どんな時も人生には意味がある | ~「クロスロード」~栄光への架け橋( ^-^)ノ~

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司法書士フラワー総合事務所代表司法書士(埼玉県所沢市)。司法書士・行政書士・整体師・心理カウンセラー資格を保有。ブログ内容はジャンルを問わず、徒然なるままに書いています。どこかの誰かのお役に少しでも立てれば幸いです(^^♪

(参考書籍:「悩みぬく意味」(諸富祥彦著 幻冬舎新書)

 

 どんな時も人生には意味がある。フランクルは言います。どんな人の、どんな人生にも意味がある。この世にいのちある限り、意味のない人生なんてひとつもない。ほかの人が言っても、単なる気休めにしか思えませんが、彼の言葉に重みがあるのは、ユダヤ人としてナチスの手でアウシュビッツ収容所に被収容者として捕らわれていた体験に支えられているからです。「夜と霧」が、そこに記された数々の陰惨な事実にもかかわらず、ある種のさわやかな感動すら与えてくれるのは、フランクルのまなざしが、強制収容所の生き地獄の中で、なお希望を失わずに生きようとする人々の姿と、それを支える人間精神の気高さとに注がれているからでしょう。

 

 収容生活で生きる希望を失い、「もう人生には何も期待できない」と自殺を決意しかけた二人の被収容者にフランクルは次のように問いかけました。

 

 「たしかにあなた方は、人生にはもう何も期待できない、と思っているかもしれません。人生の最後の日がいつ訪れるかもしれないのですから、無理もない話です。ナチスの手でガス室に送られるくらいなら、みずから自分のいのちを絶つほうがマシだ。そんなふうに思われたとしても、少しも不思議ではありません。けれどもその一方で、人生のほうはまだ、あなたに対する期待を決して捨ててはいないはずです。あなたを必要とする何かがどこがに必ずあり、あなたを必要としている誰かがどこかに必ずいるはずです。そして、その何かや誰かはあなたに発見されるのを待っているのです。

 

 この言葉を聞いて、二人の被収容者は自殺をとりやめました。どんな時も人生には意味がある。フランクルのメッセージは、実に半世紀以上にわたって、人生に絶望しかけた多くの人々の魂を鼓舞し続けてきました。まさに、人々に生きる勇気とエネルギーを与え続けてきた人、と言っていいでしょう。

 

 要するに、フランクルは、こう言うわけです。

 生きるとは、私たちに絶えず送り続けられてきている「人生からの問い」を引き受けて、それに責任を持って「答え続ける」ことである。私たちは、人生全体をかけて、このことをやりぬかなくてはならない。「人生でしたいことをする生き方」ではなく「この人生で果たすべき使命を果たしていく生き方」を説いているのです。そうすることではじめて、私たちの人生は、欲望への執着から解き放たれ、深い生きる意味と使命の感覚にみたされた人生を送ることができるようになるのです。

 

 フランクル心理学では、絶えず、人生や使命について自問しながら生きていくよう勧めるのです。

 

(参考)

ヴィクトール・エミール・フランクルは、オーストリアの精神科医、心理学者、ホロコースト生還者。著作は多数あり日本語訳も多く重版されており、代表作は『夜と霧』。患者が自ら生きる意味を見出す手助けを施すことにより、精神障害を克服する心理療法「実存分析」を提唱した。