新刊が出るたびに真っ先に
私が本を手にした
女流作家さんがいます。
彼女は当時バブル経済真っ只中に
人気のカタカナ職業のコピーライター。
お嬢様や女子大生ブームの中に、
ちょっとイケテナイ
山梨から上京した女子大生キャラと
自虐的なエッセイで大ブレークした方です。
人気女性誌のanan などに連載を持ち、
ちょっと底意地悪そうな斜め目線での
人物観察や自虐ネタ
つい、クスクス笑ってしまう・・・
のちに直木賞を受賞され、
エッセイとはまた違った、
深みのある文章や、
表現の美しさ、
人の心に突き刺さる
人間関係のストーリーに、
私は食い入るように彼女の著書を読み、
憧れの女流作家さんでした。
久しぶりに彼女の長編小説を
手にしています。
林真理子さんの小説に登場する20代の女性はまさに今を生きる20代の女性目線。
こうした人物描写や表現は、
どの時代の彼女の小説でも、
実在のモデルがいるのかなあ、と
時折、小説の域を超えて現実と錯覚してしまうことがあります。
まだ100ページほどまでしか読んでいませんが、弱小ブランドでファッションデザイナーとして働く主人公が、
様々なタイプの男性との付き合いから、
やがて自分の野心に気がついて行くというストーリーです。
この小説に登場する、
主人公の女性に関わりのある男性たちが
なんだかどの人も曲者ばかり・・・
23歳の女性といえば、家の娘の世代でもあるのだけど、
日本の23歳はこんなにも
大人びた恋愛、
もしくは危なっかしい恋愛を
しているのかあ、と、
なんだか母親目線で心配になってしまう。
とはいえ、まだ23歳の主人公。
仕事も恋愛もアグレッシブに
攻めて行く年代ですよね。
林真理子さんの小説には、
一筋縄ではいかない
複雑な人間模様が入り混じって、
複数の登場人物たちとやがて、
カオスなぐちゃぐちゃ感を呈し、
最後はバーンと幕切れする
凄まじさがあって、
麻薬のようにクセになります。
かつてバブル真っ只中の
六本木ロアビルの
某ティールームで、
何かの打ち合わせ中だった
林真理子さんを
お見かけしたことがあります。
あの時本当に一言でも
お声をおかけしたかった私。
そんなバブリーな当時の六本木を
ふと思い出したりするのでした。