フロントで湿布と氷をもらって、部屋に戻る。
『氷と湿布、もらってきたから。』
「‥‥ごめんね?」
『ごめんね?じゃなくて‥‥ありがとう、の方が嬉しいけど?』
「‥‥/// ありが と。」
『どうたしまして。つめてぇから、我慢しよろ?』
オレはふっと笑うと、彼女の足に氷の入った袋を包んだタオルを当てた。
「うん‥‥ひゃっ!!」
『あははっ!なんつー声、出してんだよ!?』
「もぉー!だって冷たいんだもん」
『だから、冷てぇよ、って言ったし。』
「言ったけど‥‥思ってるよりも、冷たかったんだもん‥‥」
頬を膨らませる彼女と、そんな彼女を見て笑うオレ。
なんか、こんな風景もいいな。
『んー‥‥しばらくは動かさないほうがいいよな?』
「‥‥。」
『んじゃ‥‥これ。』
オレはテーブルから、さっきもらったチケットを取り、彼女に差し出した。
「‥‥なんで??あ。翔ちゃんも してほしいの? 氷‥‥あてる?」
『ぶっはっ!!おまえなー!?』
「だって。汗‥‥すごいよ?」
『あー、わかった?』
「翔ちゃん。ただでさえ汗っかきだからね。」
『うっせーな。相葉くんほどじゃねーわ。』
思考回路!
夏海の思考回路がたまにツボにハマるんだよな(笑)
氷を当てて、オレがなんの癒しになんだっつーの(笑)
それからオレはテーブルに置いてあったうちわを手にして、彼女に差し出した。
『‥‥はい、これ。あおいでよ?』
「はいはい。お安い御用ですよ♪」
パタパタ‥‥
「はい。‥‥どお?こんな感じ?」
『ん~、いい風。』
オレはうちわからの爽やかな風で眠くなる。
そして畳に横になった。
「もぉ(笑) 子供みたい」
『畳の上で こんな贅沢‥‥ねぇな‥‥』
「いいよ?寝て‥‥。」
彼女はオレの横に座った。
ゆっくりうちわで扇ぎながら、ふっと優しい笑顔を見せた。
「ご飯になったら、起こしてあげるね。」
『んー‥‥じゃぁ‥‥』
オレはそう言うと、チケットを一枚、彼女に差し出した。
『膝枕。よろしく。』
「膝枕?」
『こっちの足は平気だよな?』
「うん‥‥。」
『んじゃ、失礼しまーす。』
「はい。どぉぞ。」
「大丈夫?寝心地悪くない?」
心配そうな彼女の言葉に、オレは笑って答えた。
『ちょうどいい柔らかさで?(笑)』
「もぉ‥‥なんか それってどーなのよ(笑)」
『あはは!』
「翔ちゃんが いいならいいけど~。女子としては、複雑なんですけど?(笑)」
『まぁ?夏海のここはオレのもんだから?いんじゃねーの?』
ふっと笑うと、彼女もつられるように笑った。
ふふっ
「そっか。」
『なんか‥‥』
「ん?」
『寝るの、もったいねぇな。』
「え~(笑)いいって。‥‥寝て?疲れてるんだもん。」
もったいないんだよなぁ。
ホントにさ。
こんな時間がいつまでも続くわけじゃないから、もう少しこうしてたいんだけど…
やっぱ、眠い。
『‥‥んじゃ、お言葉に甘えて。少し寝かせてもらうわ。』
「うん。‥‥おやすみ。」
『お や す‥‥み‥‥‥』
『Zzz‥‥』
オレはあっという間に、眠りについていた。