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日本の政治経済の現状(17-1)トランプ大統領

 なんとも潤いのない人物がアメリカ大統領になってしまった。トランプ大統領の就任演説を絶望にも等しい感覚で聞いた人は少なくないはずである。雇用を増やし、軍隊を強化し、関税障壁を高くし、アメリカという国を強化するという主張である。殆どの項目が他国から見ればアメリカから挑戦状を突きつけられたのと同じといってもよい内容である。メキシコやアラブに対してあからさまに敵対的な発言を堂々とやる。日本や中国はアメリカの富を奪い続けてきたとイチャモンを付ける。米国大統領としていかなる理念や哲学でアメリカを率いていくのかという政治家として最も重要な事項について全く語ることがなかった。全く乾ききった演説であった。

 

トランプ氏の祖父がドイツの東部から移民としてアメリカにわたってきたのは1890年代でNYの貧困街に住み着き、不動産業のまねごとを始めた。始めは近所の貧しい住民に不動産を担保に取り少額の金を貸し、金が返せなかった住民から土地を取り上げるという手法で少しずつ土地保有を広げていった。トランプの父親の代になって、祖父から引き継いだ土地を統合し、いわゆる開発事業を展開、かなりの成功をおさめNY中心部にも進出を果たしたのである。トランプは三代目でNYの5番街にタワーを建てるまでに事業を発展させた。まさに祖父の夢を実現したといえる。

不動産業は他の事業と違い、土地の供給が限られているという点から、土地の奪い合いが激しく、その過程においてかなり悪辣な行為が見られるのである。その激しい戦いに勝ってきたのがトランプ一家である。70歳になるまで勝ち抜いてきた人生が「潤い」ある人生であったはずがない。只々相手を負かし、土地を「ぶんどる」のが人生であったと容易に想像できる。

 

トランプ氏が大統領になって、アメリカは争いを好む国になってしまった。翻って日本はどうだろう。トランプと同じように「潤いのない」政治が進みつつあるように思える。深く思索する政治家が減り、国民に数字だけよく見せればそれが政治だと思っているような政治家が多くなっていないか。例えば、札を刷って株を上げるのが政治と思っているような政治家が国を司っていては日本国民の良識が失われていくのでないかと恐れている。世界中の国民が「潤いのある」政治に戻すよう選挙の際候補者の教養を含めた人物像をよく見極めるべきと思う。

 

(了)

日本の政治経済の現状(16-26)安倍政治は末期的症状

  マスメデイアは安倍政治が末期的状態になっていることを知っていながらそうは書かない。オスプレイが明らかに「墜落」したのに「不時着」と書く。プーチン招待外交がはじめから何らの結果を齎すはずもないのに「北方領土」があたかも返還されるがごとく喧伝する。

何が末期的か。

 

1.アベノミクス(と名つけるのもおこがましいと思うが)は完全に失敗。

「市場に大量のお金を流せば」物価が2%上がり経済が2%成長し、長い間続いた「デフレは脱却」は出来ると言い続けてきた。450兆円のお札を刷りつづけてきたが、いまだその兆候もない。アメリカかぶれの浜田宏一氏をはじめ、黒田日銀総裁、岩田日銀副総裁らのリフレ派とやらの甘言に乗って450兆円浪費しても金融緩和策を見直さない安倍政権は経済運営において完全に間違っている。下手にアベノミクスなどと命名されたので今更引けないのではないか。クロダノミクスとでも変名してから、自民党二階幹事長が好きな言葉で「打ち方ヤメ」といえばよい。さらに言えば、カジノ法が成立してギャンブル依存症対策法を作るべきだとの声があがっている。

パチンコ、競輪、競馬などにおぼれた人たちがいる。しかしもっと大変なギャンブルにドップリと浸かっている人たちがいる。ごく少数であるが多額の金を刷って(すってしまった)国債や株を買った人たちがいる。上記したリフレ派の一握りの学者、日銀幹部、それに乗ってしまった安倍政権である。アベノミクスは壮大なギャンブルであったといってよい。この金融依存症を早急にやめないとこの残滓を除去するのに何十年と掛かるのである。つぃでに言えば原発もギャンブルである。福島第一原発の廃棄に費用21兆円(今の段階でありさらに増大する可能性がある)と気の遠くなるような金額がかかり、10万人もの人たちが故郷を捨てざるを得ない結果をもたらした。民の依存症を心配する前に政府によるギャンブル依存症対策法を成立すべきである。

 

2.経済成長をカジノ場に求める低次元政策。

アベノミクスで経済は成長するはずであったが成果は出ていない。カジノ法をゴリ押しで法案を成立させ経済成長のより処とした。何につけ安きにつくこの政権の特徴をよく表している。アベノミクスの失敗は政府がやるべきいわゆる3本の矢が発せられないどころか初めから実行する気がなかったからではないか。その一つの例が農協改革である。小泉進次郎が頑張ってみたが自民党内の既成勢力に反対され何も進まなかった。

財政改革、公務員改革、規制改革などを進めて経済成長を図るべきであるのにカジノ場開設という安きにつく方法で経済成長を図るのはいかにも安倍政権らしい次元の低い政策である。一事が万事自民党は既成勢力に選挙の際お世話になっている故、構造改革、規制改革などできないのであった。

都議会における公明党の判断は既成勢力が作り上げた構造を変革するモチベーシヨンとなり、国政にも影響を及ぼしてゆくのではないかと思われ今後の進展をウオッチしてゆきたい。都政が国政の壁をぶち破るのである。

 

3.外交政策の失敗。

 前回のブログでロシアの熊に気を付けろ。訪日しても何もお土産はなくむしろ日本から金をとって帰るので安倍首相は十分気をつけるべきと書いたが、結果は全くその通りとなった。シリアでアサド政権を支援しているロシアの大統領を温泉に招待する日本について世界はどのように見ているか。市民がアサド政権軍に殺されている現在日本はアサド政権の虐殺を支援しているのかと見られても仕方がない。この時期にプーチンを呼ぶべきではなかった。16回会って「ウラジーミル」と親しげに振舞っても、彼から見れば「安倍さん」であって「シンゾウ」ではない。むしろ安倍首相が「ウラジーミル」といえば言うほど違和感を持つのは筆者だけであろうか。

安倍首相がロシア語に堪能で通訳なしにファーストネームで呼ぶのなら親近感も醸成されようが、通訳を介しての会話では無理がある。オバマ大統領に会う時もファーストネームで呼ぶべきだはないだろう。安倍首相が英語ペラペラで自然な感じで「バラク」となるならよいが通訳を介しての会話ではファーストネームを使うのには無理がある。前回のブログでも書いたが金メッキのゴルフクラブを携えてトランプを訪問したのも腰が軽すぎる。

来年1月20日正式に大統領に任命された後、この新大統領バッファローが何をするかよく見極めてから行動すべきである。民間会社の営業部員でもあるまいし、一国の首相がのこのこ何処でも顔を出せばよいというものではない。外国に出かけて行くことで国民の目がアベノミクスの失敗に目が向かないようにしているのではないか。マスコミや国民の中にも安倍首相が専用機のタラップから降りて来るのを見て「よくやってますね」と言う向きがあるのは情けないことである。マスコミは何をしに行くのか、してきたのか内容を厳しく評価し報道するべきである。 (了)

 

 

日本の政治経済の現状(16-25)Bull & Bear

Wall街にBullBearが居ることは周知のとおりである。

国際政治の舞台でもBullBearがいる。米国次期大統領トランプが猛牛でロシアのプーチン大統領が熊である。

トランプ氏の姿や言動を見ていて北米の平原を疾走するバッファローを思い起こす人は少なくないだろう。猛牛は直線的に目的に向かって走りあまり横道にそれることがない。それだけ取りこぼしも多いのである。TPPへの参加中止表明にしても捨てるメリットだけ見据えることはするが捨てることによるデメリットには目もくれない。一事が万事これと決めれば直線的に進んでゆくのが

トランプ政権ではないか。ゆくゆく脇が甘いところが見えてくるに違いない。

 

一方のプーチン大統領はBearである。Bearishといえば往々にして「弱気」と訳されることが多いが、実際の熊は「慎重だが有利と見れば一気に戦いにでてくる」習性がある。第2次大戦日本が敗戦に追い込まるのが確実だとみるや満州になだれ込んできたのを見てもいかにこの北国の熊が慎重かつ用意周到かがわかる。熊に遭遇したら「死んだふりすれば大丈夫」という説が今は否定されている。死んだふりをしたら、熊に食べられてしまうのである。熊に襲われた鮭は死んだふりなどはしない。身をかわして必死に逃げている。

 

さて、安倍首相は金メッキのゴルフクラブを担いでトランプにさっそく会いに行ったがこの猛牛は自分がこれから猛スピードで突進してゆくべき目標に向かって駆け出すべくエンジンをふかしているところだから、50万円のゴルフクラブなど見向きもしないのである。陳腐な発想の外交官が思いついたのか猛牛の油絵でも持参したほうがトランプは喜んだかもしれない。日本政府がトランプ政権とうまく付き合うにはアメリカが取りこぼした問題を提起し解決してポイントを稼ぐことにある。この猛牛と横綱相撲をする必要はない。猫だましや横に飛ぶなど多彩な手を使って当分の間新政権の政策を見てゆく必要があろう。猛牛は走り疲れて急停止したり、巨岩の前で立ち尽くすことがある。疲れる前に速度を緩めたり巨岩を避けて回り道をすることなど余り考えないのがバッファローである。日本がソフトな思考でこの猛牛と付き合ってゆくのがトランプ政権と良い関係を構築できるポイントではないかと考える。

 

一方のロシアの熊とは相手が熟慮遠望な相手だけにこちらも緻密な戦略を以て交渉すべきである。安倍首相が15回会ったので「北方領土について何らかよい回答があるのではないか」との希望的観測を述べている人もいるがそう甘くはない。15-16日のプーチン訪問では経済協力で日本が金をとられる話だけが出てくるに違いない。熊は想定外の動きに驚いて逃げる。もともと慎重であるからである。例えば熊に遭遇した時もし傘を持っていれば傘をパットと広げれば逃げる習性がある。人間だと思っていたのが全く違う動物が出てきたと思い逃げるのである。小さい猫にしても飛び上がって威嚇すると熊は逃げる。

日本が「北方四島はしばらくいりません。それどころか、いま日本は北海道の人口減少問題が大変でJR北海道では30%が大赤字で路線廃止になっています。北海道ですらそんな現状ですから。四島のインフラがロシアの投資でよい状態になったら考えましょう」といって一度引く手があるプーチンが考えていない想定である。実際、日本に返還されても歯舞や国後に移住したい日本人が出てくるであろうか。観光にしてもリピーターが出てくるとも思えない。押すだけではなく引く手も必要である。   (了)