなる。ある程度有名になれたらもっと名声を、と思ってしまう。

 それが世の常で、だから「幸福になりたい」という欲望に駆り立てられている人は、どこまでいっても心の底から満たされることがありません。絶えず「何か足りない」「どこか満たされない」という欠乏感を抱き、「永遠の不満の状態」に陥ってしまうのです。幸福は、それを求めれば求めるほど、私たちの手からスルリと逃げ去ってしまう、という人生のこの逆説的な真実。すなわち「幸福のパラドックス」。古来、哲学者たちはこの人生の真実を説き、その罠に陥ることのないよう人々を戒めてきました。フランクルもまた、人生のこの罠から人々を解き放とうとします。

 

 要するに、フランクルは、こう言うわけです。

 生きるとは、私たちに絶えず送り続けられてきている「人生からの問い」を引き受けて、それに責任を持って「答え続ける」ことである。私たちは、人生全体をかけて、このことをやりぬかなくてはならない。フランクルのこの考えを真に受け入れることは、私たちの生き方、「人生の構え」そのものに、ある根本的な転換をおこなうことを意味するのです。

 

(参考)ヴィクトール・エミール・フランクルは、オーストリアの精神科医、心理学者、ホロコースト生還者。著作は多数あり日本語訳も多く重版されており、代表作は『夜と霧』。患者が自ら生きる意味を見出す手助けを施すことにより、精神障害を克服する心理療法「実存分析」を提唱した。 

 

 スマホでユーチューブやらTikTokばかり見ていては、なかなか巡り合わない考え方、生き方の提唱だと思います。今の世の中は、うかうかしていると「永遠の不満状態」に陥り、「幸福のパラドックス」の中に埋もれてしまうような時代です。フランクルの提唱するこういう生き方、考え方は、「お守り」のように常に頭の片隅に持っていたい思考フレームだと考えています。

 そういえば、今、東京都知事選やっていて、掲示板占拠問題やら政見放送番組占拠問題やらを引き起こしているヘンテコリンな首謀者の方おりますが、ああいう方は、幸福のパラドックスどころが人間そのものがパラドックスまみれで、ご自身でも何をしたいのか、何をすれば幸せなのか、もはやわけがわからくなっているんじゃないでしょうか。ああいう方、他にもいますが、ユーチューブなんかで、ただ再生回数を稼ぐだけでお金が得られるシステムが生んだ「化け物」だと思います。倫理とか道徳とか公共の福祉とか、そういう内容の審査基準みたいなものを考慮しないシステムが生んだ「モンスター」。ユーチューバーという人種が出てきてから、世の中に変な輩がいっぱい出てきた気がします。いづれ、内容面について、法規制やら倫理的な規制ができて、また以前のような落ち着いた時代になってほしいと思っています。