CRI時事経済ブログ -175ページ目

CRI時事経済ブログ

不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

コンビニ徒歩圏外に住む高齢者は61%
 「コンビニ難民」という言葉があります。徒歩で最寄りのコンビニエンスストアに行くことが困難な方々を言います。高齢者の約6割がそのコンビニ難民で、買い物以外にも日常生活でさまざまな不都合が生じている――と、三井住友トラスト基礎研究所が「中央公論11月号」で発表しました。こうした現状は、コンビニ業界のビジネスチャンスとも言えるでしょう。

 調査研究をしたのは、同研究所の竹本遼太副主任研究員。大手コンビニ12チェーンの店舗網から、店の徒歩圏(半径300メートル以内)に住む65歳以上の高齢者の比率を推計しました。それによると、徒歩圏外に住む高齢者は、全国平均では61%でした。人口20万人以上の市区町村別で見ると、最多は茨城県つくば市(83・7%)、次いで新潟県上越市(83・2%)。津市(79%)、松江市(78・7%)、新潟県長岡市(76・4%)、長崎県佐世保市(75.3%)と続きます。都市部よりも、圧倒的に地方で高いのです。

コンビニが地域に貢献できることは多い
 少子高齢化は今後も進み、高齢世帯、高齢者独居の世帯が当たり前になります。多様なセイフティネットが必要になりますが、コンビニがそれに一役買うことは可能です。宅配サービス時の見守り、安否確認、孤独死防止、さらには、高齢者を雇ってこうした役割を担当してもらうなど、地域に貢献できることは多い。千葉市とセブン-イレブン・ジャパンが高齢者見守り活動の協定を結ぶなど、動きもあるようですが、全国的に広がることを期待します。

 店で待っているだけのサービスを卒業し、想像力を駆使して、社会の幸せと利益の両方を追求する新たなチャレンジをしてほしいですね。宅配業、新聞配達など多くの業種にも同じようにチャンスです。

[2015.11.11]
見直し対象となる人文社会科学系学部
 文部科学省は、全国86校の国立大学が提出した、来年度から6年間の中期目標・計画を公表しました。半数の43校が「地方創生」や「技術革新」を目指して学部の組織再編に取り組みます。このうち26校が、「人文社会科学系の見直し」を掲げました。大学の「個性」は出せるでしょうか。
 国立大学は2004年に法人化され、今回のような目標と計画の策定が義務付けられました。文科省がそれを精査し、年度内に認可を出します。今回、「人文社会科学系」の学部や大学院の再編をする大学は、次の33校です。

 小樽商科大学、岩手大学、山形大学、茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、千葉大学、東京外国語大学、横浜国立大学、新潟大学、富山大学、福井大学、静岡大学、名古屋大学、三重大学、滋賀大学、神戸大学、和歌山大学、鳥取大学、島根大学、岡山大学、山口大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、九州大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学。

 「国際地域学部」(福井大)や「データサイエンス学部」(滋賀大)など、時代や社会のニーズに対応した学部の開設、経済学部と経営学部の統合などが主な流れです。

変化は必要でも全国一律では意味がない
 一方、外国人留学生の受け入れ数や日本人学生の海外留学者数について、数値目標を設定した大学が約8割に上りました。学生が、自分で問題を発見し、解決に向けて考えを深める「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる新たな手法を取り入れる学校も49校ありました。

 社会状況が急変するなか、教育システムも、教員も変わらなければならない。ただし、その変わり方が全国一律で、個性を失っていては困る。時には、ニーズに縛られない無駄も必要です。多様性の中からしか、多様で有為な人材は育ちません。

[2015.11.10]
利用者が自分にあったプランを選ぶ時代
 電力の小売り自由化まで、半年を切りました。1951年に現行の電力制度ができて以来、60年ぶりの大転換です。開放される小売市場をビジネスチャンスととらえ、エネルギーに関係がなかった異業種からも、新電力(特定規模電気事業者、PPS)への登録が急増していることは、以前にも書きました。電力自由化について、今回は、別の角度から見ておきましょう。

 現行制度では、電力は地域ごとに設立された電力会社が独占的に供給し、電気料金も電力会社の"言い値"で決まります。しかし、自由化後は、利用者が好みの電力会社から自分にあったプランを選びます。電力会社間の競争も活発化するため、料金が下がる可能性もあります。経済産業省の試算では、テレビやスマホ市場に匹敵する7.5兆円の市場が新たに生まれ、参入組のソフトバンク、JX日鉱日石エネルギー、伊藤忠、楽天などは、そこに着目したわけです。

何がエネルギーのベストミックスか?
 太陽光発電など、再生可能エネルギーの普及にも追い風が吹きます。冷房の需要がピークになり、電力不足が深刻化する真夏に、太陽光発電は力を発揮します。エネルギーの多様化を進め、原子力、火力、再生可能エネルギーなどの「ベストミックス」を考えるうえでも、電力の小売り自由化は大きな転換期と言えるでしょう。

 中小企業のみなさんも、どの新電力のプランが自社に適切か、検討の準備を始めてください。一方で、これを機に、省エネの取り組みを始めましょう。不在エリアの照明や空調を切る。照明を間引く。空調温度の設定の調整。お客様の不在時の消灯。LED照明や省エネ蛍光灯への交換。勤務時間の縮小。効率のよい空調機や設備への更新......など、やれることはたくさんあります。

[2015.11.9]
東京のオフィスビルが主要ターゲットに
 世界最大の政府系ファンド「ノルウェー政府年金基金」が、日本で不動産投資に乗り出します。運用資産が約100兆円とされる巨大ファンドで、この5年は、欧米の主要都市で不動産投資が活発でした。日本では、東京のオフィスビルが主要ターゲットになりそうです。2020年の東京五輪に向け、再開発が進む東京のオフィスビルを「優良な投資先」と見ているのです。

ノルウェー政府年金基金の財源は、ノルウェーの北海油田の石油収入です。将来は枯渇する油田を資源として最大限に有効活用するため、政府自ら投資を行っています。投資の目的や運用には、高い透明性や情報公開が求められており、国際社会の基準で「社会的責任」に問題があるとみられた企業は、厳しく投資対象から外されます。だからこそ、信用力も高い。

投資は不動産取引の活性化にもつながる
 直近の資産は、株式が6割強、債券が3割強。世界の上場株の1%程度を所有するとされ、日本株では、トヨタ自動車やソニーなど時価で約4兆8000億円を保有しています。資産全体に占める不動産の比率を2・7%から5%に高める方針を掲げ、2011年から欧州に進出しました。アジアにおける不動産投資の最初の投資対象の1つが、東京というわけです。

東京は現在も、オフィスビルの需要の高まりで、賃料は緩やかに上昇しています。東京五輪もある。長期的な安定運用を考えるなら、オフィスビルや商業施設はよい投資対象といえます。同基金は近く、不動産投資の専用事務所を都内に開設し、1~2年以内に購入を始めるようです。投資額は数千億円になる可能性があり、不動産取引の活性化にもつながりそう。海外からの投資の呼び込みに熱心な日本政府には、不動産価値を高める再開発の支援を望みたいですね。投資は、生き馬の目を抜く世界。うかうかしていると、相手はシンガポールなどに逃げてしまいます。

[2015.11.6]
先進国初の中国製採用
 英国が、国内で計画中の原子力発電所に、中国が自主開発した新型原子炉を採用しました。訪英中の中国の習近平国家主席とキャメロン英首相が、トップ会談の後、明らかにしました。中国製の採用は、先進国では初めてです。原発開発でも、中国は日本の強力なライバルになりました。

 採用するのは、英国の南東部・エセックス州にある「ブラッドウェル原発」。中国が「華龍1号」と呼ぶ新型原発を使います。フランスから技術供与を受けた中国国有大手の「中国広核集団」(CGN)など開発した原発ですが、現在では、主要部品の国産化率が85%を超えるといいます。建設には「フランス電力公社」(EDF)が加わるものの、事業全体は中国が主導。近年、"蜜月時代"にある中国と英国の関係をまさに象徴するような契約です。

日本はかつてのお株を盗られている?
 中英両国は、英国中部につくる高速鉄道2号線などで企業間連携を拡大することでも合意しました。ビジネス案件は広範囲で、ロイター通信は「総額400億ポンド(約7兆4千億円)に及ぶ」と報じています。資源開発でのアフリカ、新幹線でのインドネシア、そして今回の英国と、日本は、出し抜かれている観があります。中国は、今回の実績を全面に出し、かつては日本のお株だった、新興国へのインフラ輸出でも一気に攻勢をかけてくるでしょう。

 外交力、価格競争では分が悪い。敵失を期待するわけにもいかない。そんななかで、日本企業は、技術と安全性を磨き上げ、独自の闘う土俵をつくらなければなりません。福島第一原発事故を"負の遺産"とせず、次世代に生かす政治的なアピールも打ち出していきたいものです。

[2015.11.5]