二人の夏休み~いつも忙しい君だから~ side 翔 #10 | Crazy Moon -ふたばのブログ(仮)-

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はじめに……
第10話は、彼女サイド(にのわんこROOM)と異なります。
時間系列からいうと、彼女サイトを読んでから、こちらを読むことをオススメします。
ちなみに、彼女サイトを読まなくても、話は繋がりますのでご安心くださいな。

では、翔サイド、どうぞ~

*****


あっという間に眠りについて、どれくらい経ったんだろう。


「‥‥‥‥Zzz‥‥‥‥」

『‥‥夏海‥‥?』

「‥‥‥‥Zzz‥‥。」


ふと窓からの心地よい風に目を覚ますと、彼女はテーブルに寄りかかるようにして、寝息を立てていた。


ふっ
『‥‥寝てんのか‥‥?』

「‥‥‥‥‥‥。」

『んーっ!!』


伸びをする。

ふぅ‥‥


オレは起き上がって、彼女の顔を覗いた。


『‥‥泣いて、、た?』


彼女の頬には、涙の痕があった。


オレはそっと髪を撫でた。


「ん‥‥。」

『そうだよな‥‥そんだけ、夏海には負担かけてんだよな‥‥』

「‥‥。」


静かに彼女の髪を撫で続ける。


「しょ‥‥ちゃ ん‥‥」

『…ん?起きた、、か?』


オレは髪を撫でていた手を止めた。

すると、彼女は目を閉じたまま、小さく呟いた。


「ふふっ。‥‥すぅ‥‥きぃ‥‥‥‥Zzz‥‥。」


寝言か…

そんなこと、寝言で言わなくたって…



『ったく‥‥知ってるっつうの。』


それからしばらく、オレは彼女の寝顔を見つめていた。



愛しくてたまらなくて…

でもこうしている事が、なんだか儚い夢のようだ…


このままずっと彼女には、オレの傍にいてほしい。


それは叶うのかな…

好きだって気持ちも、ずっと続くのかな…


オレだって、色々、不安になんだよ?


『夏海は…ずっとオレの傍にいてくれる?』

「……zzz」

『オレのこと、好きでいてくれる?』

「……zzz」


眠っているから返事なんかあるわけもなくて…

ただ、不安だけが募っていく。



『…夏海……オレの願い、聞いてくれる?』


眠っている彼女の髪を撫でながら、オレは小さく呟いた。


そう、これから…

オレの勝負の時間が始まるんだ…