私が作ったネコザメのアゴ標本がNHKの番組に使われました。
NHKのEテレ、「ギョギョッとサカナ★スター」のスタッフが借りにきました。
さかなクンの番組でサメの特集です。2021年8月10日(火)午前9時からの、NHKのEテレ、
番組ではネコザメのアゴの詳しい解説は省かれていました。
その時のアゴのラインナップはアオザメ・イタチザメ・トラフザメ・ネコザメが台の上に並んでました。
TVの解説は恐ろしげな、いかにもサメの歯といった感じのアオザメとイタチザメのみで、他は省かれました。
おそらく他もサカナ君の解説収録があったろうけれどカットされ、番組の構成上、一般受けするサメの料理の方に時間を割かれていました。
放送されなかったサカナ君の言葉が自分にはわかりますー。
★トラフザメ
小さな歯がビッシリ生えてます。これを選んだ理由は、サメの歯の発生がいわゆる歯ではなく、皮膚から進化したという説からです。
サメの皮膚は硬い循鱗(じゅんりん)で覆われています。歯と同じエナメル質で出来ていて、尾に向かって尖っています。
サメを尾に向かって撫でると滑らかで、逆には引っかかりがあります。
効率よく泳ぐのに有効で、応用した競泳用水着がオリンピックで話題になりましたよね。
ヤスリの代わりに使われたり、刀剣の柄の滑り止めグリップとして使われたりしていました。
高級ワサビおろし金(ガネ。金属ではないけど)もサメ皮ですね。
で、その循鱗(じゅんりん)を顕微鏡で見ると、トラフザメの歯の並びそのものです!!
皮膚からの進化を裏付けるようなアゴなのです。
皮膚だったらサメの歯がどんどん抜け替わって更新されることに合致します。それを解説したかったと思われます。
(自分も人に説明する時に使ってますから^^;)
トラフザメは美しい模様(虎斑とらふ、と言いながらヒョウ柄ですが)で優雅に泳ぐ水族館で人気のサメです。
★ネコザメ
サメは主食によって歯の形がまったく違います。
恐ろしげなサメのアゴに対して、草食とも言うべきネコザメの歯を選んだのだと思います。
ネコザメの主食は貝やウニなので、磨り潰すように石臼のような歯で、いわゆるサメのアゴとは違った形態です。
小さいアゴですが、85cmのネコザメから取りました。
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写真のアゴはZEN所有