ZEN房総博物館

ZEN房総博物館

シーカヤックやマウンテンバイクツーリングなどアウトドア活動で出会ったものたち。
主に房総で活動していますが、興味深いものたちであふれています。
HP http://zenjp.com メアド infoアットマークzenjp.com

 私が作ったネコザメのアゴ標本がNHKの番組に使われました。
NHKのEテレ、「ギョギョッとサカナ★スター」のスタッフが借りにきました。
さかなクンの番組でサメの特集です。2021年8月10日(火)午前9時からの、NHKのEテレ、

 


 番組ではネコザメのアゴの詳しい解説は省かれていました。
その時のアゴのラインナップはアオザメ・イタチザメ・トラフザメ・ネコザメが台の上に並んでました。
TVの解説は恐ろしげな、いかにもサメの歯といった感じのアオザメとイタチザメのみで、他は省かれました。
おそらく他もサカナ君の解説収録があったろうけれどカットされ、番組の構成上、一般受けするサメの料理の方に時間を割かれていました。
 


 放送されなかったサカナ君の言葉が自分にはわかりますー。
★トラフザメ
 小さな歯がビッシリ生えてます。これを選んだ理由は、サメの歯の発生がいわゆる歯ではなく、皮膚から進化したという説からです。
サメの皮膚は硬い循鱗(じゅんりん)で覆われています。歯と同じエナメル質で出来ていて、尾に向かって尖っています。
サメを尾に向かって撫でると滑らかで、逆には引っかかりがあります。
効率よく泳ぐのに有効で、応用した競泳用水着がオリンピックで話題になりましたよね。
ヤスリの代わりに使われたり、刀剣の柄の滑り止めグリップとして使われたりしていました。
高級ワサビおろし金(ガネ。金属ではないけど)もサメ皮ですね。
で、その循鱗(じゅんりん)を顕微鏡で見ると、トラフザメの歯の並びそのものです!!
 皮膚からの進化を裏付けるようなアゴなのです。
皮膚だったらサメの歯がどんどん抜け替わって更新されることに合致します。それを解説したかったと思われます。
(自分も人に説明する時に使ってますから^^;)
トラフザメは美しい模様(虎斑とらふ、と言いながらヒョウ柄ですが)で優雅に泳ぐ水族館で人気のサメです。



★ネコザメ
 サメは主食によって歯の形がまったく違います。
恐ろしげなサメのアゴに対して、草食とも言うべきネコザメの歯を選んだのだと思います。
ネコザメの主食は貝やウニなので、磨り潰すように石臼のような歯で、いわゆるサメのアゴとは違った形態です。
小さいアゴですが、85cmのネコザメから取りました。
ネコザメのアゴ製作はこちら
写真のアゴはZEN所有
 



 2021年5月22日放送のNHKブラタモリで鋸山のことをやってたけど、大きな誤りがありました!
鋸山は太平洋プレートの圧力からの褶曲で生まれたのは間違いない。
褶曲で出来た山というと、盛り上がったカーブの山のとこの背斜(はいしゃ)を想像します。番組でのイラスト解説もそうだった。
そこに誤りが!





 実は鋸山は褶曲が谷のように下へのカーブ向斜(こうしゃ)の部分に固い地層があって、周りが削られて残った地形なんだな。
だから実際はもっと巨大な山だったかもしれない。
(模式図のピンクに塗ったトコのイメージ)

鋸山が東京湾に没する明鐘岬、ピンクに着色した部分が山頂部。




 鋸山は特殊な山で、周辺麓から(横から、南と北から)見ると鋸の屏風のように見えるけれど、縦から見ると(長軸方向から)こんもりした山に見えます。
写真は東の高宕山からの遠望。丸っこいのが鋸山。ぜんぜん鋸山に見えない。みんなに言ってもニワカニは信じられない。山脈状の細長い山です。


硬い岩盤だけが浸食を免れた山なのです。
その岩盤が切り出されている房州石なのです。



明鐘岬の沖からカヤックで鋸山を見るとこんな感じ、よーく見ると左右の地層がそれぞれ右と左に画面中央に向かって傾いてる向斜構造がわかる写真。

ZENのマウンテンバイクツーリングやシーカヤックツーリングではそんなことも解説しながら房総の奥の奥に行ってます。



 地層の傾きへの圧力はスゴイもので、ジワジワ圧力がかかって、そこにあった化石も大きく変形してしまいます。
鋸山周辺での大型の巻貝オキナエビス化石もこんなに潰され変形していた。
オキナエビスのフィギアはエポック社「地球生命紀行 生きた化石シリーズ」。深海に棲む原始的な貝なのです。
現生標本は館山沖の東京湾海底谷で取れた物。

 今回番組の鋸山の解説の先生は地学の方ではなく、考古学者先生でした。
一般的に考古学者と地質学者・古生物学者(化石)を混同しているけれど、「考古学は、遺跡・遺物によって人間の過去を研究する学である」という定義で、言わば文系です。
地質学や古生物学は理系です。なので畑がまったく違うので、褶曲で出来た山は盛り上がった物と認識するのは常識的な範囲です。
ところがそうじゃない、ってところに地学の面白さがあるのですね。
同番組は地学の面白さを紹介してくれてる稀有な番組なので、今後も楽しみにしています。
 

 


「海と太陽とサメ」を読んで
ユージニ・クラーク 河出書房新社

  オリジナルの題は「The Lady and the Sharks 」ユージニ・クラーク著
日本語訳書「海と太陽とサメ」 河出書房新社
女性海洋生物学博士ユージニ・クラークが12年過ごしたフロリダ西海岸での研究の日々
を綴ったもの。

  サメキチとして、勉強になった箇所ネタバレを書きます。
また、日本語訳書で、サメの英語名と日本語名との混乱やミスがあるので勝手に訂正し
たいと思います。

 舞台となったフロリダのフィールドのただ中にある研究所というのが、彼女の最初の
著書「銛を打つ淑女」のファンの大富豪が提供してくれたもの! 研究者としては夢の
ような話しじゃないの!
 そもそも、彼女が招かれて富豪の10歳の息子に海の生物の話しをしに行ったのがきっ
かけ。たぶんコチコチの研究者ではなく、彼女の人柄に惚れてのことだと思う。
 富豪のお金の使い方としてはとても素晴らしいね!
IT長者の人たちよ、サカナ君に研究所を!!

 サメを解剖するシーンがたくさん出てくる。科学者の冷徹な眼で描写する。
サメの体内のヒミツ、興味深いことを色々と書いていてくれる。

 サメの胃袋は二つに分かれ、食道のすぐ後が大きく伸び縮み自在な「噴門」。
250kg級のサメでは子供が入ってしまうほどの大きさだ。
そこで消化されて、ドロドロになったのが、それに続く「幽門」を通る。こちらは指一
本分の太さ。
 消化しきれないものを掃除するやり方が素晴らしい。するどい歯を歯茎に引っ込める
と、伸び縮み自在な「噴門」を口から体の外へ裏返しの状態で、海水にさらして胃壁を洗
う。まるでジーンズのポケットの中を掃除するように!



 研究所はオープンなところで、他の研究者もやってくる。研究に来てるのだか、手伝い
に来てるのだか、遊びに来ているのだか、色々な人たちがやってくる。フィールドの中
の研究室は魅力あるからね。
 優秀な外科医が250kgのサメを解剖するのを手伝ってくれた。しかし手術経験豊富
な彼をして、うまく切れないサメの肌。そんな彼に切り方を指導しているのが漁師とい
うのも面白い。
 サメの肌は本当に強靭だ。自分はサメのアゴを取るための道具をシーカヤックに積み
込んでいる。刃物は大型のカッターナイフ。けれどやはり硬いので、口の内側の柔らか
なとこから切り進めないと皮は切れない。
 地元外房の漁師の古老が「サメる」という言葉を教えてくれた。サメは興奮するとま
すます皮膚を硬くして、銛が突けなくなる。そんな状態なのだと。

 他のサカナになく、サメやエイなどの板鰓類(ばんさいるい)にのみある直腸腺。
腸の終わりにあるというそれは、尿素の塩を溶かして、体液の浸透圧を海水と同じにす
る役目をしているそうだ。
通常のサカナの体液は真水に近いという。海軍のサバイバルマニュアルに「もし海で漂
流するような時は、サカナを取り、肉から体液を吸って水分を摂取せよ。」と言われて
いる。でもサメの体液は海水と同じなのでサバイバルには使えないね。

 生物が備える穴について言及される。P45
サメにはナゾの腹孔という穴が一組あるという。
通常高等な脊椎動物ではお腹の中の内臓は外部から遮断されているけれど、サメはお腹
の中に海水に直結する穴があるのだそうだ。
 人間だったら腹腔にちょっとでも細菌が入っても命に関わるような炎症になることが
あるのに大丈夫なのかね?
そういえば自分も数日間、腹孔を持っていた時があったんだ! 盲腸の手術したのだけ
れど、破裂寸前だったので、腹腔内に感染がおきてないか、術後観察用の穴があけられ
、しばらくパイプを突っ込まれたままになっていた。今でも盲腸の傷跡の近くに、小さ
な腹孔の跡が。
 で、当時はその腹孔が何の役目かナゾだった。博士も学生時代から疑問に持っていて
、「もし私が生きたサメを扱うことができるようになったら、この穴をふさいで、サメ
の身体にどんな変化が起こるか調べてみよう」と思っていた。そしてそれをこの研究所
で実践することになる。
 色々なアイデアをトライしてみたようだ。腹孔の発達はサメの泳ぎの習性に関わって
いるらしい。
浅いトコでも深いトコでも、海底にじっとしているサメはそれが無かったり、あっても
小さかったりする。ところが、海の中をあちこちと色々な深さに移動するサメは腹孔が
大きかったり、それの周りの筋肉なども発達しているそうだ。
腹孔が発達したサメでも浅い水槽で何ヶ月も飼っていると、腹孔は閉じてしまうらしい
。水圧を調整するのではないだろうか?

 P84 この本ではサメは世界に約250種類(原書は1969年発行)と書いてある。サメは
毎年新種が見つかってその種類はとんでもなく増えている。
2002年神奈川県立生命の星地球博物館で行なわれた特別展「ザ・シャーク」の時の資料によるとサメの種類は360種。
それが2016年発行の「美しき捕食者 サメ図鑑」によると540種になっている!

 P84 新生代第三紀の絶滅種のカルカロドン・メガロドンについての記述だけれど、
本書では体長30mとあるけれど、最新の資料では15~17mでMax20m(2016年、国立科学博物館:海のハンター展資料)。
 軟骨魚類であるサメが化石として残るのは難しく。歯や棘、一部の石灰化した椎体くらいの化石しか残らない絶滅種の研究は全身骨格の残る恐竜研究よりも難しい。

 ところでメガロドンの学名なのだが、実はダブルネームで論争されている。
・カルカロドン・メガロドン
・カルカロクレス・メガロドン 
学名は簡単に言うと人間の姓名のように、種族・名の構成になってる。
「カルカロドン」は現代のホホジロザメの学名がカルカロドン・カルカリアスからわか
るように、ホホジロザメの直系の先祖とする説。
「カルカロクレス」は直系ではない親戚スジの今は絶滅している種族オトダスの子孫と
する説。
 前述の2002年神奈川県立生命の星地球博物館で行なわれた特別展「ザ・シャーク」の
時の資料は立派な書籍になっていて、色々な先生が書いているが、その一冊の本の中で
も、先生によって「カルカロドン・メガロドン」と「カルカロクレス・メガロドン」と
書き分けられている。
上野の国立科学博物館では「カルカロドン・メガロドン」と表記されている。
この話しをすると長くなってしまうのでこのへんにするけれど、ZENにメガロドンとオ
トダスとホホジロの歯があるので見比べてみて。




 P84 メガロドンの親類と書かれている「大きなシロザメ」とはホホジロザメのこと
。=グレートホワイトシャーク=学名/カルカロドン・カルカリアス
(和名でシロザメと言ったら、房総にもいる大人しいシロザメなので、まったく違いま
すよ)

 84ページには研究所周辺にいるサメのことが出ているけれど、英名交じりなのでピン
とこないので、和名を書きます。
サンドタイガーシャーク⇒シロワニ
サンドバーシャーク⇒ヤジブカ(メジロザメ)
ダスキーザメ⇒ドタブカ
ブルシャーク ⇒オオメジロザメ
レモンザメはレモンザメ。和名はない。
ナースザメ⇒コモリザメ(巻頭の対訳表にドチザメと記載されているけど間違い)
タイガーザメ⇒イタチザメ

 P93 道具を使わせて餌を与える条件付けの実験も興味深い。サメの種類によってす
ぐに学習してしまうものもあれば、学習できない種類もいるそうだ。

 P102 しかし、その実験中に、博士は悲劇を招いたといっているが、不可解なできご
とが起きてしまった。
条件付けのスイッチとなる白い的を黄色く塗ってみた。的を押すとベルが鳴ってエサを
もらえる。
 いつものように的を目がけて突進するも、直前60cmで、突如胸鰭を下げてブレーキ
をかけて、パッと後に飛びさがってしまった。3尾とも異様な雰囲気で狂ったように速
く泳いだり、急にスピードを落として、向きを変える度にお互いに体をぶつけあったり
していた。
さらにその後も、白い的にも近寄ろうともせず、エサも受付けず、体は痩せ細り、しわ
しわになって、体がよじれ、三ヵ月後に死んでしまったそうだ。
 今まで何百尾のサメとつきあってきたけれど、このサメの死は博士にはすごいショッ
クだったそうだ。
 原因については、普段どおりのルーチーンをちょっとでも変えるとパニックになって
しまうのではないか?という考察。行動心理学でそのようなことがあるのかな?
 うーん、黄色く塗った塗料に原因はないのかな?サメは嗅覚も優れているから、そち
らの方からも研究して欲しかった。

 P108 博士らは当然、サメ避けの研究もやっていた。しかしこれがなかなか難しく、
サメの種類によって、まったく逆効果だったりするのだそうだ。
 たとえば、紅海のサメは石を打ちつける音で逃げていくけれど、太平洋のある島では
サメ漁でおびき寄せるのに石を打ちつけたりする。
 電気仕掛けのサメ避け装置を自信げに持込まれたが、試すとレモンザメはかえって遠
くから呼び寄せられてしまったりしたこともある。
 バブルカーテンもある種のサメには有効でも、イタチザメは平気で突破してきたりし
たそうだ。
 サメ避け装置を持込んでくる業者が少なくなく、検証するのだけれど、そのようなあ
りさまなので、時間を無駄に浪費したと書かれている。

 そんな中でも単純で効果的だたのは、スコット・ジョンソンが考案したプラスチック
の袋。人間がその中に入れば、サメは臭いを嗅ぎつけられずに襲われないという。
 
 P110 バスキングザメ ⇒ウバザメ
    クジラザメ ⇒ ジンベエザメ

 現場主義の博士自身が危ない目に遭ったことはあるか?
・スアキン諸島で潜った時、大きなサメにアタックしかけられ、棍棒で追い払う事件。
・7尾のサメに囲まれて、出るに出れずサンゴの陰に隠れて、ボンベのエアーが持ちま
すよう祈った事件。
・4mクラスのイタチザメの歯が腕に刺さって流血事件。もっともこれはクルマの運転
中。急ブレーキをかけ、シートの荷物がずり落ちないように手を伸ばしたら、標本にし
たばかりのイタチのアゴがあって、ザックリやってしまった(><)

 博士は臨月になってもスキューバ・ダイビングしていた。妊娠後期の静脈瘤や足のム
クミは、むしろ30分以上水中にいると足の腫れや全身のムクミもとれて、気分爽快、「
天体の女王様」になった気持ちになれ、4回とも超安産だったという。
 そんな彼女でもビックリしたことがある。博士は来日したことがあり、海女さんと潜
った。
海女さんに産休は無いことにまず驚き!ある海女さんはもう生まれそうな頃、30m潜り
(もちろん素潜り)、
仕事を終え、ボートに戻る途中で水中出産したという!すごいなー!

 博士の子供達は、ベビーの頃から泳がされ、親水性が高められ、研究所を遊び場とし
て育つ。うーん、博士は水棲人間でも作るつもりか?
末っ子は歩けるようになってまもなく、プールの高飛び込み台からダイブして、プール
サイドまで潜水して行き、人々を驚かせていた。さらにわざと水中に留まり、人々が心
配して水に入りはじめると出てくるというイタズラもしていた。
子育てしながら研究できたのも、この海辺の研究所のおかげ。また彼女の子供たちも海
の好きな人間になっていくだろう。

 研究所には世界中から色々な研究者たちが集まる。しかも博士のライフスタイルを見
て、子連れで来たりする。
色々な部位のエキスパートが集まっているので、1匹にサメを解剖して、そこから、脳
の研究者へ、肝臓の研究者へ、腸の研究者へと、部位が分けられて、同時に研究が進ん
でいく。

 サメを解剖だけでなく、生体のままの生理学的な実験もあるので、サメを大人しくさ
せる方法を思いついた先生がいた。サメを酔っ払わせるのである。エタノールを腹部に
注射して20分もすると、サメはまるでヒツジのように大人しくなり、数時間よい気分で
いるのだそうだ。なんとウオッカやジンでも効き目があるという。
 その間に心電図とったり、カテーテル入れたりするそうだ。うーん、酔っ払いの心電
図は正常とは言えないのじゃないかな?血圧が上がっちゃったりするんじゃないかな?
 酔って荒れるサメはいなかったのか?タイガーシャークは大トラにならなかったのか


 P184
「ヤムヤムイエロー」(おいしそうな黄色)

 米海軍の研究によると、サメはライフジャケットなどに使われるオレンジやイエロー
の明るい色に向かって攻撃しやすいことが明らかになっている。実際、ライフジャケット
メーカーに人気のある黄色いものは、研究員から「ヤムヤムイエロー」(おいしそうな
黄色)と呼ばれていた。サメはこの色を発見するとすぐに攻撃してくるそうだ。
 サメは色盲のはずで、黄色という色は認識しないはず。
明るいか暗いかで色を判断していると思う。

 P193 リリウオカラニ女王 (博士の家のメイドのアダナ)
 サメの本でその名が出るとは思わなかった。
 普通の人には馴染みがないかもしれないけど、ウクレレ者の私には即ピンとくる。
ハワイ王国最後の悲劇の女王。
拘束されたハワイ人の命と引き換えに王位を放棄するよう要求され、女王は市民の命
を優先し、退位し、ハワイ王国が滅亡させられた。
 音楽を愛した女王は100を超える曲を作った。その中でも有名な名曲「アロハオエ」
!!
恋人との切ない別れを歌っているのだが、彼女の愛するハワイが奪われ、アメリカ合衆
国に併合されていく悲しみが歌われているのだ。

2003/8月2日のTBS「世界・ふしぎ発見!~ハワイ百年物語」で歌われていたテレ
サ・ブライトの「アロハオエ」が素晴らしかった。

リリウオカラニ ハワイ最後の女王のストーリー

その時歴史が動いた 「幻のハワイ日本連合」


後になってしまったが、冒頭の名称対訳表について
資料(目次前)「サカナとクジラの名前」本文用語・英名・学名・和名の対訳表

・カルカロドン・カルカリアス=XシロザメX⇒正:ホホジロザメ
・ノコギリザメは誤りです。学名からノコギリエイが正しい。
学名Pristidaeとありますが、それはノコギリエイ目ノコギリエイ科 を示すもの。
ノコギリザメは、ノコギリザメ目ノコギリザメ科 Pristiophoridae に属する。
両者は分類学上まったく離れた存在です。
ちなみに見分け方はエラの位置、ノコギリザメでは体の側面にあり、ノコギリエイでは
体の下側にあります。
・ブルザメ=XネコザメX⇒正:オオメジロザメ
cf:ネコザメはブルヘッドシャークです。
サメ名を本文用語として中途半端な英日訳になっているけれど、和名のあるものは和名
表示にして欲しかった。
・クジラザメは普通使わずにジンベエザメが一般的でしょう。
・ナースザメ=XドチザメX⇒正コモリザメ

和名欠落補完
・サンドタイガーシャーク⇒シロワニ
・サンドバーシャーク⇒ヤジブカ(メジロザメ)
・ダスキーザメ⇒ドタブカ
・ブラックティップザメ⇒カマストガリザメ
・ブラックフィンザメ 学名も和名も表記されていないが、たぶんツマグロ(Carcharh
inus melanopterus )でしょう。
・マコザメ⇒アオザメ



フィギアでもノコギリエイ(左)とノコギリザメ(右)のエラの違いは明確に表現されている。
台座にあるのは両方ノコギリザメの歯の化石。白い方は新生代第四紀更新世(30万年前)、濃い方は新生代第三紀中新世(600万年前)。ともに房総産。


 カヤックスクールで海岸に行ったところ、打ちあがってるサメを見つけた。
以前もネコザメの卵殻を見つけたところだ。スクール終了後にアゴを取りに行った。
 パッと見、このあたりに多いドチザメかなあ、と思ったけど、チト違う。

似たもの4種、4兄弟。ドチザメ、ホシザメ?シロザメ?エイラクブカ?
 2018夏の殺人的猛暑の砂浜で焼かれて、かなりミイラ化している。
内蔵はあらかた鳥に食べつくされているようす。
 アゴを取りに来たのだが、自分もミイラ化するといけないので、
まずビーチパラソル立てて日陰を作った。




椎体は一個一個の高さがありますね。
ホホジロの椎体もありますが、もっと平べったいです。


 まずは撮影して、メジャーで身体測定。全長1m3cm。
第一背ビレと第二背ビレがクッキリしている。
両背ビレの先端間寸法27cm。第二背ビレ先端~尾の先まで30cm。
体長のどこに背ビレがあるかも大事。

 さあアゴを取ろうとしたのだが、砂まみれの口まわりに歯が無い??
あれ?誰かに持って行かれたか?? 指でなぞるも引っ掛かりも無い??
 砂まみれでよく見えないので、水を掛けたら、石畳状のザラザラした
粒のような歯が見えてきた。砂まみれだと触ってもわからないような存在感!

 やっぱりドチザメではない。ドチはアゴ標本を作ったので、歯の形はわかる。
エイラクブカは鋭い切れる歯を持っている。
このようなヤスリ状の歯の持ち主はホシザメかシロザメなのだ。
両者に違いは?
皮膚に白い星があるかどうか?
星は無いので、シロザメ確定!

主食が甲殻類や小魚なので、このような歯になっている。
なんだか草食動物の歯っぽい。

しかし、残念ながら、歯の大部分は欠落していたので、
アゴ標本作製は断念した(><)

ホシザメとシロザメは本当によく似ている。
それもそのはず分類上は兄弟みたいなもの。
ホシザメ:メジロザメ目・ドチザメ科・ホシザメ属 ホシザメ
シロザメ:メジロザメ目・ドチザメ科・ホシザメ属 シロザメ
ドチザメ:メジロザメ目・ドチザメ科・ドチザメ属 ドチザメ T. scyllium
エイラクブカ:メジロザメ目・ドチザメ科・エイラクブカ属 エイラクブカ


「ザ・シャーク」生命の星・地球館(小田原)特別展での刊行物から転載
水中を泳ぐ写真ではなく、地上での写真なので、打ち上げられてるサメと
見比べるにすごくありがたい。
見開き2ページにドチザメ4兄弟が載っていたので、とてもアリガタイ。
 右上のドチザメから時計回りに、エイラクブカ、シロザメ、ホシザメ

シロザメ(Mustelus griseus)
メジロザメ目・ドチザメ科・ホシザメ属のシロザメ。
東北地方以南の太平洋岸、日本海岸佐渡以南に生息。
シロザメは全長1m前後の中型のサメ、
性格おとなしい。

外見的にはとても似ているのだが、解剖学的にはとても大きな違いが。
「胎盤を形成するのがシロザメ」「胎盤を形成しない方がホシザメ」だそうです。



 ビーチコーミングの講義では貝の標本の他に、こんな物も持って行きます。
食べることに直結した方が興味を持ってくれるからです。


江戸前寿司で御馴染みのアカガイ(赤貝)
昔は安かったそうですが、最近は高級食材です。
これはお寿司は食品サンプル。
浅草のかっぱ橋道具街のサンプル屋で買ってきました。
サンプルは本物のお寿司一巻より高いですね。

 

くわしくは「アカガイ」のページで



赤貝の缶詰!
美味しく味付けされた缶詰です。
赤貝と銘していますが、実はサルボウガイが使われています。
食品偽装と言う無かれ。
ちゃんと缶の裏には『原材料、アカガイ亜属のサルボウガイを使っています』と書かれ
ています。
ちなみにパッケージの貝のイラストの肋を数えてみると・・・・。
んんー。38本くらいかな。サトウガイですね^^
イラストレーター氏はサトウガイをモデルに描いたのではないでしょうか。

 

詳しくは「サルボウガイ」のページで


 

 
 赤貝の仲間の標本をまとめてあるのだが、まだ持ってないハゴロモガイないかなーと
、いつもアンテナを張ってます。海岸でもそうだけれど、貝のあるお店でも。
 ハゴロモガイ:やや横長、肋(=ウネ=スジ)28本。


			

 先日市内の100円ショップに行ったら、夏のインテリア用に貝がありました。よく見
ると、中に赤貝の仲間がいるではないですか!
 もしかして?? 肋を数えます! あれ? 22本!? ハゴロモではないけど、何か
な?
アカガイ42本、サトウガイ38本、サルボウガイ32本、ハゴロモガイ28本、ハイガイ16本、何だろう??
とりあえずGetして、早速図鑑で調べてみました。


ホソウネハイガイ
Tegillarca nodifera
台湾以南に生息。沖縄でも難しいか?南の海のものだね。
生息場所:潮間帯-10mの泥底
肋は22本前後
ウネ(肋)の上に顆粒がブツブツ。赤貝の仲間では最も顆粒が際立った種です。

			
 カヤックツアー中、ドチザメが上がってました。
房総では一番よく見かけるサメです。

 さっそくアゴを外しました。



 アゴ外し道具を持って出かけています。
カヤックツアー中、サメを見つけることはたまにあります。
一期一会の出会いです。
道具が無いため、泣く泣く見送ったこともあります。
なかなか一体丸ごとは持ち帰りにくいですからね。

・手袋は最初薄いラテックス製の物を使ってましたが、すぐに破れてしまうので、ゴツイ耐油グローブです。
・マイナスドライバーブレード、コジったり、刺して内部のアゴの輪郭をつかんでから切るのに便利です。
・カッターは大型の刃のもの。サメは硬いのですぐに切れなくなります。
・蟹スプーンは肉を削ぐのに使うので、通常のデイツアーで現場で使うことはないです。
無人島キャンプツーでは現場で削ぐことになります。



 今回はネコザメの時と違って、一晩水に漬けて置きました。
その方が肉がふやけて取りやすそうですねー。





 今回は蟹スプーンのエッジに刃を付けてみました。
ヤスリで削ったのです。



 蟹スプーンのフォークの又の方も、細い棒ヤスリで削って刃を付けました。
腱を切るのにいいです。



 ひたすら肉を削ぎ落とします。
薬品処理した後の方が取りやすいので、ここは大まかでOKです。




 パイプクリーナー。塩素系がいいです。
 ネコザメの時は、5倍希釈で3時間でしたが、もっと泡が立ってましたね。
分量は目分量(^^;) おまけにその時は8月で気温が高く、化学反応も活発だったでしょう。
今回12月で寒いですから、5倍希釈で4時間やりました。
 漂白され、タンパク質が分解されます。
 その後、一晩水にさらして、ヤク抜きます。





 肉削ぎに使った道具、カッターナイフ、改造した蟹スプーン、毛抜き




 毛抜きはかなりシッカリした物。かなり力を入れます。先端も鋭い! 資生堂製


 仕上げに細かい肉や腱を引きちぎる。今回コレでひつこくやったので、乾燥時の悪臭がかなり軽減されました。



 乾燥前の完成図。サメのアゴは軟骨です。水分をかなり含んでいるので、これから乾燥させると、変形してしまいます。
 アゴの中の水分を樹脂に置換して変形を防ぐという高度な技術があるそうでうが、設備や薬品入手の困難さを考えると、アマチュアにはかなりキビシイものがあります。





上顎 副咬頭のある山型の歯です。
噛み切ると言うよりは捕捉するための歯ですね。
 同じドチザメ科で姿の似ているホシザメやシロザメは、エサを磨り潰す様なもっとヤスリのような歯。
 同じくエイラクブカはもっと薄く、切縁が発達して、エサを食い切るような歯です。
それらも標本にしたいですねー。
いつか出会えるでしょうー。


 下顎


 乾燥は変形との戦いです。
餅網に固定します。ネコザメの時は針金でしたが、今度は幅広のタイラップ。
テンションを調整しやすいです。
今回12月下旬で空気が乾燥しているのでかなり早く乾きました。
無料Webサービスには広告が付きものですね。
内容に即した商品が表示されるのですが、
ネコザメの歯だとかアゴだとか書いていたら、
この通り(^^;)
入れ歯の広告(^^;)




いくらなんでも・・・・(^^;)
それともサザエの殻もバリバリ砕いてしまう、ネコザメ歯の入れ歯を作ってくれますかいね?


ネコザメ
●ネコザメ目ネコザメ科
●英名: Japanese Bullhead Shark
●学名:Heterodontus japonicus
●地方名:サザエ割り
●体長: 1~1.2m 
●分布域:日本では本州以南、朝鮮半島から東シナ海の沿岸海域 
●生息地:水深100m以浅の岩礁や海藻の生えた海底
●餌:貝類、ウニ、甲殻類
●繁殖:卵生



 鴨川産の85cmの固体です。
 三頭身かというくらいズングリと愛嬌のあるネコザメ君。
とても高速で泳ぐような体型ではありません。海底で這う様に過ごしています。
沿岸にどこでもいるようなポピュラーなサメです。
たいていの水族館にいるし、温厚な性格で、水族館でもさわれるサメとして活躍しています。

 飼育も難しくないようで、ペットとして飼われてるのも珍しくないです。
癒し系の鮫として人気があるようです。

手からエサ食べるネコザメの動画へリンク




眼上隆起をネコの耳に見立てたのが名前の由来とされてるけど、そうは見えない(^^;)。
英名(Japanese bullhead shark)ではそれをウシの角に見立てていますが、まったくそう見えないんですけど(^^;)



 大きな2つの背ビレの前縁部分にそれぞれ棘(きょく=トゲ)があります。
大きなサカナに襲われないようにある護身の武器ですね。
下のように、けっこう長くて、背骨くらいまで伸びています。標本に皮を残していますが、あそこから下がヒレの中のトコです。



  実は防御用棘に特化した棘魚類という種族が古生代にいました。
魚の進化、最初はヤツメウナギのようにアゴのない無顎類がサカナの全てでした。その後にアゴのある魚類が誕生すると、小さいサカナはパックリやられるリスクが出てきました。
そして防御のための棘を持った棘魚類が誕生。
 しかしその種族は絶滅して今はいません。でもネコザメ君のこの防御棘はかつての棘魚類を髣髴とさせる立派なモノです。
 アゴのトコで説明する3つ歯といい、ネコザメ君は古いタイプ魚類の特徴をそのまま持った生きてる化石ともいわれるサメなのです。


卵生で、ユニークなドリル状の卵を春から夏に産み付けます。
卵に関しては別のコラム参照。それも鴨川産です。

棘魚類に関してはここのページが詳しい 
古世界の住人http://ameblo.jp/oldworld/の棘魚類コーナーにリンク




ネコザメのフィギアを集めてみました。



カロラータ社「立体図鑑シャークボックス」シリーズ 
軟骨魚類独特の体全体をクネらせての泳ぎが再現されてます。


エポック社「 地球生命紀行 サメ・エイ」シリーズ
のほほん表情がいいです。
頭でっかちぶりの比率がいいですね。
台座には学名のみ。


タカラトミーアーツ社 「不思議生物大百科 大海の捕食者 サメ」 3種から
胸鰭が細長すぎます。もっと大きな三角形。
でも背鰭と棘の描写は3種の中で一番です。
台座には和名・学名・分布。
 ネコザメの卵はラセン状のヒダがあって、ドリルみたいです。
大きさは手の平サイズ。

 質感は柔らかい時も柔らかい昆布だし、乾燥して固くなってもそのような昆布みたいです。


フィギア:カロラータ社「立体図鑑シャークボックス」シリーズ 
実際はフィギアよりも大きなスケースです。

 鴨川の前原海岸で、シーカヤックの講習をしてる時に拾いました。
ネコザメはそもそも前原海岸のような砂浜の海よりも岩場とか海中林のあるようなとこを好みます。
なぜここに?
テトラポットの間に住んでいるのでしょうね。




卵は割れるのではなく、ここから出てきます。

 なんでこんなに生みにくそうなカタチしてるの?
お母さんはたいへんそうですよね。
 岩の間や海草の間などに固定されやすくなる…という説があるようです。
母ザメが産卵直後に卵を口でくわえ、岩の隙間に押し込めるという説もあります。

 孵化期間は1年間。人間より永いです。
 ナヌカザメのコーナーで説明したように、胎児は一年間カプセルの中で過ごして、生まれる時は、すでにいっぱしの捕食者として出てくる。

 一年間の食料はどうするの? これもナヌカザメと同じで、
胎児の腹部についた卵黄からエネルギーをとって過ごすのです。


ネコザメの産卵動画リンク